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十勝毎日新聞社ニュース

母娘そろって司法試験合格

2012年09月20日 14時12分

 帯広出身で札幌市在住の小池(旧姓・葛城)明子さん(55)と長女の千尋さん(25)が今年の司法試験にそろって合格した。北大法科大学院の同級生として2年間、隣同士の席で勉強に励み、2回目にしてようやく手にした悲願の合格キップ。母娘そろっての合格は珍しく、ともに「資格を生かして社会に役立つ仕事をしたい」と目を輝かせている。

母娘そろっての司法試験合格を喜び合う小池明子さん(左)と千尋さん

 明子さんは帯広柏小、帯広第六中、帯広柏葉高を卒業後、北大法学部に入学。卒業後は一般企業に就職、結婚して3人の女児を出産。「ごく普通の主婦だった」という。子育てが一段落し、40代からネットや予備校で学びながら、司法試験に挑むようになったが、容易に夢はかなわなかった。

 千尋さんは札幌南高校から母親と同じ北大法学部に進学。「入学当初は司法試験は視野に入っていなかったが、母親がチャレンジする姿を見て、大学院への進学を決めた」。夢をあきらめ切れない明子さんも千尋さんの影響を受け一念発起。2009年春に千尋さんと一緒に大学院へ進学し、“同級生”としてスタートを切った。

 毎日10時間を目標に勉強に励み、教室では隣同士の席で学んだ。「リポートはメールで提出しなければならず、娘に力を借りたこともあった」と明子さん。二人三脚で励まし合いながら勉強の日々が続いた。

 1回目の昨年はそろって不合格。そして一番楽しみにしていた明子さんの父親葛城信彦さん(享年88)=帯広=は朗報を聞くことなく同年9月に逝去。2回目の挑戦となる今年の試験は手応えも十分。「自分は落ちても仕方がない、自分はこれで最後という気持ちだったが、娘には絶対に受かってもらいたかった」と発表までの心境を明かす。

 合格発表の今月11日、インターネットで2人そろっての合格を知った。明子さんは信じられず何度も受験番号を確かめ、涙を流して母娘で喜びを分かち合った。「父親に合格を伝えたかった」と明子さん。母親の美智子さん(79)に知らせると、美智子さんも大喜びし、さっそく仏前で手を合わせ信彦さんに報告したという。

 明子さんは「母親として、主婦としての経験を生かし、この年齢だからこそできる弁護士の仕事があると思う。多くの人たちの役に立てるよう頑張りたい」と抱負。千尋さんも「弁護士は法廷で戦うイメージがあるが、行政やNPOなどいろいろな活躍の場がある。資格を生かして社会的に信頼される仕事をしたい」と夢を膨らませている。

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