特集 家庭菜園とEM

掲載記事:「えむえむ関東51」より

EMパワー・感謝と とまどい
=EMネット山梨発=
ユートピアこうふ緑の会 青木のり子
1. ボカシとの出会い

県民の日に出展・中央 青木のり子さん

生ごみの悪臭、集荷作業をして下さる方の健康等、互いに気持ち良い環境はないものかと常々気になっていた。
平成4年5月頃のこと偶然見た救世教の新聞に「生ごみで花の町づくり」の記事が目にとまった。可児市の奥村由勝様が発信されたものだった。電話番号が記されていた。早速ボカシを取り寄せ使ってみた。それがこの活動を始めるきっかけとなった。
次第にEMのパワーに魅せられると共にこんなにすごいこと私ではだめだ、もっと時間もあり、力のある人でないと勿体無い。 そんなことを考え、時間も人望もお金も存分にある方々に呼びかけお願いもした。が残念ながらEMにどなたも出会えてもらえなかった。 結果所詮、私のような者が甲府市の先頭を走ってきてしまった。 全く申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

2. 行政のごみ事情を知る
 情報公開の大切さを言われて久しい。
毎年ごみ減量月間が6月に行われる。ボカシに出会えてすぐに、ラジオから流れるごみ処理経費600万と耳に飛び込んできた。環境部へ電話して確かめた。1日にごみを焼却する経費だった。主婦感覚で考える600万円は驚きの金額だった。
ちょうどそのころ、ごみ問題が盛んに論議されだし、行政が主催するごみ問題のシンポジウム等にしばしば足を運ぶ機会を得た。しかしどなたのご意見の中にもこれは、という決定的な解決に繋がるような手法は見出せなかった。
 平成5年2月市議会主催の「ごみ問題を考える」というシンポジウムが開かれた。その折、私のボカシあえ生ごみを会場の入り口に陳列していただき可児市の奥村さんの資料と共にボカシを配布してもらった。パネラ−の女性議員にもボカシの事をお教えし提案していただいた。後日環境部の係長とともに比嘉教授の講演会を数人と共に可児市に聴きに行った。其の時の教授の言葉は私の心に強烈に響いた。「EMを東京湾に流したら1度に環境問題は解決するのだがな--。」と話された。その後私たちの地域がモデル地区となり賛同者421名で実践にふみきった。半年に亘る実践活動報告書が「ファッション大賞」(審査員は商工会議所会頭、山梨大学学長,NHK放送局、奥脇洋子フリーアナウサー?)という素晴らしい賞を頂き、ボカシがやっと市民権を得たという実感を得た。これをきっかけに県の支援団体となってユ―トピアこうふ緑の会を発足させる羽目となってしまった。平成6年のことである。県は、新知事の下「幸住県構想」を打ち出した時にあたる。

3. 各地域への波及
---ユ−トピアこうふ緑の会、誕生の1年間---
*我孫子農場を見学・我孫子の皆様と交流会・市議、県議共に双方出席
*関東EM普及協会・天野紀宣理事長の講演会 
*県主催比嘉照夫教授の講演会・・・・・・要請・・ユートピアこうふ緑の会
*農家とボカシ合え生ごみの交流事業
以上の事業は時にテレビ取材等があり普及に繋がっていった。

4. 甲府市の経過と現況
*ボカシ棟を建設・・・甲府市障害者センターの方々が製造に当たる。300g希望者に無料配布。
*前市長・私有地を貸与・・生ごみ減量畑に活用。
*年1度、ボカシ作りと地球環境問題、本年より、米のとぎ汁発酵液の作り方、等の説明会を行っている。
辞めていく方もいるがボカシ希望者は年々増加の傾向にある。平成8年度ボカシ希望者1560世帯から平成14年度は2620世帯となっている。

5. 川の浄化・山にもボカシを

笛吹川ウォチングフェアー出展。

・活性液とボカシ団子とEMトイレットペーパーを配布した

*第11回全国ボランテイア交流会が山梨県で平成14年9月21日~22日にかけて開催された。本会は環境部会に参加、濁川の浄化をした。その結果報告書がまた良い結果をもたらし始めている。
*平成15年5月11日、国土交通省、山梨県河川課等が主催する笛吹川ウォッチングフェア−が開催された。本会も参加、活性液とボカシ団子とEMトイレットペーパーを配布した。
川岸をサイクリングしながらボカシ団子を川に投げ込んでもらった。
*4年程前南アルプス北岳から川へ流れ込む大腸菌の問題が大きく報道されたことがあった。その地域の会員中山行夫様にご相談し登山道の入り口にある白州道の駅に300g入りのボカシを置いていただき登山者に携行していただくことにした。平成13年より富士山にもはじめた。当初は富士山クラブに送ったが、ここは地元のEMネット山梨会員・オアシスの堀内さんが富士山クラブの会員であることが分かり今は地元に詳しい堀内さんにお願いし現在は、双方ともEMネット山梨が授産施設のボカシを使って行っている。(無料配布)

6. こんなボカシ和えのつくり方はいかがでしよう!
「1家庭で1日100グラムのごみを減らせば、何と1年間6,200万円の経費が節約できる。」と甲府市環境部の資料に書かれている。誰でもがボカシを使って減量に努めることを望みたい。

ボカシあえを自家菜園で処理できる人は問題無いと思うが、プランタ−や重いものを持ちにくくなられた方など下記のペットボトルと発砲スチロールつかった方法はいかがでしょう。三角コーナーもいらず少量ずつの処理ができ便利です。
魚 野菜 果物を分類して処理します。
用意するもの

発酵土のようす

1. 大きめの発砲スチロールの箱3〜4個
2.山土ないしは腐葉土・・1つの箱に1袋
3.ペットボトル2リットル入り4・5個
4.口の広い弾力性のある容器、糖蜜の空き容器などがべスト。
手順
a. 1の発砲スチロールに2の土を入れ、ボカシ500グラム〜700グラムを入れEM1号を噴霧しながら万遍なく混ぜ合わせ土を一ヶ月くらい発酵させておく。
b. 3のペットボトルを4分の1ぐらいの所で切る。上は蓋とする。
これを幾つか作っておくと便利。
作り方
●魚の場合 
上記のペットボトルに発酵した土を入れて、その中に魚の残渣を入れる。夏の気温では10日位で跡形もなく分解される。
悪臭もなく、処理するのがなんとなく楽しい。発酵土は時々とりかえる。
●野菜の場合
調理の残渣のみを入れる。ボカシで和えるのは従来どおり。水分は手で押さえ逆さまにしてきるとよい。流しにひっくり返して置いてもよい。
いっぱいになったら発酵した土を上に乗せておくとよい。
電気釜のそばなどの暖かいところに置いておくと早く発酵する。
発酵したら発砲スチロールの発酵土に混ぜる。
●果物の場合
米のとぎ汁発酵液の中に入れる。容器は糖蜜の空き容器など広口のものが入れやすい。発酵も早く香りもよい発酵液なので様々に活用できる。つかったら活性腋やとぎ汁発酵液を加えて、繰り返し使用する。 
(注)野菜は空気を遮断するために表面に紙などを一枚載せておく。

【ペットボトル法の利点】
●容器が小さいので自ずと残渣を小さく刻む→調理の無駄が無くなる→ゆえに残渣が少ない
●果実の場合は発酵液をとぎ汁の甘みの補助として利用が可能。
●魚の残渣の場合、早く土に返ってとてもよい。こまめに処理ができ、臭いが少ない点、家族も好感が持てるようだ。従来ボカシ和えを獣に掘られてお困りの方は良い方法かと思う。

ペットボトルを利用した生ごみ処理
左 野菜ごみ 右三つは果物ごみ
【正面から】

ペットボトルを利用した生ごみ処理
左 野菜ごみ 右三つは果物ごみ
【上から】
7. 今後の課題
EMに出会えたお陰で地球環境問題を学び微力でも社会に貢献できることを幸せに思う。声を掛けてくださるところ何所へでも出かけた。
どの団体も行政とタイアップしながら畑には活かしている。しかしどの団体もえむえむ関東に載せて頂けるような活動はしていない。私も日常の生活の中でせいいっぱいやってきた。もう限界だと思っているが後進にバトンタッチするのには、鮫谷事務局長が以前開いてくださった普及員養成講座を甲府市で開かねばならないと思っている。
EM自然農法を学び食に関わる健康の問題・心の問題等を学んだ。これらから自然観察の大切さを知った。しっかりと私の中に根づいた。
EMパワーに背中を押されながらこまで半ば自分の生活を犠牲にしながら突き進んできた。これも一重にこの会で自然を尊重しその規範に順応する。という自然観を学び、更に今まで考えもしなかった微生物の世界を学ばせて頂いたおかげと心から感謝している。
普及員養成講座を開き、大勢の方々に学んで頂き、裾野を拡大し後継者の出現を願うものである。

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