飲酒:サムスン、無理強いと飲み過ぎ追放

史上最大の節酒運動

 「酒を飲めなければ成功はない」「酒席を避けるのはひきょうだ」「酒は組織生活に必須だ」という認識が残る限り、誤った飲酒文化は絶対に変わらない―。

 サムスングループ幹部は19日、創業以来最大の節酒キャンペーンに突入した目的をそう説明した。酒のせいで社員が健康を害し、業務効率が低下し、家族も被害を受けるという悪循環を断つためには、誤った飲酒文化を是正するしかないという考えが根底にある。同幹部は「今回のキャンペーンのキーワードは『無理強い』と『飲み過ぎ』だ。酒を飲めない人に無理やり飲ませ、自分の限界以上に酒を飲む文化をなくさなければ、永遠に『二流の組織文化』が残る」と指摘した。

 サムスンは2004年にも「爆弾酒」(ウイスキーをビールなどで割ったもの)や飲み過ぎをなくそうというキャンペーンを社内で実施したが、成果が上がらなかった。当時は李健熙(イ・ゴンヒ)会長が「世界の一流企業で酒臭いまま出勤してくる人がこれほど多い企業はない」と強く批判したが、飲酒も業務能力の一部と見なす社会的ムードに押され、うやむやになってしまった。

 サムスンは同じ失敗を繰り返さない方針だ。今回のキャンペーンは前回とは質、量の両面で大きく異なる。前回は社内に「爆弾酒は身を滅ぼす」「飲み過ぎで脳細胞10万個が破壊される」といったポスターを貼る程度にとどまっていた。節酒を勧告したにすぎない内容だった。

権承俊(クォン・スンジュン)記者
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