特集 EMと水質浄化
掲載記事:「えむえむ関東53号」より
授かった使命 川の浄化
EMネット山梨
ユートピアこうふ緑の会 青木のり子
汚い濁川(県下ワ―ストワン)
私はこの地で育った。すっかり汚くなってしまった川を嘆かわしく思いながらもどうすることもできなかった。エコピュアでボカシ和えの液肥を流し海辺がきれいになっていった。と言う杉本烈子さんの事例を見た。ちょうどそのころ、40Lの容器でご近所10軒ほどの生ごみを集めて処理していた。早速液肥を流し始めた。アオミドロの真ん中に液肥をおとす。真夏だったので4日ほどで消えだす。うれしかった。そんなことが川へと心を寄せていった。県の環境団体に属していた平成7年、静岡県三島市の「地域ぐるみ環境づくりグランドワーク三島」を尋ねた。その方たちがかかわる宮さん川、源兵衛川の綺麗さに深く感銘をうけた。
濁川はヘドロで埋まり大して水も流れずごみは上から放り込み放題、梯子でも掛けなければ下には降りることもできず汚くなって当たり前なのだ。県へお願いして川へ下りる階段をつけ花壇を作って頂いた。地域で親水公園と名づけた。明治4年には駿河から富士川を溯り物資を運ぶ船運がここまできていたということだ。 川遊びができ蜆も取れたという。今度は水を綺麗にする番だ。
共生ネットワーク山梨の中に若者のグループ「イオ」が誕生しそのグループが協力を申し出てくれた。早速県の河川課へ許可を頂に行った。川に物を設置することはもちろん流すことは何ヒトといえども許可しない。と言われてしまった。
濁川河川敷きにEM活用の花壇を整備
イオの方々も忙しくなってしまっていた。年取った私たちで出来るかなーと思いあぐねていた。そんな折り、「濁川の一地点から基準値の4.9倍のダイオキシンを検出」と報道された。さあ大変ほっとくわけにはいかない。その報道がきっかけとなり思い切って投入を開始した。 イオの方々も忙しくなってしまっていた。年取った私たちで出来るかなーと思いあぐねていた。そんな折り、「濁川の一地点から基準値の4.9倍のダイオキシンを検出」と報道された。さあ大変ほっとくわけにはいかない。その報道がきっかけとなり思い切って投入を開始した。
会員の中に市民会館のレストランと知り合いの方がいて大量のお米のとぎ汁をいただいたり、お寿司屋さんが届けてくれたり、ご近所の方が持ってきてくれたりと地域の方々の協力を頂いた。その時は月に一度、米のとぎ汁200Lぐらいの投入だったが一年半ぐらいたったある日、川に稚魚がいっぱい泳いでいるのを見つけた。その時の感動と驚きとうれしさは今思い出してもほのぼのと感無量だ。
濁川と汚染物質
濁川は甲府市内に源流を発し、少し下って3本の川を合流させながら親水公園より1.5キロ下流で川幅67mとなり、農業用水にも利用されながら、12キロを流れ秩父山系から流れ出る笛吹川に合流し更に日本3大急流の一つ富士川に入り駿河湾へと注ぐ。現在は大雨の時には下水道を包含し、土砂、排気ガス、道路粉塵、大気からの降下物、細菌、ウイルスのような病原性微生物、アスファルトの粉塵、タイヤかす、車のワックス、タバコの吸殻、唾、無数の細かいごみ、枯れた植物、虫の死骸、ペットの排泄物、殺虫剤殺菌剤、除草剤、防虫剤、建築現場の新建材からの物質、ジュースの空き缶、ビニール袋、紙袋、等で汚染される。またこの川の流域には環境部の焼却灰を処理する場所がある。完璧を期しているだろうが万が一という事もあるので気になる。(参考資料 NHK取材班 飲み水が危ない)
第11回全国ボランティアフェスティバル
環境部会に参加
一昨年 平成14年9月21〜22日に標記の大きなフェスティバルが開かれた。
参加した皆がどういう事をすればよいのか皆目わからなかった。会を重ねるごとにテーマが見えてきた。翌年は石川県にバトンタッチすることを考慮に入れ「残したいね!美しい山の都甲府!!〜森から街へ!そして海へ!」と決定、ユートピアこうふ緑の会は濁川の浄化をすることに決定した。
さぁ、大変だ。何が何でもその日に間に合わせなければならない。
市がわたしたちを抜擢したのだからそれにかかる費用は当然市が負担してくれるものと思っていた。が一銭も出ないのだ。どーしよう。私の国民年金でも当てようかな!そんな矢先のことだった。テレビから環境団体を支援するという全労災からのテロップがながれた。比嘉先生の「蘇る未来」と数冊のエコピュアと私たちの活動報告書を持ち早速申し込みに行った。締切ぎりぎりだった。後日支援の通知を頂いたときは本当にありがたかった。
愈々作業開始
甲府市には住みよい街づくりを目指すエコープラン委員会がある。(現在は21世紀街づくり委員会)そこに提案した。重たいEM活性液の運搬を引き受けてくれた。昔濁川は武田神社の東側、竜ケ池に源を発し旧甲府城の二重に取り巻く堀に流れ込んでいた。今その堀はほとんど埋め尽くされ城の前に僅かな池が残されているだけだ。作業開始当時は行政に訊ねても皆目わからず川を上流へ溯り足で確かめた。親水公園より1.5キロぐらい行くと暗渠になる。50年も昔の記憶をたどってここにも水路があったと、思しきところを歩く。幅5mある川も残っている。皆汚いくさい川だ。そうこうしているうちにここから流せばよい。と目安が付いてくる。
比較的車の止めやすく作業しやすい場所を見つけた。暗渠から顔を出したところだ。
投入作業
作業内容
会員数:15名(平均年齢67歳)
作業期間:平成14年4月29日〜9月21日
投入量:毎日曜日 活性液200L(活性液EM共生ネットワーク山梨より購入)
活性液投入回数:23回 全投入量2.6t
米のとぎ汁EM発酵液投入:15回 全投入量1.195t
設置物:
・EMXセラミックス破砕20kg(段差のある水の落ちる所に籠に入れて沈める。EM研究機構提供)
・40Lー容器3個(中身は、1つのスットッキングに300gのボカシを入れる。それを4本つくり1つの容器に詰め込み、川の水をその中にいれたもの。また、燻炭とセラミックスをいれ、米のとぎ汁EM発酵液をいれたもの。川のふちに置き点滴的に落す。夜の作業とする)
・ボカシ団子(1箇所だけ200個)
川の変化:2000年(平成12年)5月29日
始めて米のとぎ汁発酵液を流し出した時。
臭気あり、生き物の姿は見られず、すこぶる汚い川だった。
COD 20 燐酸1 硝酸5 アンモニア0.5 透視度59
2002年(平成14年)8月4日
COD 0 燐酸0.03 硝酸0 アンモニア0
(夏休み中日曜日 何度計測してもこの数値 人の気配の無い静かな日)
2002年(平成14年)9月21日
COD 20 燐酸0.5 硝酸性窒素5 アンモニア性窒素0
透視度計を紛失計測不能、底の砂が綺麗に見える。残念ながら数値はあまり変わりは無いが小魚がいっぱい泳いでいる。もちろん臭気はない。マガモのつがいが住み着きセグロセキレイ、コサギ等が飛来している。魚釣りをしている子供や大人が増えている。夜、河川敷で花火遊びをしている子供たちがいる。
このように変わってきた。
河川敷:
男性2名が参加。親水公園の半分は草だらけだった。 ここにも花を植えていきたい。草の上に活性液や米のとぎ汁発酵液をジャブジャブと撒く、ボカシも撒く。
思うほど草は枯れない。セラミックスの粉(発酵C)を米のとぎ汁発酵液の中にいれて散布する。
その結果、草が抜きやすくなった。今までの河川敷は石だらけごつごつだったので新たに土を入れた。省力化もさる事ながら後に花を好きな方たちが携わり易くするためにこじんまりと円形花壇にした。ここを散歩する人々が更に気持ちよく歩け健康になれるように、そんなことを思いながら作業を進めていった。色鮮やかな花が咲いた。その花々の蜜を蜂が吸いコスモスには保護色のキタテハ、アカタテハが乱舞している。トンボが水面すれすれに飛び交い始めてみる光景に橋の上や、河川敷を散歩する人々も足を止めて眺めている、うれしい光景だった。
投入前
投入後
このように必死の作業の結果、ボランティアフェステイバルに他県からの見学者をお迎えすることができた。参加者にエコピュアとEMを配布した。(EM共生ネット山梨が提供)浄化前の様子は引き伸ばした写真で示した。皆様驚きの声を上げられた。汚かった川だからこそ綺麗になったことがよくわかる事例だったと思う。
暗渠から3面コンクリートを流れ川底は自然の砂地の親水公園に流れ込む。砂地だかこそEMが住み着いてくれたのだと思う。ここより400m下流は、自然のビオトープを形成している。2本の川が合流している。水量も多く川幅も25mほどあるが常時水の流れているところは5mほどだ。鯉が群れ泳ぎ水鳥が居、亀も甲羅干しをしている。以前は川をのぞく人はいなかつたが今はえさを投げ込んで楽しんでいる人を見かける。下水道も完備してきたが以前とは明らかに違う。EM効果、大といえる。
課題
毎日が日曜日と言う方がいたらこんなに楽しいことは無いと思う。水に親しみ花と出会い生まれてくる稚魚に出会いその成長を見届け様々の生物に出会う。生物の多様性を私たちが創り出すお手伝いができるのだ。期限が限られていたので大変なプレッシャーだったがこのような光景に慰められた。
この報告書の冊子を地区、24自治会の会長さん方に配布した。どなたも「これからも綺麗にしましょう!」といってくださるお方はいなかった。より多くの人々が環境問題、水の問題を学ぶ必要性を痛切に感じる。よく源流からでないとだめだ、といわれる。そんなことは無い。自分の住んでいるところを源流と考え行動したら点は線となり波動が広がる。
親水公園より2キロ下流に住まわれる市の職員の方が、どうして川がこんなに綺麗になるのか不思議に思われたと言うことだった。市の公園の池浄化につながった。
県の方も認めて下さり川づくり懇談会などに出席する機会いただく結果となった。責任の重大さを感ずる。市の池の浄化をパートナーシップの元で成功させしっかりと行政につなげていきたいと思っている。ボカシと同じように川の浄化などには活性液を無料で配布していただきたいものだ。更にEMが入手しやすいように販売店を開拓していく必要性を感じている。
多数の皆様、関係各機関、EM共生ネットワーク山梨、EM研究機構の協力を心から感謝している。
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