特集 EMでつなぐ環境活動と福祉 紹介

掲載記事:「えむえむ関東49号」より

「ときわぎ工舎」施設長・加藤次郎さんを訪ねて

  房総の南東部睦沢町に設置主体社会福祉法人九十九会(理事長・斉藤茂氏)が知的障害者通所援産施設「ときわぎ工舎」を開設したのは、1995年4月1日のことです。 加藤施設長はEMボカシ ネットワーク関東の会長の要職の傍ら、ときわぎ工舎の分場の作業所、隣町にある「工房」、千葉市にある「まあるい広場」の計4ヶ所の施設長を兼務されています。
加藤施設長さん 日本の人口の約2%が知的障害者と言われます。18歳までは知的障害者の全員が就学できる高等部がありますが、卒業しても就職できるチャンスは極めて少なく、現経済下では限りなくゼロに近い実態です。就職も進学もできない人達を受け入れる施設は少なく、まだまだ日本社会の受け入れ体制の貧困さが浮き彫りになっています。
ここでは知的障害者の皆さんが、受身ではなく、現代社会が直面している「環境問題」「食べ物」「ゴミ問題」などに対し、自分達にもできることはないだろうかと考え、施設の職員共々協力し合って「みんなが住みよい社会づくり」に取り組んできました。
具体的には、本工舎では地元の小麦粉を使ったパンづくり、地元大豆や米を使った味噌、納豆づくりを行い、地元の販売所を通じ販売しています。
「身土不二」「医食同源」を信条に、あくまで地元で収穫された農産物の加工です。EMの浄水器「森のめぐみ」を使ったおいしい水を使っています。
大谷木作業所では、廃材を使っての木工加工(椅子・テーブル・花鉢)は木材資源の再利用です。

環境浄化発信源の仲立ちEMボカシ

一松工房での入浴用ボカシづくり
一松工房では、以前には米の倉庫であった大きな建物の中で、EMぼかしとEM入浴剤を全員で力を合わせて作っています。
EM3号も入れたボカシは大きな力を発揮してくれます。EM入浴剤は睦町役場が買い上げ、町内の各戸に配布しているので、入浴による健康に加え、排水が浄化源となって川の浄化に役立っています。
 千葉市内にある「まあるい広場」は千葉市近郊にボカシを納入しています。牛乳パックの再利用、縫製等リサイクル品作りに取りにも組んでいます。

活動の目標とEMの活用について
 加藤施設長はじめ、職員の皆様の表情が実に明るい。職員の笑顔といつも前向きな取り組み姿勢が、障害を持つ通所者達の生き生きとした顔・目・体つきから伺えるのです。まさに「EM活用」のお陰と確信します。
 それは、自分の力を表現できる作業を行うことにより、持てる能力をフル活用し、充実した毎日を過ごせるということ。そして地域の皆様の暮らしをお手伝いし、共存共栄できる社会を作ること。
即ち社会の一員として活動することが目標となっているからです。
 施設の仕事の主体は、生ごみの減量と川の浄化のためのEMボカシづくりです。5年前から川の浄化運動に取り組み、現在は町当局にその仕事を移管しています。運動を始めたきっかけは、生活排水で汚れた地元の鳴門川の浄化です。公害問題には熱心に戦った住民も、自分の生活排水には無関心の人が多いのです。各家庭からEMを流すことで汚水を浄化してくれると考え、実験を開始。まもなく河川の悪臭が消え、ヘドロも減少しました。これがヒントとなって、お風呂からEMを流してもらおうと入浴用のEMボカシを作るようになったのです。
 EMぼかしには、EM3号やセラミックスパウダーを加え、発酵のため最低半年間は寝かせ、最高級(?)のぼかしを作ります。
 ボカシの袋一つ一つには、作った仲間たちが心込めて描いた手書きの絵が貼られ、生ごみ処理がとても楽しくなるよう工夫されています。
 EMボカシの需要が増え、施設の活動も益々活発になっています。
「福祉施設」が、障害者である自分たちへの福祉施設ではなく、社会が福祉化されていく為の施設であることを目指し、また社会に対して常にエフェクティブな存在でありたい。と施設長の考えは明快でした。

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