ゲーム言葉
(1999年12月19日更新)

[目次]
第1回:「4文字の話」
第2回:「なにごとだの話」
第3回:「魔法の話」
第4回:「消耗品の話」
第5回:「6文字の話」

第1回

(4文字の話)
実験します。

芸能人の名前を、以下に記しておきました。
声に出して、読んでみてください。
あるいは、声に出したつもりで、
頭の中で、読んで見てください。

準備はよろしいですか?
では、どうぞ。


(1)あらしかんじゅうろう
(2)きむらたくや
(3)ちばれいこ


はい。読み終わりましたか?
読み上げたときのイントネーションを、
頭の片隅にとどめておいてくださいね。

では、続いて、以下の名前を、
声に出して、読んでみましょう。


(1)あらかん
(2)きむたく
(3)ちばれい


今度もまた、
どんなイントネーションだったか、
記憶しておいてください。

というところで、質問です。
4文字の略名を読んだときの、イントネーションって
やたらと、平坦なものに、なりませんでしたか?

交互に、何度も読んでみましょう。
ゆっくり、ゆっくり、声に出してみると、
より鮮明に、わかるはずです。

「きむらたくや」
「きむたく」
「きむらたくや」
「きむたく」
「きらむたくや」
「きむたく」

はい。わかりましたか?

きむらたくや、は、
たぶん、抑揚のある言い方になったはずです。
6文字の中で、
音が上がったり、下がったりするのです。

しかし。
きむたく、になると、平坦な言い方になったはず。
音楽でいうと、「き・む・た・く」の4文字が、
同じ音階の音になるのです。

(注:地域によって、
言語の発音には差異がありますので、
あくまでも一般論として考えてください)


なぜ、こんなことが起こるのでしょう?
それが、大和言葉が持つ、不思議さのひとつ。

5文字よりも短くなった途端、
ぼくたちは、それを平坦なイントネーションで読んでも、
違和感を感じなくなってしまうのです。
それが、日本語の特性なのです。

じゃあ、どうして、日本語は、
5文字より短い言葉は、
5文字の言葉と、
違うイントネーションで読めてしまうのか?

理由はカンタンです。
小学校で、学んだはず。
日本語は、「七五調」あるいは「五七調」を
ベースとした言語だからですね。
(つづく)

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