ソードアート・オンライン Re:Birth-Swordmaster (鉄輪)
<< 前の話 次の話 >> このページにしおりを挟む
こんにちは、鉄輪です。今回はこの小説を楽しみにしている皆さんにご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
なんとかプロローグの再構成が終わりました。前回よりも詳しく書いたつもりなので文字数が増えてしまっていますが、これからも基本はこのぐらいの文字数で頑張っていこうと思います。
色々と前回では書かれていない伏線を入れたつもりなので、わかった方はニヤニヤしながら見てください。では、どうぞ、お楽しみに。
ploroge 世界が動いた日
まず、間違いが無いように初めに言っておこうと思う。俺は転生したらしい。
死んだ時の記憶なんてもちろん無い。内定を上手くもらえた会社で毎日同じように働いていた。やる気も体力も有り余っていたし、死ぬ理由なんてものは皆目見当もつかない。
しかし、いつものように寝ていつものように起きるようとすると、おかしな事があった訳だ。瞼が重く、体の自由が利かない。何とか目を開けてみようと思うと視界がうすい靄がかかったみたいに白く濁っていた。何度か瞬きをすると次第に視界がクリアになってきた。俺はどうやら大きな木の牢みたいなものに入れられているらしい。都合のいいことにこの牢は天井が無い。上手く力の入らない体を必死に使い。何とか木の柵をよじ登ることに成功。しかし、少し遠めに置かれた鏡を見て愕然とした。まだ1歳ほどの小さな子供がベビーベットの柵に登っているのだ。
俺は慌てて振り向いた。背後には誰もいない。しかし正面の鏡にはベビーベットに登っている子供がしっかりと写り俺と同じ行動をしていた。
信じられないことだった。俺はストンとベットに腰を下ろすとそのままブレーカーが落ちるように意識を失った。
その日からしばらくはベビーベット生活だった為、考える時間は山ほどあった。どうやら俺は知らない内に転生をしていたらしいという事。おそらく思考が出来るようになった頃に前世の記憶等が蘇ったのだろうと仮説を建てた。
自分の立場がわかった後の時間の進みは早かった。なぜならば現状を理解しようと動くと疲労で直ぐに寝てしまうのだ。1日の時間がこんなにも早く感じる子供なぞ世界中のどこにもいないだろう。
それでも、少しずつ情報収集をした結果わかったことがある。転生したこの世界は俺が元住んでた世界と全然変わらないということだ。大体、2005年位らしい。魔法のまの字も存在しない。科学によってもたらされてる栄光の世界だ。
正直、残念な気持ちも強かった。ファンタジー要素とかには憧れることもあったからだ。だが、直ぐ気持ちを切り替える。逆に考えてみれば、危険という危険はないし、元は俺は大学まで進出しているのだ。学校の勉強もそこまで苦労る事は無いだろう。考え始めると先に見えるのはバラ色の未来のような気がして俺はニヤケ顔のまま横になった。
・
・
・
それから、俺が15歳になるまで至って普通に過ごしていた。友達と多く作り、学校も家から近いところの高校を無事合格をもぎ取る事が出来た。成績も怪しまれない程度に得点を取り、周りの
16年間もこの体で生活していると、元の世界での事など思い出すこと等無くなってきた。この世界がほとんど元の世界と同じだったのだ、どんどん上書きされるように昔の記憶は無くなっていった。それは元の世界の漫画や小説等の内容など、どうでもいいところから消えていったのは当然のことだったのかもしれない。
まぁ、他にも面白いことはあったので、そのことを気にすることはなかった。
そんな平凡な生活を打ち崩す、画期的なものが発売されたのもは次の年の事だった。
2022年5月にとある大企業の一社があるゲーム機のハードを発売した。《ナーヴギア》。
形状がまるでヘルメットのようなヘットギア。これは従来の据え置き型とは違いこのハード単体でインターフェイスとして機能している。雑誌やテレビなどで多く取り上げられ説明しているが、詳しくは理解できないことも多かった。要するに脳に直接アクセスすることによって、五感すべてを使用してゲームの世界を体験できる、らしい。
実際、ナーヴギアを発売した某社は世界初の完全な
ユーザーはナーヴギアを体験している間、脳からの信号を体に到達するまでに全て遮断・回収し、その信号を使い仮想現実で体を動かすことが出来るのだ。まさに《フルダイブ》の名前は嵌り名であると思えた。
俺は、初めてこの≪ナーヴギア≫の特集記事を読んだ時、全身に暑いものが走り抜け、両手に鳥肌が立ったのを覚えている。前世から根っからのゲーマーであった俺はこのハードを見た時ゲームの完成、ゲーム時代の新しい幕開けを見たような気がしたものだ。そこから親に土下座して頼みこむのに時間はかからなかった。
しかし、せっかくの≪フルダイブ≫だというのに発売されるソフトはくだらないものが多く、期待を裏切られた気持ちで包まれていた。なにが嬉しくて脳トレやパズルなんかをフルダイブしてやらにゃいかんのだ、と。もちろんこれらのゲームは買う気が起きなかったし、目当ての物が出るまでの繋ぎにもならなかった。
そんなモンモンとした気分を味わっていた夏の暑いある日、ナーヴギアの開発者の一人でもある茅場氏のインタービューを聞くこととなった。それは待ちに待った、望んでいたゲームの製作発表であった。
ナーヴギア対応の初の
ナーヴギアによる自分がゲームの中に入るという体験が出来るようになった今、俺達ゲーマーが待ち望んでいたジャンルが作られるというのである。
すなわちネットワーク対応ゲーム。異世界を舞台に大勢のプレイヤーが同時接続し、武器を片手に凶悪なモンスターの跋扈する部隊を生きる。ゲーマーである以上は一度は妄想するであろう設定が、今、現実に舞い降りたのである。
ソードアート・オンライン。この名が発表された時、実は俺の記憶に
しかし、俺はこの時この違和感についてしっかり調べることは出来なかった。まさか、なことだが興奮しすぎて鼻血を流して気絶してしまっていたのである。
一時間ほどして俺は目を覚ました。こんな情報が流れたってことはもしかしてβテスターの募集が始まっているのかも。俺はうきうきとした気分を押え、メーカーのホームページを開いた。
〝ソードアート・オンライン〝のβテスターの募集は終了しました。
企業HPの最上部に堂々としたバナーが貼られていた。当然なことながら俺が気絶している間に募集は終了していたらしく、できることと言えば画面に光るバナーを憎々しげに見つめることだけだった。
SAOの発表から3ヶ月ほどたった。空気はしっかりと冷気を帯び、吐く息が白くなり始めた頃、待望の日がやってきた。
『―――――遂にやってきました!ナーヴギア対応、VRMMORPG【ソードアート・オンライン】。今日がその発売日ですっ』
寒空の下、丁度上手く休日と重なった創立記念日を利用して俺は普段利用しているゲームショップのシャッターの前に並んでいた。街頭テレビではまだ朝が早いというのに、興奮した様子でSAOの発売を宣伝している。かく言う俺が並んでいる列の先頭でもインタビューが実行されているらしく、頭にバンダナを巻いた青年らが肩を組んでカメラに写っているのが見える。先頭からずっと後ろまでまさかの3徹である。それほどまでにSAOの人気はすさまじいものだった。オンライン予約は開始数分で完売し、それすらも乗り遅れた者たち(俺を含む)が列を成しているのである。近所の仲がいい年下の男の子はβテスターにすら選ばれたというのだから、選ばれた人と選ばれなかった人の落差はす
さまじいものになっているのであろう。テスターは製品がもう届けられているそうなのできっと今は家で悠々としてるのだろう。少し妬ましい。
そんなことを考えていると、直ぐ先のシャッターが開く。我慢できなくなったやつらが歓声を挙げている。列はどんどん流れていき、遂には俺の番が回ってきた――――。
無事、製品版を購入することが出来た俺は、家に帰宅したと同時に自分の部屋に駆け込んだ。バタバタとうるさい音を立てるが注意する両親は今ここにいない。両親は二人とも共働きなうえに残業や出張、泊り込み等が多く、ここ数日もまた帰ってくることはなかった。
俺はパッケージを開けようとした手を止める。少し、鼻を付く臭いが感じられる。当然だ3日も列に並んでいたのだ。食事は偶に友達が差し入れを持ってきてくれたりしたので問題ないが、身体は風呂に入ることが出来なかったため油と汗でベタベタだった。
俺はパッケージを開けるのを諦め、風呂へと向かった。ついでだ、お昼も近いから風呂を上がったらご飯も食べてしまおう。俺は着替えを持つと風呂場に消えていった―――――。
食事も済ませ、さっぱりした俺は1時間ほどかけてプレイヤーキャラクタ(PC)の設定を終えていた。俺自身、容姿はそこまでカッコいいというほどではないが、そこまでこの姿をいじらないでPC設定を自己の姿とほぼ同じにしたためさほど時間がかからなかった。なぜPCを恰好良く作り直さなかったかというと、一度転生で姿が変わっているためこれ以上変えるのに抵抗があったことと、オンラインサービス開始時間まで、そう時間が無かったためである。まぁ、思ったよりも早く設定が終わったために今は暇つぶしに付属の説明書を熟読していたのだが。
【PM 12:55】
説明書を熟読しているといつの間にか時間がだいぶ経っていたようだ。オンラインサービスの開始は午後一時から。デジタル電波時計はもう5分前を指していた。俺はナーヴギアを被り、ベットに横になった。
ドキドキが胸の奥から湧き上がってくる。未知への興味、これから先の楽しい未来が黙ってても脳裏に過ぎていった。そういった気持を押えるように目をつむり深く息をする。何度も何度も。
それでも押えきれない気持ちが、俺の口角を自然につり上げさせる。
目を開けると、ナーヴギアのディスプレイに時計が映っている。
【PM 12:59】
【PM 13:00】
時計が一時を指した。一拍を置いて俺は小さく、しかしハッキリとナーブギアの
「―――――リンク・スタート!」
改訂前の作品は消してしまう予定でしたが、新たに改訂版の#4が投稿されるまで残しておく方向に変更します。
前回の方が読みやすい、ここの言い回しがクドイなどの意見がございましたら、どうぞお気軽にお申し付けください。
それでは度々、ご迷惑をかけて申し訳ありませんでした。
次回、#1 はじまりの街
<< 前の話 次の話 >> 目次 感想へのリンク このページにしおりを挟む ページの一番上に飛ぶ