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石巻赤十字病院・女性死亡事故 元医師ら2人を書類送検

 宮城県石巻市の石巻赤十字病院救命救急センターで昨年8月、宮城県美里町の無職女性=当時(53)=が救命処置後に医療ミスで死亡した事故で、県警捜査一課と石巻署は20日、業務上過失致死(医療過誤)の疑いで男性元医師(30)=北九州市八幡西区=を、医師法(異状死の届け出義務)違反の疑いで女性医師(28)=山形市=を書類送検した。県警によると、男性元医師は容疑を認め、女性医師は否認している。

 送検容疑は、男性元医師は昨年8月13日午前9時5分ごろ、女性の心臓を覆う心嚢(のう)に針を刺し、心嚢液を抜き取る処置をした際に内針を抜き忘れ、14日早朝に心臓からの出血による心タンポナーデと急性循環不全で女性を死亡させた疑い。
 女性医師は14日早朝、遺体を検案した際、抜かれているはずの内針が残っているのを見つけ、医療過誤の疑いがあると認識しながら、警察に届け出なかった疑い。
 病院によると、末期がんだった女性は13日午前8時半ごろ、救急搬送された。多量の心嚢液がたまっていたことから、男性元医師は心嚢に針を刺して液を抜き取ったが、14日午前5時に呼吸停止となり、その後死亡が確認された。
 女性医師は死亡診断書の死因にがんと記載したが、病院には針が残っていたことを報告。東北大が病理解剖したところ、針の抜き忘れが死因だと判明した。
 男性元医師はことし8月に依願退職し、女性医師は現在、別の病院に勤務している。
 金田巖院長は「関係職員の書類送検は大変遺憾で、厳粛に受け止めている。再発防止に努め、安全で安心な医療の提供に取り組んでいく」とコメントを出した。


2012年09月21日金曜日


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