特集
自然農法とEM
掲載記事:「えむえむ関東56号」より
=EMネット北関東発=
子供たちに誇れる安全な農業を
佐波伊勢崎有機農業研究会 瀧澤孝悦 初江
H15.8 新潟県内で比嘉教授ご夫妻と
私たちの住んでいる群馬県伊勢崎市は、ニラ、小麦農林61号(うどんに向いている)の栽培が盛んな地域ですが、農業に従事している方の年齢はとても高く、後継者が少ないようです。
私たちは、10年前にEMを知りましたが、父が農業をしていましたので、父を説得させてまではむりだと思い自分たちに任せられたら、EMを使い無農薬で安全な米と野菜を作るつもりでした。
2年前の田植えの直前に父が入院し、慣行農法での田植えをし、言われるままに農薬や化学肥料を使いました。父も含め世間では、当たり前のように農薬や科学肥料が使われているのに、いざ自分たちが使ってみたら、体への害や環境に悪影響を与えている事など、しみじみ感じました。
極め付けにこんなことがありました。主人が除草剤をまいていると自転車に乗った男の子が、2人通りながら「農薬をまいているから逃げろ」といっているのを聞いてとてもショックでした。それ程までに農薬が体に悪いと意識されていたとは・・・子供たちのためにも今の慣行農法を自然農法に変えていかなければと強く感じました。
以来、父から私たちへ農業を任されるようになりましたが、いざ、その立場になると、私たちの地域は、米と小麦の二毛作なので、良い米はできないと言われております。設備投資も必要だし、会社勤めをしながらできるのか、いずれ専業農家になれるかなど不安や心配がありました。
代かき後のEM活性液散布
主人は比嘉教授の著書をほとんど読み考えました。そして、ちょうどその頃、EMで成功されている市内の(有)宮田ブリーディングさんと、上田さん宅(トマト栽培)に(財)自然農法国際研究開発センターの先生方と、比嘉教授が視察に来られると言うので子供たちも連れ家族で会いにいきました。そして比嘉教授に「EMを使って小麦との二毛作で良い米ができますか?」と直接、伺うことができたのです。すると「小麦わらが、とても良い有機肥料になるから、すき込み、活性液をたくさん入れるように」とのアドバイスをいただきました。そして私たちは有機認定専業農家になることを目標にし、決断しました。
分けつした稲
分けつした稲
収穫直前の稲
とにかく比嘉教授がおっしゃるとおり「EMは効くまで使う」を信じてやってみようと活性液製造装置「百倍利器U」を購入し、エコバルク(1t)で二次培養したEM活性液を思う存分使いました。田植えをして1ケ月までは、1株あたり3本〜4本植えのため慣行水田(1株あたり8本位)と比べると、淋しく見える水田でしたが、1ケ月を過ぎた頃から急に背丈も伸び始め、分けつし始めました。V字型に分けつした稲は、とてもすばらしい姿でした。水中にはタニシ、ミジンコ、初めて見るカブトエビ。朝夕、えさを採りくるたくさんのツバメ、コウモリ。減反田には、一度に24羽のカモ。自然農法に切り換えた途端これだけの生物がうちの水田のみ現れるので、周囲の慣行農法の人たちは、とても不思議そうでした。
米の収穫は、まだまだ先なのに生物が現れたり、分けつした稲を見ると幸せを感じました。そして一番心配していた草は、深水管理ができなかった所に大量に生え、深水管理できた所には、生えずに済みました。そして、出穂。穂数を数えると、多い穂で148ありました。そして収穫。1反あたり10俵。深水管理できなかった水田は、3.5俵でした。周囲の慣行水田では、1反あたり7俵でした。
この様に、初年度で実績が出せたのは、活性液製造装置「百倍利器U」を使って質の良い活性液を大量に使ったからだと思います。
流通ですが、まだ収穫量は少ないのですが、米は、とにかく知り合いの方にプレゼントし、人の集まりがあれば試食していただいたところ、思った以上に評判が良くて、今年からは年間予約をしていただけるようになりました。また、近くのスーパーの生産者コーナーに置かせてもらい無農薬・無化学肥料で育てたことをアピールしながら、販売に努力しています。(表示法義務違反しないように注意して)
企業からの乾燥生ごみと米ぬかと活性液をまいて1.5mの棒がささるようになった
畑に棒を指す前
畑に棒を指したところ
米の収穫後、すぐに小麦作りの準備ですが慣行農法の方は、稲わら、もみ殻は焼却しますが、うちは稲わらはすき込み、もみ殻は、慣行の方からもらい受けて、田んぼに有機肥料として利用しています。そして、麦まきも、稲同様に薄植え(慣行農法の1/3)にしましたから、遠くから田んぼを見ると麦の列が見えない程でした。麦踏みも慣行の方より3倍多く行ったのに、踏むたびに麦が元気に起き上がってくれて、とても感動しました。そして出穂。慣行の方よりも穂が長く粒も大きくなり、私たちはもちろん、近所の方々はもっとビックリしていました。(小麦は農協に出荷したため正式な収量は、まだ出ていません)
畑では、自家用野菜を作っていますが、EM活性液を使いはじめてから、1.5m位の棒がささるようになり、深く耕す必要がなくなり省力化できました。農機具メーカーの方に1.5mの棒を畑に差してもらったら、「土の中で、何かが引っ張っているようだ」と、ビックリされ、あちこちでこの話をしているそうですが、だれも信じてくれないそうです。慣行農法では、考えられないようです。
また、先日の強い雨と風でトウモロコシが倒されましたが、ほぼ真っすぐまで起き上がりその生命力に感動しました。私たちは農業を始めて3年目ですが、EMを使ってEMが効いてくれば、作物は丈夫に育つと実感しました。
日々、作物の育っていく姿を見るのが毎日、楽しくて、楽しくて、嬉しいかぎりです。これからも、初心を忘れずに、より美味しい安全な米、野菜を作っていきたいと思います。また、EMを使い出してから、子供たちが農作業を喜んで手伝うようになりました。
親子そろって頑張ります
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