今回は異なる。サムスングループ未来戦略室の関係者は「以前のような勧告にとどまらず、人事制度にまで絡め、飲み過ぎの習慣を正さなければ、出世も危うくなるという認識を植え付けたい」と話す。同関係者は「年末までは飲酒文化改善キャンペーンを強力に推し進め、来年からは節酒セミナーの受講を社員教育の必須科目に指定し、人事にも反映させるという2段階戦略で、キャンペーンの効果を最大化させる」と説明した。
今回のキャンペーンでは、警告メッセージだけにとどまった過去とは異なり「罰酒(ペナルティーとして飲ませる酒)」「一気飲みの強要」「どんぶりで酒を飲む行為」を「3大悪習」と位置付け、関連企業全体にタブー事項として周知した。また、年末まで全社員約21万人を対象に社内放送、ウェブマガジン、広報誌などあらゆるルートでキャンペーンを展開するほか、全社員に節酒誓約書の提出を求める計画だ。さらに、酒を飲み過ぎたと認められる社員には、自身の健康状態と飲酒習慣に関するカウンセリングを受けさせる方針だ。キャンペーンでは、社員の飲み過ぎで被害を受ける家族にも賛同を求める予定だ。
飲み過ぎの口実、または原因といえる仕事上のストレスを解消するための対策にも積極的に取り組む。サムスンの李仁用(イ・インヨン)コミュニケーションチーム長(副社長)は「飲み過ぎはストレスを酒で解消しようとすることが原因だが、ストレスを解決しなければ、結局は飲み過ぎや無理強いを根絶できない。スポーツ同好会などに破格の支援を行う方針で、年末の忘年会からは社員の飲食文化が一新されるはずだ」と期待を込めた。