特集 EMでつなぐ環境活動と福祉

掲載記事:「えむえむ関東55号」より
=EMネット埼京発=

ボカシ作りに効率は似合わない
             日高生ごみリサイクルかわせみ
関根浩介
私どもの施設は、日高市にある授産施設「かわせみ」(定員52名)といいます。
 今から9年前に「日高市生ゴミリサイクルの会」(代表斉藤ミチ子さん)の呼びかけにより、地元の人達と一緒にEMによるボカシづくりを推進しているこの会に参加させてもらいました。生ごみ用ボカシづくりをすることにより、税金の無駄を省き、また、環境にも自分の健康にも大変有効であること。また、ボカシを販売することにより収入を得られる、と言うことで、喜んで授産施設の仕事の一つとして受入れました。当時、何も知らない私達に何人もの先生を紹介して下さり、また多くの会内外での研修を通していろいろ教えてもらいました。私達の施設では、利用者の人達を「仲間」と呼んでいますが、その仲間たちにとってボカシづくりをすることが心身の鍛練にとても良く合う、と比嘉先生に教えられ、本当にそのことを信じて今日までやってきました。初めは、そんなこととは知らずに、能率的便利さから、コンクリートミキサーを使ったりしました。そのことは後で比嘉先生の奥様にその間違いを指摘されました。仲間たちが自分たちの手で自ら作ることの本当の意味も分からず、ただ売らんかな、の思いだけでやろうとして大変恥ずかしい思いをしたこともありました。
 かわせみでは、ボカシづくりを、職員1名、仲間5名のメンバーで、毎日午前中に作業しています。この数年間、職員が折角技術を覚えても2〜3年で退職してしまうこともあり、専門職員を長く育てていくことの難しさも感じています。仲間にとっては、このボカシづくりの仕事がとても好きな人が多く、仕込みから袋詰め、販売までの一連の流れ作業を毎日元気よくこなしています。

ボカシは生ごみ発酵促進材として月に500袋を販売

 入浴用ボカシ
 良いボカシを作るには、出来るだけ発酵させる期間を長く「3か月以上」置いた方が良いのであるが、今のところ注文に応じることが間に合わないことがあり、短期間「1か月〜2か月」で販売している状態です。また、もみがらと米糠を混ぜて作るときは、あまり玉(固まり)は出来ないが、米糠のみで作るときはどうしても玉が沢山出来てしまい、それを粉にするのに少し難儀しています。何か良い方法があったら教えて欲しいと思います。
 地元の生ゴミリサイクル会の方にいろいろ教えてもらったり、また市民の行事等で、年間を通して一緒に販売やPR運動をして協力してもらっています。
現在、市内外での販売とEM環境浄化技研さんとの定期的な契約で月に500袋程販売しています。中でも、行政の協力により、市内にある5つの公民館で販売協力してもらっていること、市がEM生ゴミ処理容器購入のための補助金を出してくれるようになったことがEMの普及に大変役立っています。
 なお、「かわせみ」では、ボカシを利用して入浴剤も作り販売しています。数はそれほど出ていませんが、今後少しずつでも販路を拡大していきたいと思っています。
 これからも、研鑽に励み更により良質のボカシづくりを目指し、施設として地域へのEMによる普及運動を積極的にしていきたいと思っています。
以上