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ガソリン不足に「パニック」拍車、盛岡・遠野でアンケート

 東日本大震災発生直後のガソリン不足は「パニック給油」が拍車を掛けた−。岩手県立大総合政策学部の元田良孝教授(交通工学)が盛岡、遠野の両市で実施したアンケートなどの分析から、こんな研究結果をまとめた。「不要不急の給油がなければ、実際はガソリンは余っていた可能性すらある」と指摘し、再発防止策として適切な情報提供を挙げた。

 元田教授によると、震災が発生した昨年3月の岩手県内のガソリン販売量は前年同月比18.7%減だった。震災発生前の10日間を平年並みとして、同月11〜31日の販売量を29%減と推計した。
 消費の目安として国道4号の震災前後の交通量を比較すると、約45%も減っていた。販売量よりも交通量の落ち込みが大きいため、必要以上に給油していたと推測できるという。
 震災発生から1週間以内に給油した人(20.3%)に理由を尋ねると「燃料減少」は40.2%にとどまり「不安解消」が30.9%に達した。「行列を見て」との回答もあった。
 供給が改善した4月以降は「不安解消」が18.6%まで減り「燃料の減少」が65.2%に拡大。元田教授は「不安や焦りから生じたパニック給油だった」と結論付けた。
 ガソリン不足時に必要な情報として40.3%が「解消の見込み」を、26.3%が「ガソリンスタンドの営業状況」を挙げた。当時の情報源は口コミの55.5%が最多で、供給見通しについての公的な情報が少なかったことが、混乱を助長した可能性があるという。
 元田教授は「パニック給油を防ぐには、ガソリン不足の初期段階で、行政などが需給に関する情報を十分に提供することが重要だ」と説明する。
 アンケートは昨年7月に実施。調査票を盛岡市で2000部、遠野市で800部配布し、それぞれ358部、124部を回収した。


2012年09月21日金曜日


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