金のシャチホコ:「金の茶釜」溶かし再生計画 名古屋市長
毎日新聞 2012年09月21日 02時30分(最終更新 09月21日 02時32分)
河村市長は今年春以降「本物であることが重要」と城の創建当時の金を使った金シャチ作りを発案した。茶釜を溶かして金を抽出し、別の金を組み合わせて金シャチ1体を作るというアイデア。独立行政法人造幣局(大阪市)の試算では3億円かかるという。作った金シャチは、市が2017年をめどに名古屋城前に設ける予定の飲食店街「金シャチ横丁(よこちょう)」に置き、訪れる人が触れるようにして観光の目玉にする意向だ。
◇市幹部は慎重姿勢
市長の構想に、ある市幹部は「茶釜を溶かすには、茶釜作りを決めた当時の有識者らの了解が必要だし、3億円をかけることに議会や市民の合意が得られるのか」と困惑する。別の市幹部は「金シャチ横丁はオープンまで5年かかるし、名古屋城では今、本丸御殿の復元工事が行われている。金シャチ作りを焦る必要はない」と指摘する。
河村市長は名古屋城の天守閣についても木造で復元する意向を示すなど「本物」へのこだわりは強い。「本物の金シャチはどえらい集客力がある」と製作に意欲を見せている。