特集 水質浄化活動とEM  
掲載記事:「えむえむ関東60号」より
=EMネット千葉発=
町民の1割が参加・官民一体で南房総の海をきれいに!
白浜町水質浄化研究会会長  大平晃也

写真1
培養タンク2号器の前で。大平さん(右)と石井さん
 白浜町は南房総の最南端にあり、冬でも温暖なことで知られている、人口約6000人の観光地です。
 私達が水質浄化活動に取り組み始めたのは平成12年5月のことで、当研究会が結成され1年が経った頃でした。
 その頃は、観光地にもかかわらず、町役場近くの河口にヘドロが堆積し、悪臭を放ち、町の大きなイメージダウンに繋がっていたのが活動のきっかけとなりました。
 河川の水質浄化が海の浄化となり、水産資源が復活すれば素晴らしいことだ、という思いからだったのですが、今では隣市はもとより他県からの問い合わせをいただくようになり、当町とほぼ同じ環境の神奈川県三浦市漁協からの視察受け入れに至るまでとなりました。
 活動の開始は当時商工会の婦人部長だった小原さんとの出会いです。当初のメンバーは私を含め男性二人、女性五人(その後、一名入会)でポケットマネーを出し合って、EM、糖蜜、炭、EMぼかしを購入し、町当局(土木環境課)、消防団本部、区長の許可を得て防火用水に投入したのが最初の活動となりました。


写真2 
島崎地区の排水路に2次活性液を投入する区長さんと女性メンバー
 防火用水はとりあえず一ヶ所にし、残ったEM活性液20L、炭20kg、EMぼかし25kg(Tシャツに小石と一緒に入れ、沈める)を悪臭を放っている「どんどん川」に投入し、一週間ほど経過後、様子を見たところ河口の臭いが激減し、場所によっては底の砂が見えるほどに澄んできたのです。
 その結果に集まった皆が驚嘆の声をあげ、立ち会った町当局(土木環境課)からも「まるで清掃直後のようだ」との評価をいただきました。
 これが皆のやる気を誘い、ペットボトルを集め、ポリタンクを集め、米のとぎ汁を集めよう・・・ということになりましたが、メンバーの女性は家庭の主婦が殆どで、たちまち資材購入、すなわち資金調達の面で困っていたところ、ある先輩から、行政に相談しなさい、行政のほうで賛同が得られなければその先輩が面倒を見る。との言葉を貰い、行政の窓口・土木環境課課長 宇山氏(当時)に相談しました。そして「俺が道を開いておくから是非続けなさい」とのお返事をいただけたのです。
 この時の喜びは本当にうれしかった。
 それから町長の英断でEMを使うことの規則ができ、EM活性液装置(百倍利器)を導入することにより、正式にEMの効果を行政が認めてくれました。
 今では行政側で、週一回「百倍利器」にて200L製造し、毎週木曜日に一人2Lまで無料配布しています。
 当水質浄化研究会では、昨年までは5月から10月までは週一回「百倍利器」を使って拡大液200L製造、その間1tタンクで12回培養しました。

写真3
塩浦地区の排水路に2次活性液を投入する区長さんとメンバー
 平成17年度は4月から11月まで1tタンクで20回を予定しており、各家庭で米のとぎ汁発酵液を作って流すようにします。町内全2300世帯のうち、10%を超えた世帯で水質浄化活動を続けていますが20%のシェアを目指し活動を続けます。
 私達の活動も6年を迎えますが、一番反省している点は活動記録がないことです。
 しかし確実に運動が拡がり、着実に成果がでています。当会は規則も規約もありませんが、心をひとつにした仲間たちがEMを認め、行政側が税金を使っての活動となったことに大いに自信を深めています。最後に、白浜町には未だ使われていない資源がたくさん眠っています。これはまだ構想の段階でどうなるか分かりませんが、これらの未利用資源を活用するNPO法人 白浜町未利用資源利活用研究会(仮称)を立ち上げようと思っています。
 ご参考までに公布されました規則(抜粋)です。
白浜町規則第6号
「白浜町生活雑排水等浄化に関する規則」
第3条(町の責務)
(4)町はEM活性液を予算の範囲内において提供する事業
第4条(住民等の責務)
2.住民等は生活排水、調理くず及び廃食用油等を適正に処理するとともに使用する洗剤に配慮し、EM菌(有効有用微生物群)等の使用を考慮し、河川、海等の水質汚濁の防止に努力することとする。
この規則は平成15年4月1日から施行する。
以上
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