特集 EMと自然農法
掲載記事:「えむえむ関東49号」より
=EMネット山梨発=
農と業はちょっと違う?
雨宮 靖 
 こんにちは、山梨の雨宮と申します。
 私は甲府市で、ブドウ、キウイフルーツ、トマトなどを栽培しており、家業の農園を継いで約10年程です、最近よく思うことは、おそらく農業という職業に於いて、「農」と「業」は、一体でありながら別々の見方をするべきだと言うことです。
自分の考えと手法によって作られる農産物はたとえどんなに素晴らしくとも畑に有るうちは、一円にも成りません。業とするならば、これを商品としてお金に代えなければなりません。商品は、評価されてこそ価値が生まれると考えています。
イーエムは、この価値を生み出す手法の一つとして取り入れていまず。
 一般に有機農法は、『よい』というイメージがありますが、なぜ有機がよいのか明確に説明できる人は数少ないのではないでしょうか。
 作物の一番の価値は、『おいしさ』です。たとえ無農薬有機栽培であろうとも、美味しくなければ売れません。つまり、無農薬等は美味しい作物の一付加価値に過ぎません。『おいしさ』とは、栽培者の考え方すべての、結集を表しているように思います。
 
写真1  雨宮さんと大きくなっていくカイジ

 
 私は有機質が、おいしさをつくりだす要素だと考えていますが、植物の育成には無機質も重要と実感しています。畑でイーエムを使い始めて8年口になりますが、最近は土づくりのみにしぼって活用しています。
 栽培でもつとも重視しているのは環境です。よく『適地適作』と言いますが、栽培環境が合つていると、労せずして美味しく、また、病害虫に強い作物が豊富に実りますが、その逆では、より多くの労力を必要とし、結果も伴わないこともしばしばです。その地に適した作物を、元気よく育てれば、自然に農薬を必要としなくなるようです。
 私の求めている「おいしさ」とは、その作物や品種本来の味です。過度な糖度などには疑問を感じます、口に入れた時に何となく美昧しくて、また食べたくなる、飽きの来ないなぜかニコニコしてしまう、そんな作物を理想としています。
 現在、自園の作物はほとんどが、直接販売です。産直も含めダイレクトに消費者と取引できる事は、大きなメリツトです。それを食べる人の二ーズに応え、手頃な価格で提供する事で、リピートしていただき、作物の価値を理解してもらう事で、本物の顧客になってくれます。
 写真2   ブドウの草生栽培の風景


写真3
直売所で販売される美しいトマト
 *イーエム活用のポイント
・ぼかし中心の施用。ボカシは、自分でいろいろな工夫を加えている。
・セラミック、活性液などと併用し、畑の中に核となるイーエム圏のような所を作り、だんだんに広げている。
・総合的には、イーエムのみにこだわらずイーエムに効果的に働く物があればどんどん取り入れている。

以上のような活用の結果、収量は安定している。また、病害虫の大量発生はなくなり、許容範囲である。鳥害も少ないように思われる。
収穫物の味もよく、だんだん環境がうまく回ってきている感じがする。
今後は『自然のカを―どれだけ引き出せるか』という点を重視し、活用を考えていきたい。

   写真4  EMボカシの作成
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雨宮靖さんは、昨年の自然農法・EM技術交流会京都大会「果樹部会」でも発表され好評でした。約8年前お母さんが取り組んでいた、EM生ごみ堆肥の効用におどろき農業に導入されました。

写真5 EM活性液装置
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