ローカルニュース
宿泊千人分キャンセル 春秋航空運航中止で県内
2012年09月18日
中国・上海の格安航空会社「春秋航空」による上海−米子鬼太郎空港(鳥取県境港市)間の連続チャーター便の運航中止が17日、鳥取県に伝えられ、関係者に落胆が広がった。県は今回のチャーター便運航で県内の旅館・ホテルに中国人観光客延べ千人が宿泊するとして確保に奔走していたが、すべてキャンセルとなる見込み。観光業への影響も必至だ。
春秋航空の連続チャーター便は、県内で開催中の「国際まんが博」を誘い水に平井伸治知事が同社に運航を働き掛け、実現した経緯がある。3月に1往復が就航したが、連続は初。県としては将来の定期便化に向けての“テストフライト”としたかっただけに、関係者は「悪い時期に重なった」と残念がった。
県国際観光推進課によると、今回の運航に伴う中国からのツアー定員は計840人。10月1日から大型連休に入ることもあり、前半の申し込み状況は好調だった。しかし、中国では反日デモの動きが拡大し始めた先週中ごろから、キャンセルが。県内の観光地では受け入れ準備や宿泊先の確保も進めていただけに、同課は「影響は大きい」とする。
日本から中国へのツアーも、情勢の悪化に伴って苦戦を強いられていた。農協観光鳥取支店によると、700人弱の定員に対して予約見込みは、県職員の100人を含め170〜180人程度。塚田武志支店長は「反日デモが起きた先週からパタッと申し込みが止まり、キャンセルもあった。安全確保の問題もあり、この情勢ではどうしようもない面もある」と話した。
県交通政策課は「ツアーを楽しみにしていた方には申し訳ない。春秋側とは沈静化を待ってあらためて交渉していくことになるだろう」としている。
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