おしえて680 投稿者 くろぅさん | |
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ラテン語は、紀元前1000年ごろにローマのティベリス川(ティベル川)あたりに住みついたインド・ヨーロッパ語族が用いていた言葉が始まりです。彼らは自分たちの住むところを Latium(ラティウム)、自分たちを Latini(ラティーニー)と称していました。それがもとで彼らの言語は Lingua Latina(リングワ・ラティーナ)といわれ、現在もラテン語という名で呼ばれています。 さて、ラテン後は死語、廃語とする説が圧倒的ですが、私はずっと前にテレビのドキュメンタリー番組でどこかの国の老人たちがラテン語で会話する様子を映像で見ました。死語になりつつあるが、まだ言語として使用している国もあるという証拠です。 またフィンランドの国営放送が国際時事ニュースをラテン語に翻訳して世界中に短波放送しているばかりか、その同じ記事を、毎日、インターネットでも“Nuntii Latini”の表題で流しているので、誰でも入手できます。(残念ながら日本語では書いていません)つまり、ラテン語は今も生きているのです。 また、なぜマイナーなラテン語を学名にしておくかですが、何百年もかけて世界中に広まった学名(ラテン語)は、たとえ国によって読み方が違っても、言葉が違っても、地球上のどこに行ってもこの学名を見れば何をさすのか一目瞭然という、いわば記号のような役目も果たしています。インターネットで多くの情報が世界中に瞬時に行き渡るような現在と違い、学名が世界中に行き渡るには何百年という長い年月がかかったことと思います。その由緒ある学名を今、使いづらいから別なものにしてほしいと誰かが立ちあがったとしても、ラテン語に強い親愛感を持っている欧州人が許さないと思います。ですから読み方はわからなくても記号だと思えばいいのですよ、くろぅさん。 フィンランドのラテン語による記事を見たい方はこちらへ(英語版があります)http://www.yle.fi/fbc/latini/summary.html ラテン語を国語として使用している国はないようです。 ただし欧米ではラテン語を習う機会は多いようです。 教養なんでしょうか? 彼らにとっては自分たちの文化・芸術を遡って行くときにラテン語の必要性を感じたり、親しみを持つのではないでしょうか。古文や漢文を習うのと同じ感覚のように私は理解しています。 学名にラテン語を使う理由は・・・ アリストテレスによって多くの生物の名前がラテン語で命名されていた。 後世になり生物の命名法をリンネが提唱した。(属名+種小名であらわす2名法) そしてその時リンネはラテン語で生物を命名して体系付けていった。 それがそのまま続いている・・・で、学名はラテン語・・・ ということですね。 といっても地名や人名や他の言語の単語もつかうのでラテン語化して使っています。 参考は以下です。参照推奨URL:珪藻の世界からラテン語 http://www.u-gakugei.ac.jp/~mayama/diatoms/pronunciation.htm 参照推奨URL:ラテン語のお話http://www.hi-ho.ne.jp/kellopie/latin_index.html 日常の話し言葉として使う人がいないと言う意味では、ラテン語は死語と言い得る訳ですが、ローマ法王を国家元首とするヴァチカン市国では現代でもラテン語が公用語(但し、外交用語はフランス語、業務用語はイタリア語)とされ、カトリック教会では礼拝儀式は全てラテン語で執り行われているそうです。 また、嘗て一地方語に過ぎなかったラテン語がギリシャ語をも取り入れる形で成熟し、ローマ帝国の興隆に伴いラテン語圏も拡大され、帝国滅亡後にはラテン語を母体とする地方語(ロマンス語)としてのフランス語・スペイン語・イタリア語・ポルトガル語・ルーマニア語等が派生したものの、ラテン語はカトリック教会を中心として用いられたことで、口語と文語の乖離等の変遷はあるもののルネッサンス期以降には学術語・教養語としての地位を固め、近代に至るまでヨーロッパ世界の共通言語としての役割を果たして来ました。 現代のラテン語系(ロマンス語)の言葉はラテン語がルーツであるのは当然としても、ドイツ語・オランダ語・北欧語のように本来ゲルマン語系の言葉である筈の英語ですら、シーザーがブリタニア島に渡って以来ラテン語の影響を受け、また1066年にノルマン人がイギリスを征服してからの約二百年間はフランス語が英国の公用語になった時代もあったため英語の約6割はルーツをラテン語に求めることが出来るそうです。 例えれば、日本語と漢文(論語・史記等)の関係、否それ以上の関係と言えそうです。 以上のことから、現代でもヨーロッパではラテン語が根深く横たわっていると同時に、特に当時から近代に至る歴史・文学・思想・哲学・法律・医学等を深く学ぶにはラテン語の素養が必須とも言える訳です。 また分類学はアリストテレスに始まり、分類学の父と呼ばれるリンネによって確立された背景があることから、学名(国際植物命名規約、他同様に動物・細菌・ウイルス・栽培植物の各規約)の各部門の起点をリンネ時代の1753年5月1日以後の幾つかの出発点に定めたとは言え、過去の蓄積からもギリシャ語・ラテン語又は外国語のラテン語化によって学名を命名するというのは当然の成り行きだったと考えられます。 以上のとおり、たとえ話し言葉としては死語だとしても、過去から現在に至るまでラテン語はヨーロッパ世界に深く浸透していますから、決して死滅した訳では有りません。 又、日本でも使われるローマ字=ラテン文字ですから、その影響力は凄い!と思います。 同じラテン語系でも発生が早かったとされるフランス語では、発音が省略される文字部分もあるため違和感がありますが、スペイン語・イタリア語・ポルトガル語等であれば概ねローマ字読みで対応可能ですし、どちらかと言えばラテン語もそれに近い訳ですから、日本人にも親しみやすい言葉だと思います。 参考推奨URL:ラテン語からフランス語へ http://www.ab.aeonnet.ne.jp/~memoria/lingua/lingua_latina.html 参考図書:『世界大百科事典(平凡社)』 口語として終わっているので、言葉の浮き沈みがなく公平な表現が出来ることや、文法が整備されているので誤解を招かないこと。また、近代学問が発展したヨーロッパの言語にはラテン語派生が多く利便性がある。など、多くのメリットがあるそうです。 まだまだあるそうですので詳しくは進化ゲノム学の研究者である作者の下記URLでどうぞ。 参考推奨URL:斎藤成也の ホームページ http://sayer.lab.nig.ac.jp/~saitou/japanese/Latin.html 新約聖書はラテン語で、旧約聖書はヘブライ語で書かれていました。 ですから、聖書を聖典とする宗教(キリスト教だけでなく、イスラム教なども)では、その原本を読むためのラテン語というのは必須のものです。 中世ヨーロッパではキリスト教会が力を持っていて、裁判(神の裁きを代行する行為)のやりとりはすべてラテン語で行われていたなど、教会以外の場所でもラテン語が使われていたのです。(当時、パリ大学でキリスト教を学ぶ学生たち(ラテン語で議論する学生たち)がたむろした辺りはラテン語街(カルチェラタン)と呼ばれ、その名が今も残っているのはご存知のとおり) ラテン語は聖なる言葉というのがあって、また国に偏らないことからリンネ(学名の提唱者)はラテン語を使う事にしたのではないでしょうか? ラテン語はキリスト教が存在する限り残ると思われます。 凡字(サンスクリット)が仏教が存在する限り残るように。 ラテン語は古代ローマ帝国の公用語であり、現在のヨーロッパ各国の言語(英語、フランス語、ドイツ語、etc.)の共通の先祖と言うべき言語です。 また中世ヨーロッパにおいては、政治・宗教・学問等、ほとんどの文書はラテン語で書かれており、ラテン語はヨーロッパ共通語ともいうべき物でした。 現代でも動植物の学名などにラテン語が使われるのは、その名残りと考えられます。 また別の理由として、ラテン語は文法的に新語が作りやすく、新しく発見された動植物等に名前を付けるのに都合がいいと言われます。 また現在どの国でも使われていない言語ということは、逆にいえばどの国に対しても中立・平等であるという理由も考えられます。 ラテン語は、古代ローマ人が使用していた言語で、その後、あの西洋を作り上げた<神>というものの<存在を証明する唯一の言語である>と認知されました。 そのため、現在でもヴァチカンでは、ラテン語を使っているとも言われています。そして、昔の学問はすべて<神>に集約されており、諸学の根幹は<神学>でありました。こうごうしい諸学の源がラテン語であるなら、神学よりずいぶんと下等な学問である植物学とか医学の対象である花や草、病気は、ラテン語で命名してやって神から認めてもらわねばなりません。 こうしてすべての学問は、ラテン語によって残されることになったのです。今日のラテン語の名残は、つまり、中世まで続いた<神学第1主義>がもたらしたものなのです。 ちなみにこうした思想風土は、教会のあの先鋭な塔にちなんで<男根中心主義、ロゴサントリズム>と表現され、近年の哲学では、さっぱり流行りません。 これは、逆にマイナーな言語であるから学名に用いられているのであると思います。 言葉(言語)は生きています。我々の使っている日本語も、表現を始め、発音など種々変化しつづけています。 このような生きている言語を学名に用いたのでは、何年、何十年先に、読み方発音などで、不都合が生じるのではないでしょうか。 そのような中で、学名として用いるには、ほとんど「死語」となった「ラテン語」を用いた方が都合が良いのではないでしょうか。表記、発音などが不動であることが使 われる理由だと思います。 イメージとしては「古文」とかの文語体ではないでしょうか。 会話文ではなく文語体なので昔からの学問を踏襲してきているし、変える必要がないので都合がいいと思われます。じゃあ違うものに変えよう、となると、どこの言葉を使うかで一騒動起きそうです。 ラテン語を使っているもので有名なものは教会関係で、賛美歌とか聖書です。でも今は現地の言葉(日本なら日本語、フランスならフランス語とか)に訳されているらしいので、実際に牧師さんとかが知っているかとなると微妙です。 |
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一人を選ぶのは非常に困難でした。最もラテン語の現状を伝えてくれたのは、のんきさんだし、例えがいちばんよくわかったのは浜ちゃんです。どの回答も納得できるものだったので甲乙つけがたかったのでさちパパがリンク紹介の模範にされたガウリィさんに敬意を表してという形にさせていただきました。 |
また、ガウリィさんの回答は今後、参考リンクを紹介していただく際の模範とさせていただきますので、ぜひご参考にしてください。 |
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正答者の方々です。本当にありがとうございました。 | |
乱気流さん・トキヲさん・ガウリィさん・ガウリィさん・ガウリィさん・蓬莱さん・浜ちゃん・のんきさん・ぶひぃーさん・matsumotoさん・そくらちゃん・Tsuneさん |