国民的ゲームとは何か?
そして基調講演の終盤。堀井氏から若い人へのメッセージが送られた。
「マシンは進化するけど、面白さの本質は変わらない。いま、やれば面白いゲームはたくさんある。でも、いまはケータイもあるしネットもある。ひまつぶしがたくさんある。だから、「やってみたいかも」「ワクワクしそうだ」と、ユーザーを能動的にしてあげる必要がある。そういう人を増やしてください」
そして最後のトークテーマは、「国民的ゲームとは何か?」というもの。これに対する堀井氏の返答で、濃密な80分は幕を閉じた。
「国民的ゲームを作ろう! と思って作れるものじゃないです。『ドラゴンクエスト』も、最初はそうじゃなかった。でも20年以上たって、みなさんのおかげで広がっていった。国民的ゲームは、持続と広がりが作るものです」
そして堀井氏は、最後に、こんな言葉で基調講演を締めくくった。
「親と子供がいっしょに遊べるのは素晴らしいことだと思う。マンガでいうと、手塚治虫さんの道と、藤子不二雄さんの道がある。読者の年齢に合わせて成長していくマンガと、ずっと同じ年齢の読者のために描かれるマンガです。『ドラゴンクエスト』は、藤子さんになれたらいいな、と思っています」
(文/野安ゆきお)
※CEDECは日本最大のゲーム開発者向けカンファレンス。9月1〜3日までの3日間パシフィコ横浜・会議センターで開催された。参照記事:最先端ゲーム開発の現場がわかる! 「CEDEC 2009」が横浜で開幕