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マイコプラズマ肺炎 流行注意
マイコプラズマという細菌による肺炎の患者が、この時期としては過去10年で最も多く報告されていることから、国立感染症研究所はせきが続く場合は早めに医療機関を受診するよう呼びかけています。
マイコプラズマという細菌が原因の「マイコプラズマ肺炎」は、発熱や全身のだるさとともにせきが長く続くのが特徴で、診断が遅れると肺炎が重症化したり、脳炎などを併発したりすることがあります。
国立感染症研究所によりますと、今月9日までの1週間に全国のおよそ500の医療機関から報告された患者の数は501人で、この時期としては過去10年で最も多くなっています。
1つの医療機関あたりの患者数は栃木県で6.57人、群馬県で3.63人、福島県で3.29人など、関東を中心に東日本で流行しています。
マイコプラズマ肺炎は去年も秋から冬にかけて大きな流行となりましたが、ことしは年明けから患者数の多い状態が続き、今月9日までの累積の患者数は、去年の同じ時期の1.8倍に上っています。
また、これまでに報告された患者の80%は、14歳以下の子どもとなっています。
国立感染症研究所の安井良則主任研究官は「これまで治療に使われていた抗生物質が効きにくいタイプが増えていて、年間を通しても、去年を超える規模の流行になるおそれがある。大きな流行になれば重症化する人も増えることから、せきが続く場合はマスクをし、早めに医療機関を受診してほしい」と話しています。
東京・足立区にある小児科の診療所では、7月ごろからマイコプラズマ肺炎の患者が増え始め、今月になって患者の数はさらに多くなっているということです。
18日も保護者に連れられた子どもたちが相次いで受診し、このうち小学1年生の男の子は、2日前からせきが出始めだんだんひどくなっていると訴えました。
医師は聴診器で胸の音を聞いたりのどを診たりし、かぜと違ってのどが赤くないことや乾いたせきが続いていることから、マイコプラズマ肺炎と診断し薬を処方していました。
また、抗生物質を服用しているものの1週間前からせきが収まらないという小学3年生の女の子に対し、医師は、マイコプラズマ肺炎の症状が重くなっていると判断し、別の種類の抗生物質を処方していました。
女の子の母親は「友達の子どももマイコプラズマにかかったと言っていました。薬がなかなか効かず、だんだん苦しそうになってきたので心配です」と話していました。
診療所の和田紀之院長は「2学期が始まってから患者が増え、学校での感染だけでなくきょうだいや親子の間で感染するケースも目立っている。薬が効きにくいタイプもあるので、せきが長引く場合は医師に相談してほしい」と話しています。
09月18日 17時01分