「泊原発の特別扱いはしない」。原子力規制委員会の委員長が、冬場を迎えても泊原発再稼働の判断はしないとの考え方を明らかにしました。しかし、灯油などの価格は上昇していて暮らしへの不安はいっそう高まりそうです。
原子力規制委員会の田中委員長は地震や津波など日本独自の条件をふまえた新たな安全基準を10か月以内に策定するとした上で、基準ができない限り再稼働の判断はしないとしています。冬場に電力需要が高まる泊原発についてはこう述べました。
(原子力規制委員会・田中委員長)「(泊原発について)特別な扱いはしない。地震とか津波とか他の国にないような事象があるのできちっとした評価が済まないと」
規制委員会は原発の稼働について強い権限をもっていて、泊原発の冬場の再稼働は見送られる公算が強まりました。
冬場の電力不足が予想される中で、道内では、灯油やガソリンの価格がじわじわ上昇しています。灯油の価格は5週連続の値上がりとなっています。この1か月間で灯油は5円上昇しました。一方、道内のガソリンの価格をみても、9月に入って、若干、下がりましたが、依然1リットルあたり147円台と依然、高い水準にあります。灯油やガソリンの価格が上がり続けていることに市民は不安を感じていました。
(市民)「ちょっと厳しいですね、これぐらいでおさまってほしい」「暖房に支払う分が増えるとほかのものが買えなくなる。節約しないと苦しいです」
国の調査機関は、今後、灯油の価格が高騰する可能性は低いとみていますが、原発再稼働の見通しがないことしの冬は節電と節約に頭を悩ませそうです。
(2012年9月21日(金)「どさんこワイド179」) |