名古屋グランパスのMF藤本淳吾(28)が首位・広島打倒のキーマンに指名された。広島戦(22日・瑞穂陸)を控えた21日の練習後、DF田中マルクス闘莉王(31)が「明日は淳吾の左足が勝負を決める」と異例の予告。藤本の高精度なキックが優勝戦線浮上への切り札だ。
百戦錬磨の闘莉王には勝利へのシナリオが見えている。広島戦について問われると、間髪入れずに答えた。「明日は淳吾の左足が勝負を決める。淳吾だね。1点くらいは入るよ」。珍しくチームメートをキーマンに名指しし、勝利を約束した。
闘莉王のイメージにあるのはセットプレーだろう。練習の最後には闘莉王、DFダニエル、FWケネディ、MFダニルソンと高さのある4人がズラリと並んでコーナーキックを繰り返し確認。キッカーを務める藤本からのボールを闘莉王らがゴールへたたき込んだ。
闘莉王は「明日は1点は取られるかもしれない。問題はウチが2点、3点と取れるかどうか。セットプレーで得点したい」。広島の堅守を崩すのは簡単ではないだけに、藤本のキックを起点に得点をもぎ取る構えだ。
闘莉王から名指しされた藤本にも、司令塔としての自覚は十分。「明日が大事なゲームだということはわかっている。広島はやりづらい相手じゃない」と自信のコメント。「攻撃では得点にからむ。守りでも相手のパスコースを切りながら寄せていくようなプレーをしたい」と攻守で大暴れを誓った。
今季は開幕からセットプレーでなかなかゴールを奪えず、その分、勝ち点をのばしきれなかった。「直接いける位置ならもちろん狙う。いいボールをけりたい」と藤本。その黄金の左足が、闘莉王の予言を現実にする。 (木村尚公)
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