原子力規制委:「ムラ」批判に反発…田中委員長
毎日新聞 2012年09月19日 23時59分(最終更新 09月20日 01時00分)
原子力規制委員長に就任した田中俊一氏(67)は福島市出身。1967年、東北大工学部原子核工学科を卒業し、日本原子力研究所(旧原研、現日本原子力研究開発機構)に入った。一貫して原子力畑を歩み、同副理事長のほか、内閣府原子力委員会委員長代理などを歴任。こうした経歴が「原子力ムラ」との批判を浴びたが、旧原研はもともと基礎研究が主で、電力会社や商用原発を監督する経済産業省とは関係が薄い。委員長就任は、「ムラ」からの距離感も考慮されたとみられる。
99年に発生したJCO臨界事故(茨城県東海村)では、旧原研東海研究所副所長として収束作業に従事。昨年4月には、福島原発事故を反省する専門家16人の緊急提言を取りまとめた。細野豪志・原発事故担当相は「JCO事故では真っ先に陣頭指揮を執り、福島事故では福島県除染アドバイザーとして先頭に立って除染活動を担った人物」と高く評価する。