東日本大震災:肥満、肝機能異常増 ストレスやアルコール 長引く避難生活要因−−県健康管理調査 /福島
毎日新聞 2012年09月12日 地方版
県の健康管理調査で、震災と原発事故による長引く避難生活に起因するとみられる肥満や肝機能異常のある人の割合が、震災前より増えていることが明らかになった。この傾向は特に男性で強く、避難生活での運動不足やアルコール摂取、ストレスなどが要因と推定される。ただし、県立医大は「あくまで参考値」としている。【泉谷由梨子】
県立医大の細矢光亮(みつあき)教授が8日の検討委員会で報告した。避難区域のある市町村で、震災後の11年度に健康診断を受診した40歳以上(7822人)と、震災前の08〜10年度に同じ市町村で行った特定健康診査などを受けた40歳以上(各年約2万7000人)の結果を比較した。
腹囲85センチ以上の男性は、震災前の約49%に対し11年度は59・3%と増加傾向。身長と体重の関係から肥満度を示す体格指数(BMI)で「肥満」とされる25・0以上の割合も、男性で震災前の約11・9ポイント増の41・9%、女性で同約4・4ポイント増の34%だった。また、血液検査で、肝臓が受けている障害の度合いを表す数値が高い人の割合も、男女共に増えていた。