
中国ではフェラーリがもとでゴシップネタになっている
今年3月に北京で起こったイタリア高級自動車フェラーリの謎の死亡事故が中国の政局に影響を与える事態に発展し、注目を集めている。
香港のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙が3日、死亡した運転手の男性は胡錦濤国家主席の側近として知られる令計画氏の息子だったと報道。令氏は、中国共産党の党中央弁公庁の主任を務めていたが、前週末に同氏を共産党の統一戦線工作部長に命じる事実上の降格人事が明らかとなっており、フェラーリ事故をめぐる騒動の影響を排除したい当局の意向が働いたとの見方が強まっている。
事故当時、死亡した運転手の男性の名前は明かされなかったため、政府高官の息子ではないかとの憶測がネットで飛び交い、関連する言葉がネットで検閲対象になるなど当局も神経質になった。さらに同乗していた2人の女性が重傷を負い、1人は全裸だったと伝わったことから性行為に及んでいたなど様々な思惑が浮上。フェラーリは500万人民元(約6200万円)の超高級車だったと報じられ、貧富の格差が大きい同国において物議を醸した。
中国共産党は今秋の党大会で10年に一度の指導部交代を行うが、新体制への移行を前に今回の事件で党幹部家族のぜい沢な暮らしぶりが明らかになり、党への批判が高まるのを恐れ令氏の左遷に踏み切ったとみられる。