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習近平に交渉破談の濡れ衣を着せる矢板明夫の陰謀論
前回の記事で、中国指導部の覚悟と決断について書いた。逆に照らしてみると、日本の側には全く覚悟と決断の契機がない。尖閣有事とは中国との戦争の勃発である。多くの国民の生命が奪われ、国家が破滅するかもしれない。そういう重大な危機に直面し、政治家の一挙一動には重い責任があるのに、野田佳彦や玄葉光一郎や前原誠司の言動や態度には寸毫の真剣さもない。本来なら、民主党代表選など延期して当然の局面だ。彼らは覚悟も決断もしていない。覚悟も決断もせず、ズルズルと成り行きに任せて尖閣有事のハプンを待っている。何も悩んでいない。在留邦人について配慮を巡らせていない。中国に依存している日本経済の破局を想像していない。今回の尖閣問題について、日本の指導部がやっていることは、ただ米国に指示を仰ぎ、米国の指図どおりに動いていることである。だから、野田佳彦も、玄葉光一郎も、前原誠司も、何の動揺も不安も憂慮もなく、頭を使って考えることがなく、心を悩ませることがないのだ。尖閣有事の状態を現出させ、改憲と集団的自衛権と核武装に持って行くことは、米国が決めたロードマップである。また同時に、彼ら右翼政治家の積年の目標でもある。米国に任せていれば、万事うまく成就するシナリオであって、自分たちは何も深く考える必要はないのだ。この為政者の無責任と無自覚と無神経は、71年前の太平洋戦争突入時が同じだった。
当時の天皇が現在の米国に置き換わっただけだ。破滅の戦争を始めようとしているのに、為政者が決意も緊張もしていない。他人任せで危機感がなく、国民への責任を覚知する内面がない。最悪の想定をしていない。マスコミは中国への敵愾心と不信感を煽るばかりで、為政者の外交の無能や過失や不全や無策を追及しない。石原慎太郎の軽挙と妄動と愚行を指弾しない。次に国民に押し寄せる巨大な不幸と悲劇について言わない。為政者と右翼の代弁機関になっている。中国は明確に、「『味方が800人傷つこうとも、敵を千人殺す』意志と耐える力がある」と
言って
いる。「日本への反撃で断じて手加減しない」と
言って
いる。「領土主権を守ることにおいて、中国は『実力を隠し、力を蓄えて好機を待つ』方針に制約されない」と言っている。中国共産党の機関紙である「人民日報」でそう言明している。中国の日本への要求は明確で、それは、駐日大使の程永華が9/16に毎日の書面インタビューに答えて
記事
に書かせている。すなわち、「72年の国交正常化と78年の平和友好条約締結の際、日中双方が尖閣問題を「今後の解決に待つ」として『棚上げ』したことを説明。『棚上げの合意がなくなれば、領土問題のために中日関係は永遠に平穏な日がなくなる恐れがある』として、早期に合意に立ち返り、尖閣問題を適切に処理すべきだと日本政府の対応を求めた」。外交のボールは日本政府に投げられている。
この要求に正面から回答しなくてはならない。「棚上げ」の正式確認しかない。それを決断できなければ、尖閣有事の日を迎える。野田佳彦や前原誠司の頭の中は、とりあえず、これを利用して改憲するという狙いだけだ。好機到来を逸せず、ここで憲法改定と集団的自衛権を仕留めるという姑息な思惑だけだ。あとは米国が何とかしてくれて、米国が中国と横綱相撲をとってくれて、政権も次に変わっていて、自分たちは責任から離れているだろうという、その程度にしかこの事態を考えていない。当事者意識がない。戦争を避けなくてはいけないという意思と発想がなく、問題を平和裏に解決するべく努力しようという責任感や使命感が欠片もない。中国に向き合わず、国民にも向き合っていない。中国にも国民にもメッセージを発信していない。マスコミもそれを求めない。要請しない。ただ国民の反中感情の昂揚に迎合し、中国を誹謗するデマ情報を拡散し、中国に対する反感と憎悪を増幅させているだけだ。古舘伊知郎がその典型だ。昨夜(9/20)の報ステは、今回の尖閣問題をめぐる反日暴動の黒幕が習近平であるとする、産経新聞の北京特派員記者の話を長々と放送、次の中国の指導者が反日だとする悪質なプロパガンダを刷り込んでいた。産経新聞の記者の話では、「3条件」で妥協しようとしていた中国政府の方針を、習近平と保守派が横槍を入れて覆したのだと言う。胡錦濤から権力を奪った習近平の謀略だと説明する。
いかにも、反中感情を先鋭化させて興奮している大衆世論が喜びそうな床屋政談だが、産経新聞の記者(矢板明夫)の説明は時系列が合っていない。日本のマスコミが、中国政府が「
3条件
」を要求したと交渉内容をリークしたのは、8/28のことだ。産経新聞の記者の説明では、8月初旬の時点では中国は「3条件」で合意だったのが、8/10の李明博の竹島上陸を契機に党内情勢が変わり、胡錦濤が日本に対して弱腰だと保守派によって叩かれ、そして、国務院を調整する要職の党中央弁公庁主任が胡錦濤側近の令計画から習近平側近の栗戦書に変わる政変が起きた結果、「3条件」の方針が撤回されて強硬化したと言う。しかし、もしそれが本当なら、8/28の時点での「3条件」の日本政府への伝達と日本のマスコミへのリークはタイミングが遅すぎる。このリークは、栗原家からの島購入を急いでいた外務官僚の「飛ばし」の意味も大きいけれど、中国外交部がOKを出していなければ、日本のマスコミが記事で表に出せる情報ではないのである。山田吉彦らによる都の尖閣調査が行われたのが9/2で、石原慎太郎がそれを発表したのが8/24。マスコミが大騒ぎして世論を焚きつけていた時期に、日中の実務者が協議して「3条件」の折り合いができていた。外務官僚は世論を鎮めるべく「3条件」をリークし、地権者に即時売却を迫っていたのである。この時期、石原慎太郎とマスコミの暴走を抑え込むべく、日中が尽力していたのは間違いない。
つまり、「3条件」での合意は、8/28の時点ではほぼ確定事項で、APECでの日中首脳会談(9/8)も決まりかけていた。文言(ステートメントの一字一句)の調整に入っていた。私はそう読み解く。そこから、事態が急変するのだ。何があったのか。石原慎太郎の側の巻き返しだが、無論、石原慎太郎が外務官僚の政策決定をひっくり返せるわけがない。それができるのは、唯一、米国の力だけである。米国の差し金であり横槍だ。今回の尖閣の問題は、火を点けた発端(4月の石原訪米)も米国であり、火を燃え広がらせた(9月の国有化騒動)のも米国だ。陰謀論の方法で謎を解くなら、中国保守派や習近平の策謀ではなく、一から十まで米国の謀略である。日本と中国を絶対に友好関係に戻さない。冷戦から有事へ向かわせる。尖閣沖で衝突(小競り合い)を起こさせ、日本を改憲と核武装に踏み切らせる。日本に空母を購入保有させ、南シナ海に配備させて中国海軍と対峙させる。中国を封じ込め、米国がテリトリー化を狙う東南アジア圏域から中国を締め出す。それが米国のアジア太平洋戦略である。日中の衝突と対峙は、米国にとって単に軍事戦略上の必要条件であるだけでなく、経済的にも大きな利益をもたらす機会条件だ。市場で日本製品のシェアが落ち、米国製品に恩恵が回る。投資や受注の競争で優位に立てる。手強い競合者の脱落を意味する。何もかも米国の思うツボ。付言すると、石破茂や右翼は、国内に核実験場がないから日本は核武装ができないと言っているが、核兵器をそのまま米国から輸入する手があるではないか。
真犯人は米国だ。8/28にマスコミに情報が出た時点で、すぐにルースが動き、前原誠司に強い指示を出し、外務官僚を恫喝して「3条件」を反故にしたのだろう。数日後には新聞記事の様子がおかしくなり、「3条件」の話は立ち消え、日中首脳会談の観測も消え去った。(日本の)内部で暗闘があり、変事が起きているのは一目瞭然だった。その謎解きの辻褄合わせで、産経新聞の矢板明夫とテレ朝の古舘伊知郎は、習近平を悪玉にする陰謀論を捏造し、「3条件」が破談した濡れ衣を着せて責任を狡猾に押しつけているわけだ。8/28の「3条件」リークの時期と状況を考えれば、合意を焦っていた動機は日本の外務官僚の方に強かった。もし、8/11の李明博の竹島上陸を契機に中国共産党内で政変があり、対日方針が転換して強硬路線になったとするなら、8/28の時点で「3条件」の提示が出るのは遅すぎる。時間的に整合性がない無理な説明だ。この産経新聞の「説明」の悪知恵も、製作元はCIAかもしれず、情報工作の一環として疑いの目を向けていいだろう。NHKの大越健介・三宅民夫と並んで、特に2008年以降、ヒステリックに反中プロパガンダの絶叫をやってきた中心人物は、テレ朝・報ステの古舘伊知郎だった。それにしても、戦争が始まるかもしれないというのに、この国内の異常な静けさは何なのだろう。2005年のときは、奥田禎が経済界の論理を代弁して融和に動いた。今回、それがない。左派の論者たちは何も言わず黙っている。マスコミでもネットでも、口を開く者は中国の暴徒批判のみで、日本の右翼化を問題にしない。産経新聞の怪しげな「説明」(=牽強付会)が「正論」になっている。
理性が失われている。それが最も必要なときに。
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thessalonike5
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2012-09-21 23:30
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