軽やかにリフティングするグランパスのストイコビッチ監督=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのドラガン・ストイコビッチ監督(47)が次節・広島戦(22日・瑞穂陸)へ向けて対決モードに入った。20日は練習前に緊急ミーティングを実施。広島が得意とするカウンター封じなどについて確認した。敗れれば優勝戦線から脱落する首位・広島との大一番へ、万全の準備で臨む構えだ。
脱“横綱相撲”だ。約30分間のミーティングではストイコビッチ監督が広島対策を念入りに伝授した。相手がどこであろうと真っ向から受け止め、自分たちのサッカーを貫き通すのがピクシー流。相手の対策にはあまり時間を割いてこなかっただけに、広島戦へのアプローチは異例と言える。
主将のGK楢崎は「守備でも攻撃でも広島は特徴があるチーム。例えば『どうしたらカウンターを食わないか』という点について、知っておいて損はない」と説明。広島は3−6−1の変則システムを採用している。指揮官は選手個々のポジショニングにふれ、具体策を練り上げたもようだ。
高まるピリピリムード。その余波は報道陣にも及んでいる。19日の戦術練習の際には、クラブ側から練習内容の具体的な報道や写真撮影を控えるよう異例の要請があった。今季は4月の浦和戦の際に練習が非公開になった例があるが、原則的に「すべてオープン」がストイコビッチ監督のやり方。広島戦に懸ける指揮官の思いは特別だ。
DF阿部は「大事な試合だと全員がわかっている。監督は口では言わないけれど、練習やミーティングを通し、間接的に選手を盛り上げようとしてくれる」と語る。
負ければ優勝の可能性は限りなくゼロに近づいてしまう。打てる手はすべて打ち、ストイコビッチ監督は決戦を迎える。 (木村尚公)
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