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掲載日:2012年5月29日

業界研究SPECIAL食品編

就職活動で避けて通れないのが“業界研究”。でも、何から手をつけていいのかわからない・・・という人も多いのでは?
そこで、この特集では人気企業の人事に聞いた「今後の事業の方向性」と「求める人物像」、「選考スケジュール」など
気になる情報をご紹介。各社のインタビューを読みくらべることで、業界研究が深まるハズです。
さらに、活躍中の社会人や内定者、シンクタンクの研究員のコメントなど、
ここに来ればさまざまな角度からの業界研究も可能なので、すみずみまで読み込んでみて。

人気企業の人事に聞いた、求める人物像と選考スケジュール

株式会社ニチレイフーズ 管理部  
総務企画グループ 人事担当 マネジャー
柴田雅浩さん
唐揚げ、グラタン、たい焼きなどの冷凍食品を製造。うち6割はスーパーや飲食店向けの業務用、4割を家庭用として販売している。
しばた・まさひろ●1992年入社。関東のエリア営業支社に配属されたのち、全国を網羅する広域営業部に異動。さらにマーケティング、商品企画、商品統括グループを経て、営業マネジャーを経験。2011年4月に現部署へ。「売り上げの5割を占める業務用食品のことなど、普段は見えないが人々の食生活と密接にかかわっているニチレイフーズの姿をきちんと伝えたい」と、学生への丁寧な説明を心がけている。プライベートでは、スキーのインストラクターの資格を持ち、毎年雪山に行くなどアクティブな面も。一方、娘(小6)と一緒に嵐に夢中になったり、息子(小3)とサッカーを楽しむなど良きパパっぷりも発揮している。

コラム「よくある学生の勘違い」

自社製品を無料で食べられて
うらやましい!?

会社説明会などで、学生が社員に対してうらやましそうに言うことが多々あります。でも、社員にとってみれば、自社製品を楽しみで食べているわけではなく、仕事で食べているわけですから、うらやましがられると返答に困ります。食べたいのではなく、毎日食べ続けなければ仕事にならないのです。揚げ物が多いので、カロリーオーバーにも気を配りますね。

華やかなイメージ!?

食品メーカーの仕事に、華やかなイメージを抱いている人が少なくないのですが、実際の仕事はきわめて地味です。顧客であるスーパーの売り場に立ち、試食品を提供したり、冷凍庫に入っての棚卸や、品出しをしたり。厨房に入って冷凍食品を揚げたり温めるなど、売られている現場での仕事を通して得た気づきが重要となります。

文系は営業、理系は開発!?

入社後やりたい仕事を聞くと、文系出身者は必ずといっていいほど営業を、理系出身者は開発を希望します。でも、大学時代の専攻はたった4年間だけ。この4年間で身につけた専門知識は限られており、逆に会社に入ってから学ぶべきことは山のようにあります。ニチレイフーズは総合職採用を行っています。つまり入社後も勉強し続けることで皆さんのキャリアは無限に広がっていくということです。文系だから、理系だからという枠にはまらず、自分の可能性を追求していってほしいですね。

「理念に共感」って本当!?

よく「御社の理念に共感しました」という言葉を聞きますが、理念を本当に理解できるのは、仕事を通じて自分なりの課題や自信がついてきてからのような気がします。会社の理念はときに曖昧(あいまい)な言葉を使って表現されているもの。それは、さまざまな職種で課題を抱えた社員が、それぞれ問題意識を持ったからこそ響く言葉であるためです。人事を喜ばせるために「理念に共感」する必要はまったくありませんよ。皆さんには、まず「自分はニチレイフーズで何がやりたいのか」を一生懸命考えてほしいと思います。

安全・安心を追求し、世界に愛されるニチレイフーズへ

食環境の変化に柔軟に対応していく

「安全・安心」なモノづくりは、食品業界の根幹です。業界全体の信頼を揺るがした産地偽装や薬物混入のニュースにより、一度崩れた信用を取り戻すことがいかに大変なのかを私たちは痛感してきました。だからこそ、ニチレイグループでは安全・安心への取り組みに向けた継続的な活動を行っています。食材の安定供給のため、輸入だけでなく、国内に青果加工・物流拠点を新設。地元の契約農家から買い取った生鮮野菜をここで集荷・包装・加工して外食やスーパーに供給したり、自社冷凍食品の原料として活用する第6次産業も立ち上げています。安定業界と見られがちな食品業界ですが、実際は常にリスクと隣り合わせ。『食を通じ、健康で豊かな社会の実現に貢献する』ために、これからも誠実に食に向かい合っていきたいと考えています。

食を取り巻く環境が日々刻々と変化する中、当社は日本で初めて冷凍食品を作ったパイオニア企業として、新しいマーケットを生み出す大きな可能性を秘めています。世帯構造が変わり、日本の食生活はますます多様化していきます。家で食事を作る「内食」から、家庭外で食べる「外食」、惣菜など調理された食品を持ち帰って食べる「中食」まで、食の形態はさまざまです。変容する食スタイルに合わせ、新たにどんな食品を提供していくか。作りたいのは一時的なブームではなく「マーケット」です。個々人の嗜好(しこう)が広がりを見せ爆発的ヒット商品は出にくくなっていますが、加工食品の出番が多い現代だからこそ、ニチレイグループにとっては大きなチャンス。手作り品質を最も忠実に再現できる食品カテゴリーとして、食生活を豊かにする新しい商品を生み出していきたいと思います。

マーケットを作るにあたって「少子高齢化」は重要なキーワードです。家庭用冷凍食品では中高生向けのお弁当食材を中心に成長してきた当社ですが、少子化によってこのモデルは間違いなく立ち行かなくなります。では今後、冷凍の価値を大人や高齢者の方にどのように提供できるのか。ニチレイグループでは「おいしさ、健康、楽しさ、安全・安心、簡単・便利、安定供給、リーズナブルな価格」を7つの基本価値として掲げていますが、楽しく笑顔になる食の提供や、「簡単・便利」のさらなる追求など、商品開発の余地は大きく、やりがいがあります。

また、国内の人口減を考えた際、海外での販売は今後の大きなテーマになります。これまでは、日本のマーケットのための生産拠点として海外の工場をとらえてきましたが、これからは、広く海外の方にニチレイフーズの食品をおいしく食べてもらう方向へもチャレンジしていきます。例えば、タイの工場では鶏の養鶏から始める「鳥一羽ビジネス」をスタートさせています。世界の食糧が不足していく中、ニチレイグループにできることは何か。それは、原料調達にもきちんとリスクを取り、安定供給をメーカーとしてしっかり確保していくことです。また、鳥のすべての部位を使うことで、日本人が好きなモモ肉は国内向け、ヘルシーなむね肉は欧米向けといった嗜好によるマーケット展開が可能になりました。ほかにも、日本では売れない部位のタイ国内向け商品開発や羽根を粉砕して魚やエビなどの餌に活用したりと、一羽を丸ごと生かして世界中に売っていくという新しいモデルができたのです。現在は1日10万羽という処理羽数目標も達成し、今までにない事業活動が展開しています。食は嗜好ものなので、信頼を得るのはとても難しい。日本でうまくいったからそのまま海外で展開して成功するとは限りません。大切なのはその国に深く入り込み、それぞれのマーケティングを的確にとらえる力。既存の枠組みにとらわれない柔軟な視点は、これから必須になっていくでしょう。

知らないことに貪欲な人材は強い

ニチレイフーズでは、2011年より全社員のモットーを『ハミダス』(とらわれず、明るく)と決めました。実際に活躍している社員を見ると、常に現状に満足せず勉強を続けたり、知らないことに対して貪欲な方が多いですね。日々マーケットも会社のあり方も変化していきますので、私たちは世の中の動きを敏感にキャッチしていかなければいけません。「会社に入ってからも、一生勉強し続ける」というのは会長の浦野光人が自らに課してやっていることですし、ニチレイフーズ内では「中国語講座」を開講し、仕事後に集まって勉強しているグループもあります。

 

語学やスキル以外でも、自らスーパーに足を運ぶなど「新しい情報を仕入れよう」という意欲も大切です。例えば地方勤務の人が本社に出張で来たとします。仕事を主体的に取り組める人は、与えられた仕事だけして帰ることはありません。「首都圏地域のこのスーパーは売れているらしい」という情報をほかの営業支社から聞けば、そのスーパーを見に行き、実際に試食してくる。現地の状況を知ってうれしそうに会社に戻り、バイヤーや同僚に報告する。誰に言われたわけでもなく、「知りたいから現地に行く」という純粋な好奇心が持てるかどうか。そして実際に行動できるかどうか。こうした小さな行動が、やがて大きな力の差になっていくような気がします。今の自分の枠組みからはみ出して仕事を進めたり、新しい気づきやコミュニケーションを生み出して自分も成長していく。『ハミダス』というモットーには、そんな想いが込められているのです。

選考スケジュール(2012年卒実績)

STEP1
エントリー

10月以降、リクナビよりエントリー。セミナーや選考についての情報を提供。

STEP2
オープンセミナー

「セミナーへの参加の有無は、選考には関係ありません」

STEP3
エントリーシート提出と適性検査(2月に実施)

「エントリーシートに志望動機を中心に書いていただきます。いろいろな対策本が出ていますが、マニュアルに沿って書いているものより、気持ちを込めて書かれているかどうかで選考しています」

STEP4
会社説明会と筆記試験(3月に実施)
STEP5
1次面接

「2012年度は学生3人に対して、若手役職者2名のグループ面接で30分程度でした。2013年度も同様の形式で行います。」

STEP6
2次、3次面接

2012年度は学生と課長、部長クラス社員の個人面接で、20〜30分程度。

STEP7
最終面接

2012年度は学生1名、役員と人事の3名の面接で、30分程度。内々定は4月ごろ。

挫折や失敗体験の多さが強みになる

魅力を感じる学生には一つの共通点があります。それは、「たくさんの挫折や失敗をして乗り越えてきたかどうか」。社会に出れば、理不尽なことが毎日のように降りかかってきます。好きな人とばかり仕事ができるわけではないですし、大きな企業に入れば予期せぬ異動もあるでしょう。でも、たとえ大変なことが多くあったとしても、それを乗り越えた先にある達成感ややりがいによって、人はモチベーションを保ち続けることができます。学生のうちから多くの挫折や失敗を経験してきた方は、苦しいことを乗り越えて成長するという一生続くサイクルを、すでに実体験として持っているということ。そういう方は話をしていても、精神的な強さ、たくましさを感じますし、仕事を進める強い原動力を感じます。「苦労は買ってでもしろ」とはよく言われますけど、居心地のいい環境からあえて出て行った経験のある人もとても魅力的ですね。現状に満足しない『ハミダス』力を持った方に、ぜひたくさんお会いしたいと思っています。

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取材・文/田中瑠子 撮影/早坂卓也 デザイン/大島希美

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