特集 ボランティア活動とEM  
掲載記事:「えむえむ関東58号」より
=EMネット千葉=
館山湾の浄化をめざして
NPO法人安房の海を守り育む会理事長中山邦松

EM活性液の投入
 気候温暖な安房地方は、人類が住みついてから1万年以上経っていますが、戦後わずか50年の間に、土壌や河・海とも汚れ、環境破壊が急速に進んでいます。
 私が住む館山市那古船形の海は、30年前には、アサリ、バカ貝そしてきれいな海にしか住まないと言われるナミノコ貝、ハマグリがたくさん生息していました。その後汚染が進行し、ヘドロが蓄積、「海に入るのは相当勇気がいる」くらいの海へと化して行きました。
 その海が本年春(2004年)ヘドロがなくなり、バカ貝の大量発生に加え、県の絶滅危惧種にも登録されているナミノコ貝まで約30年ぶりに生息が確認されたのです。
 このことは東京新聞、千葉日報に「きれいな館山の海復活」と大きく取り上げられ、また読売新聞にも記事にして頂いたことは地元では周知の事実です。
何故四半世紀以上堆積していたヘドロが消え、生態系が復活したのでしょうか。
 それは有用微生物群「EM」の発酵分解作用と抗酸化作用のお陰である、と言い切れるのです。
 2001年「海の日」に発足した「安房の海を守り育む会」(会員80名、2004年6月NPO法人取得)の3年間に亘る活動の成果に他ならないものと強く確信しています。
 海から大きな恩恵を受け、かつ利用して発展してきた私達。海への感謝の気持ちを持ち続け、海を大切にする心を育まなければいけません。
 そして海を核とした安房地域の発展を願い活動することを理念とし、2002年6月「EM」の培養装置を館山巻網組合ほかの支援で購入し、週3回計600?を製造し、地元の2件のそば屋さんが作る米のとぎ汁とそば湯によるEM培養液を週400?、合計1000?を地元の2つの川に毎週日曜日、一度の休みもなく流し続けました。更に下流の食品加工会社の50トンの浄化槽に毎日EMを入れ、日量25トンを放流しています。
 全国的には広島県安芸津町や有明海諫早湾の海苔養殖、青森県陸奥湾、十和田湖ほか全国各地の海・河川・湖沼の浄化活動にEMが投入されています。
 最近では、大阪市の漁協による道頓堀川の浄化に「EM」活性液を流し、EMだんご(元気玉)を投入、目に見えてヘドロが減少しているそうです。
 共通しているのは「EM」を投入したこと。それ以外の方策が取られていないので、歴然とした事実が証明しています。
 館山市近隣の白浜町・鴨川市・勝浦市が行政としてEM培養液を投入していることも館山湾の浄化に繋がったと思われ、まことに感謝の極みです。
 当会は更なる海の浄化活動を進める為、市議の約半数の11名と船形地区の各団体の代表32名の署名を携え、今年10月15日市長に面会し、「館山市としてEM培養装置を購入してもらい、運用は当会がボランティアで行い、もっと多量のEMを湾に放流すれば更なる好影響が期待できる」旨の要望書を提出しました。

ヘドロだった浜が、EMの投入で砂浜となって、ナミノコが蘇ってきた
=房州日々新聞
「ナミノコが蘇る日」より=
ニッコウガイ超科フジノハナガイ科。砂浜の潮間帯にすみ、寄せる波に浮かび、引く波とともに砂に沈む。ゆえにナミノコ。波の力を借りて移動する姿が、波と戯れるよ
ナミノコ
うに見えることから、ナミアソビの古名がある。スヌーピーの横顔のような形で、大人の親指の爪ほどしかない可愛い貝である。
アサリやハマグリほど深い砂にいるわけではないので子供でも捕まえられる。ナミノコを採って、味噌汁の具にする。子供の楽しい浜遊びである。そんな遊びを知っている世代も、もう四十代より上になってしまった。その昔は、内房・外房のどの砂浜にも棲息していたが、海洋汚染で姿を消し、いまでは富津など、限られた砂浜にしかいない。稀少貝の仲間入りをしてしまったから、若い世代は見たこともないかも知れない。
館山湾の北側、館山高等技術専門学校下の川名の浜には、かってこのナミノコがどっさりいた。この浜に流れ込むドンドン川の汚染からか、今では死んだような姿をさらしている。