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2010/07/10

2:12 am

今日久しぶりにグローブ座で芝居を観て来た。
「ニコミュ」記者発表の準備やワークショップもあり、
おまけに「JAPAN EXPO」まで参加してしまい
忙しくてこの1カ月何も観なかったらたまらなく芝居を観たくなった。
それもしっかりしたもの観ないとかえって欲求不満になると思ったので、
急遽「アリバイのない天使」を観に行った。

面白かった。芝居はとてもよくできていた。
「アリバイを売る会社」という設定が生きていて、日本の芝居ではあまりお目にかかれない、
しゃれたコメディに仕上がっていた。
言うことがあるとすれば、この芝居を、今やる意味ってどこにあるのだろう、ってことぐらいだ。
今の世の中とつながっている意識がないので、全部が軽くふわふわ浮いて見え、
ただの絵空事に思えてしまう。十分に笑えるけど、感動は特にはない。
でもそこは意見の違いってことにしかならないだろう。
芝居には今の社会を映しだしている何かがあるべきだ、と言うのは僕の考えで、
この芝居をプロデュースした人はそういう点は無視してよいと考えたのだろう、そういう考えももちろんある。

坂本昌行くんは、かっこよくて芸達者で、とても好感が持てた。
嬉しかったのは、風間俊介くんだった。
こんなに素晴らしい俳優に、なるとは思っていたけど、
こんなにも体のキレが良くて、
台詞の粋な風情も、言葉のシャキッと切れ味の良さ加減も、
瞬時に入れ替わる喜怒哀楽も、女装の可愛らしさと意図的なシナの作りも、
あらゆる演技のポイントで、たったこの10年間で水準をはるかに超える俳優になるとは、
これらすべてを初めて会った時には予想できなかった。

10年前、「遊戯王デュエルモンスターズ」の武藤遊戯役を考えた時、
表と裏のある少年という役がリアリティを持つにはどうしたらよいか、
これを任せられるのは、演技力のある大人の女性声優にではないと思った。
このタイプの少年を演ずることのできる女性声優ももちろん大勢いる。
その人たちに任せれば、強くてかっこいい裏の遊戯は十分できる、
でも表の遊戯はただの弱っちい少年に見えなければいけない、
それを演ずるにはまだ十分には社会になじんでいないプリミティブな少年に演じてもらうほうが
武藤遊戯の弱さがリアルに表現できると思った。
J事務所にこちらの希望ポイントを伝えてお願いしたら、
社長が推薦してくれたのが風間俊介くんだった。
僕はこの天才演出家の感覚を信じ、経験は無くても大丈夫、すぐ役柄になりきってどんどん伸びる、と納得した。
彼も初めてのアニメ声優の仕事でスタートではいろいろ苦労していた。
スタッフと一緒にたくさん練習し、絵に合わせることは数回でクリアした、活舌もどんどん良くなった。
気が付いたら表も裏も武藤遊戯は風間くんの手の内に居た。
原作者からもお墨付きが出た。
仕事場でのとてもまじめできちんとしたたたずまいも皆に愛された。

そんな風間くん、楽屋に訪ねたら身軽に廊下の向こうから飛んできてくれた。
久しぶりの対面、あっけらかんと嬉しそうに握手した。

俳優を心からほめることのできる楽屋はこちらも楽しい。
嬉しくなって雨の新大久保コリアンタウン、普段は食べない焼肉をたくさん食べてしまった。

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片岡義朗

旧「蟲師空間」の住人、アニメプロデューサー、参加作品に「タッチ」「ハイスクール!奇面組」「蟲師」「ガ... もっと見る

  • 2012/08/18更新
  • 2008/05/20登録
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