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東日本大震災で残業 過労死と認定
9月21日 20時3分

東日本大震災で残業 過労死と認定
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東日本大震災のあと大手電機メーカーの元課長が死亡したのは、外国人の上司が突然、帰国するなどして業務が集中したことが原因だとして、遺族が労災申請していたことについて、労働基準監督署は長時間の残業などによる過労死だったと判断し、労災と認定しました。

過労死の労災認定を受けたのは、大手電機メーカー「富士通」の東京の本社で海外市場の分析などを行う部署の課長を務めていた飛田野達也さん(当時42)です。
飛田野さんは、東日本大震災のおよそ2か月後、心不全を起こして死亡しましたが、遺族は、震災直後、外国人の上司2人が突然、帰国したり、部下が病気で休職したりしたため、業務が集中したことによる過労死だとして労災を申請していました。
労働基準監督署は、亡くなるまでの2か月の残業が月平均で80時間を超えていたことや、自宅でも長時間仕事をしていたことなどから、過労死だったと判断し、先月、労災と認定しました。厚生労働省によりますと、震災に関連して過労死と認められたのは、ことし3月末の時点で12人に上っています。
飛田野さんの妻は「長引く不況と過当競争の激化で、社員の命を思いやる余裕が企業にないことが問題で、このような社会は異常です。心臓が止まった夫の運が悪かったという人もいますが、こうした考え方が新たな犠牲者を生むのです。今回の認定が社会への問題提起になれば幸いです」というコメントを出しました。

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