ソードアート・オンライン Re:Birth-Swordmaster (鉄輪)
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今日2回目の投稿が間に合った、鉄輪です。
今回の話はシリアス&説明会です。あまりのシリアスっぷりに耐え切れなく最後に思わずギャグ入れちゃいましたがどうか楽しんでいってください。
それと今回の話もまた長くなりすぎてしまいました。m(_ _)mスイマセン
9000字overとか2つにわければよかったのかな……。
#2 デスゲーム
「・・・・・
クラインが不思議そうな声で俺に訪ねてくる。
「ボタンが無いって、そんなことあるわけがないだろ。よく探してみろよ。」
「いや、やっぱりどこにもねぇよ。お前も探してみろよ、ユパ。」
俺はそう言われて空中にとまったままの右手を下におろす。
ポン、軽い鈴の音と共に開いたメインメニューウィンドウを開く。メニューウィンドウは右側に自分の装備状況や状態異
常を示す人型のシルエットが表示され、左側にはアイテムや装備などといったタブがいくつも表示されており、そのタブの一番下の所に《LOG OUT》のボタンがあるはずだった。
カーソルを指でなぞりログアウトのボタンに向かって指を下していく。一番下に着く前に俺の指は停止した。
・・・・・無い。《LOG OUT》と本来書かれているはずの部分には空欄だけが残っていた。
「無ぇな・・・・・」
「だろう?どうなってんだこりゃ。」
クラインはアゴ髭をさすりながらのんびり答えた。
「まぁ、今日はゲーム初日だし、こんなバグもあんだろ。あーあ、運営も今は
「そんなにのんびりしてていいのか?」
俺はクラインとの会話を思い出しながら現実を突きつけてやった。
「五時半にピザの配達頼んでるんじゃなかったのか?」
「No~~~~!そうだった、すっかり忘れてたぜ!俺のアンチョビピッザとジンジャエールが~~~!!」
クラインは頭を抱えながら何やら叫んでる。それよりもクライン、ピザ随分と安い奴で済ませたな…。
「さっさとGMコールしてみろよ。システム側で落としてくれるかもしれないだろ?もう時間二十五分まわってるぞ。」
「うぇ、マジかよ。・・・いやな、さっきからコールしてんのに反応無ぇんだわ。なぁユパ、他にログアウトできる方法とか知んねぇか?」
この仮想現実から帰る方法。付属の取り説やネットの情報を思い出す。・・・・メインウィンドウのログアウトボタンを押す。その方法しか書かれてなかった。クラインに首を横に振りながらそのことを伝える。
「いや、無い。少なくとも事前情報や取り説にはそれ以外の方法は書かれていなかった。」
「んな馬鹿な。絶対なんか戻る方法があるはずだって。戻れ!ログアウート!脱出!・・・・」
クラインは俺の目の前で変なポーズを取りながらどうにかしても出れる方法がないか試している。
だが俺はわかっている。
「クライン、無駄だよ。言っただろマニュアルに書いてなかったって。緊急脱出の方法も然り、だ。」
「ははははは。おいおい、嘘だろ?信じられねぇよ、今俺たち、ゲームの世界から出れないんだぜ?」
と、何か方法を見つけたかのようにクラインはポンと自分の手をたたいた。
「そうだ、ナーヴギアを頭からひっこ抜けばいいんじゃないか?それか電源を落とすか。」
「おまえ、マシンの説明全然読んでないんだな・・・。できないよどっちも、少なくとも当人はね。俺たちは今、現実の体を動かす手段がない。≪ナーヴギア≫が俺達の脳から体に向かう信号を延髄のあたりでインタラプトして、このアバターを動かす信号に変換しているんだからな。」
俺たちはふたりして黙り込んだ。
このインタラプトするシステムが無ければ体はゲームと一緒に動いてしまい。体を青痣だらけにしてしまうことになる。
しかし、このシステムのせいで、今俺たちは《完全ダイブ》から帰還できずにいるのだ。
「じ、じゃあ俺たちは、バグが治るか現実世界の誰かが頭からギアを外してくれるのを待つしかないのか?おれ、一人暮らしだぜ?」
お前はどうだ?クラインが視線で聞いてくる。隠してもしょうがないことだから正直に答える。
「俺は、両親がいるが2人とも忙しい。遅く帰るとは言っていたが、そのまま帰ってこないこともザラにある。」
一拍置いて、尋ねてみる
「なぁ、クライン。なんか変だとは思わないか?」
「そりゃ、変だろバグだってんだから。」
「いや、只のバグじゃない。ログアウトできない、なんて今後のゲーム運営にかかわる大問題だろ?俺たちがこの不具合に気づいてからもう十数分経ってる。なのに運営のアナウンスすらないのはおかしすぎる。」
「む、言われてみれば確かに。」
俺たちの会話はそこで途切れ、周りは小鳥のさえずりすら聞こえない。さっきまでいたエネミーモブすらもどこかへ姿を消したようだ。空は日が暮れ始め夕焼けがあやしく空を染めていた。空気は冷たさをまし、俺たちはその雰囲気に言いようのない不安を感じていた。
――――リンーゴーン、リンーゴーン
そのとき、どこからか鐘のような音が聞こえてきた。俺たちは互いに立ち上がり顔を見合わせ目を見開いた。」
「なに?!」
「んな・・・・っ」
俺たちの体をブルーの光が包み込む。青い膜の向こうでは景色がどんどん薄れていっている。俺は本能で悟った、これはログアウトなんかではない。しかしこの光にあらがうことはできず、俺たちは光の中に消えた。
~~~~第一階層 はじまりの町 中央広場~~~~~
青の光の膜がだんだんと薄れてくる。見えてくるのは先ほどいた草原などではなく、広大な石畳、周囲を囲む街路樹と瀟洒な中世風な町並み。正面には夕陽の影で凄みを増している宮殿が鎮座している。間違いない、ここは俺たちがログインしてきたときに最初に来る中央広場!でもなぜこんなとこに?
そんなことを考えてる合間にも広場にはどんどん青い光に包まれプレイヤー達が転送されてくる。その姿は皆美男美女だが一様に何が起きたのかわからないって顔をしている。その数は多く1万人近くいるだろう。
俺は、人込みをかき分け一緒に転送されたクラインを探した。さほど遠くない位置にいたクラインは直ぐ見つけられたが、やはり何が起きたのか理解してないらしく口を半開きにして惚けていた。
周囲では再起動した人たちが口々に「ログアウトできるようになったのか?」「GM早く出てこい」などと喚き散らしていた。
と、不意に誰かが叫んだ。
「おい、上を見てみろ!」
俺とクラインに限らずその声を聞いた人達が視線を上に向けた。そこには空のかわりに異様なものが並べられていた。
横長の六角形上の物がまるで無視の複眼のように隙間なく空を埋め尽くしていた。その一つ一つに【Warning】や【Syastem Announcement】と書かれている。「なるほど、ようやく運営からの連絡が入るのか。」傍で誰かがそうつぶやいた。だが俺はそうじゃないとわかった。いや
現にそらの6角形状の物の隙間から血のようなものが大量に零れ落ちてくる。それは地面にまでは届かず空中で集まり突如、人の形を取り始めた。
出現したのは二十メートルほどの大きさの深紅のローブを被った人。その顔は下から見上げる俺たちにも見えず、否、元から顔の部分は空洞となっていた。
周囲では、「あれ、GM?」「なんで顔が無いの?」などの声が聞こえる。
ちがう、あれは運営が用意したGMなんかじゃない。いやある意味
「茅場……晶…彦…。」
自然に声が出た。俺は知ってる、この展開を。薄れていた記憶が鮮明に蘇ってくる。気づくチャンスはいくらでもあった、だが気付かなかった。この時点、この場所にいる。それだけでこれから起こる地獄からの回避なぞは不可能。
そうだ、思い出したぞ。ソードアート・オンライン。前世で小説で見た作品の一つだったはずだ。くそっ、細かいイベントなんざもう覚えていない、覚えているのはこれからここで起きる
『プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ。』
『私の名前は
若き天才ゲームデザイナーにして量子物理学者。SAOだけでなくナーヴギアの設計にもかかわっているとされる人物。
メディアを嫌ってるらしく余り見たことが無いが、雑誌でちらっと取り上げられていたのを覚えている。
そのアバターは皆に聞こえるように声を上げた。
『プレイヤー諸君はもうメニュー画面からログアウトボタンが消えてるのに気付いていると思う。しかしそれは不具合ではない。繰り返す、これは不具合ではなく≪ソードアート・オンライン≫本来の仕様である。』
「し、仕様だと。」
クラインが驚いて何か言っているが、こちらはそれどこではない。問題はこの演説が終わった後だ。
『諸君は今後、この城の頂を極めるまで、ゲームを自発的にログアウトすることは出来ない。』
『また、外部の人間の手による、ナーヴギアの停止あるいは解除も有り得ない。もしそれが試みられた場合―――』
言うまでもない、茅場の演説に耳を傾けている奴らは気付いてないかもしれないが既に何人か
『ナーヴギアの信号素子が発する超高出力のマイクロウェーブ波が、諸君らの脳を破壊し、生命活動を停止させる。』
唇を強く噛んだ。クラインはまだ横で惚けているが、俺はこいつの言ってることは本当だと知っている。
「はは、何言ってるんだあいつ、頭おかしーんじゃねぇのか。んなことできるわけねぇ、ナーヴギアは……、ただのゲーム機じゃねぇか。脳を破壊するだなんて……、んな真似できるわけがねぇだろ。そうだろユパ!」
クラインの叫びは後半かすれていた。俺はそれに対する答えが絶望しかないことを知っている。
「……ナーヴギアはヘルメット内部に埋め込まれた無数の信号素子から微弱な電磁波を発生させ脳細胞そのものに疑似的感覚信号を与えると、雑誌には書かれていた。この電磁波の発生させ方はまるっきり電子レンジと同じだ。そして電源コード抜いて高出力の電磁波を発生させないようにしようとしてもナーヴギアの中には―――。」
クラインも俺の言いたいことが気付いたのだろう。俺のかわりに答えを言ってくれた。
「ば、バッテリーが内蔵……している。ナーヴギアの重さの3割はバッテリーセルだって聞いた。でも……むちゃくちゃだろそんなの!瞬間停電でもあったらどうするんだ!」
まるでクラインの質問に答えるように茅場の演説は再開される。
『より具体的には、十分間の外部電源切断、二時間のネットワーク切断、ナーヴギア本体のロック解除または分解または破壊のみ―――以上のいずれかの条件によって脳破壊シークエンスが実行される。この条件は、すでに外部世界では当局およびマスコミを通して告知されている。ちなみに、現時点で、プレイヤーの家族友人等が警告を無視してナーヴギアの強制除装を試みた例が少なからずあり、その結果――――』
『―――残念ながら、既に百十三名のプレイヤーがアインクラッド及び現実世界からも永久退場している。』
――――――シン
急にボソボソとした話声が聞こえなくなった。次いで隣でドサッと音がした。クラインが石畳の上に尻もちをついたのだ。
「信じねぇ、信じねぇぞオレは」
クラインがしゃがれた声を出した。
「ただの脅しだろ。できるわけねぇそんなこと、くだらねぇことぐだぐだ言ってねぇで、とっとと出しやがれってんだ。いつまでもこんなイベントに付き合ってられるほど暇じゃねぇんだ。そうだよ……イベントだろ全部。オープニングの演出なんだろ、全部」
「クライン……」
俺はクラインにかける声が無く、出そうとした手をそっとしまった。
『諸君が、向こう側に置いてきた肉体の事を心配する必要はない。現在、あらゆるテレビ、ラジオ、ネットメディアはこの状況を、多数の死者が出ている事を含め、繰り返し報道している。諸君のナーヴギアが強引に除装される危険は既に低くなってると言ってよかろう。今後、諸君らの体は、ナーヴギアを装着したまま二時間の回線切断猶予時間のうちに病院その他の施設へと搬送され、厳重な介護体制のもとに置かれるはずだ。諸君には、安心して……ゲーム攻略に専念してもらいたい。』
原作では、こんな場面で主人公が何か言うんだろうが俺は言葉が出なかった。
幾分か思い出したおかげで冷静にはなったがそれでも口から出そうになる罵声を飲み込むために、そっと目をつぶった。
『しかし、充分に留意してもらいたい。諸君らにとって、≪ソドアート・オンライン≫は、既にただのゲームではない。もう一つの現実と言うべき存在だ。……今後、ゲームに置いて、あらゆる蘇生手段は存在しない。
(―――――――――嘘だ。俺は知っている。ただ一つの蘇生アイテムを)
ヒットポイントがゼロになった瞬間、諸君らのアバターは永久に消滅し同時に―――』
『―――諸君らの脳は破壊される。』
『諸君等がこのゲームから解放される条件はただ一つ、先に述べたとおり、アインクラッド最上階、第百階層までたどり着き、そこに待つ最終ボスを倒してゲームをクリアすればいい。その瞬間、生き残ったプレイヤー全員が安全にログアウトできることを保証しよう。』
この言葉で第一階層に引きこもってればいいだろう、そう考えていたやつらは望みが断たれた状態だろう。
すると、βテスターだろう叫びが聞こえた。
「百階層だと!?クリアできるわけがないだろ!βテストのときでさえ二カ月でクリアできたのは6層までだったんだぞ!!」
張り詰めた静寂が崩れ、低いどよめきで再び満たされた。多くの物はおそらくこれが現実の危機なのかどうか判断がつかないのだろう。
だが、いつかは知らなければならない。これが逃れようのない真実だという事を。
『それでは、最後に、諸君らにとってこの世界が唯一の現実であるという証拠を見せよう。諸君のアイテムストレージに、私からのプレゼントを用意してある。確認してくれ給え。』
みんな一斉に自分のメインウィンドウを確認し始める。俺もそれにならってウィンドウを開きアイテム欄を確認した。
item ; 手鏡
これから起こることは知っている。手鏡をオブジェクト化する。映るのは俺が少しいじったSAO用の顔だけ。しばらく覗き込み続けると変化が起こり始めた。白い光が体中を包み込み始め、それが無くなった時手鏡に移っているのはリアルの俺自身だった。
横にいるクラインも見てみる。そこには先ほどいた若侍風の青年ではなく、まるで野武士か山賊のような悪人顔の青年に代わっていた。クラインは手鏡から顔を上げこっちを向いた。
「お、おい。お前ユパだよ、な?なんであんま変わってないんだ?」
「その山賊ずらは予想外だったけど立ち位置からしてクラインか。俺は顔データあんま弄ってないからな。」
「ずっけーぞ、おい。てか、なんだよ山賊ずらって!」
「手鏡で自分の顔と格好を見直してから文句を言うんだな。」
周りを見渡すともう面白いことになってた。美男美女がおっさんやデブガリに代わっていて、男女比すら大きく変動していた。お前ネカマだったのかよ、なんて声も周りからは聞こえてくる。
「でも、どうやって現実の体と顔なんて……」
クラインが不思議そうな顔をしている。俺はその答えを持っているため口に出した。
「スキャンだよ。ナーヴギアは頭をすっぽり覆っている、つまりは顔の形や表面まで精細に把握できる。」
「じゃぁ、体は……いや、俺はナーヴギアを機能買ったばっかだ、覚えてるぞ。初回装着のセットアップステージで自分の体をあっちこっち触った時のデータをつかってるのか!」
現実の体を仮想現実の体とする、という事はその意図は明らかだった。
「ここが、この仮想現実こそが俺たちの現実だと。このヒットポイントは俺たちの命と
「でもよぅ、ユパ。そもそもなんでこんなことを……。」
「シッ……、どうせ直ぐに説明してくれるさ。」
俺の予想道理、茅場は直ぐに厳かと言えるような声で説明を開始した。
『諸君らは今、なぜ、と思っているだろう。なぜ私は――――SAO及びナーヴギア開発者の茅場晶彦はこんなことをしたのか?これは大規模なテロなのか?あるいは身代金目的の誘拐事件なのか?と』
いままで無機質にもきこえた茅場の声が、ある種の色合いを帯びた。興奮しているのかは知らないがこれは間違いなく茅場の本気だという事が俺には伝わった。
『私の目的は、そのどちらでもない。それどころか、今の私は既に一切の目的も、理由も持たない。なぜなら……この状況こそが私にとっての最終的な目的だからだ。この世界を作り出し、観賞するためのみ私はナーヴギアを、SAOを造った。そして今、全ては達成せしめられた。』
俺は、俺だけが現時点で知っている。穴だらけの記憶のおかげで。茅場晶彦は今この場にいる。この一万のプレイヤーの中に。そう、この
『……以上で《ソードアート・オンライン》の正式チュートリアルを終了する。プレイヤー諸君の――――健闘を祈る。』
遠くから町のBGMがだんだん戻ってくる。あの暗かった空も今ではきれいな青空となりチュートリアル中プレイヤーを外に出さないようにしていたバリアも解けている。
穏やかさを取り戻した―――――この時点を持ってプレイヤーはしかるべき反応を見せた。
「嘘だろ……なんだよこれ、嘘だろ」「ふざけるなよ、出せよここから!だしてくれよ」「嫌ああ!帰してよ!ここから帰して!!」悲鳴、怒号、罵声、懇願、様々な嘆きが咆哮となって響き渡った。数十分の間にゲームプレイヤーから囚人に代わってしまった人たちは、両手を突き上げ、抱き合い、罵り合い、まさに地獄の形相を現していた。
そんな奴らを無視して俺はクラインに話しかけた。
「クライン、ちょっといいか?」
俺より頭一つ以上高い長身の曲刀使いの腕を掴み、人込みをかき分けていく。長身の男、クラインはいまだ魂が抜けたような顔をしている。人込みを抜け、人気の無い路地まで苦労して引っ張ってくると本題をクラインに伝えた。
「いいか、俺はすぐにこの町を出る。そして次の町へと向かう。」
余りセンスがいいと言えないバンダナの下で金壺眼がギョロリと目を向いた。それを無視して続ける。
「あいつの言葉はおそらく本当だ。迷って余計な時間を使うぐらいなら俺は信じる。何か言いたいことがあるかもしれないけど、今はおとなしく聞け、いいな。これから先、生き残っていくには自分をひたすら強化していくしかないだろう。おそらくβテスターやこれに気付いた一部のプレイヤーはすぐにこれを始めるだろう。お前だってわかってるんだろう?MMORPGってのはプレイヤー同士のリソースの奪い合いだ。システムから供給される金、アイテム、経験値。より多く手に入れた者のみが強くなれる。おそらく≪
随分と長ったらしいセリフを、クラインは静かに聞いていた。
「それで、だ。」
一旦、軽く息をする。
「俺と一緒に来るか?」
わかりきってる問いを出した。
「言いたいことはわかった。でも、でもよ。前に言ったろ?おりゃ、他のゲームでダチだった奴らと一緒に徹夜で並んでソフトを買ったんだ。」
「知ってるよ。さっきお前の顔を見て気付いた。お前は知らなかっただろうけど、俺はお前の後ろに並んでた。」
「!。ならわかるだろ。あいつらもおそらくもうログインしてさっきの広場にいるはずだ、置いては……いけねぇ。」
期待していた答えが返ってきた。あぁ、こいつの仲間はきっと大丈夫だ。こいつが支えになってくれる。
「その言葉が聞きたかった。お前が仲間を置いて俺に着いてくるようなら俺はもうお前を友達とは思わなかったよ。」
「じゃ、じゃぁなんで・・・・・・。」
「全部教えたろ?お前は仲間と一緒に俺を追いかけてこい!俺は先に進んでる。絶対に追いついて来い!!……だけどなにかあったら絶対にメッセを飛ばしてくれ。絶対に助けに行く。」
目を見開いたクラインの目に涙が浮かぶのが見える。これでもうクラインたちは先に進めるだろう。俺は踵を返して歩いていく。
「ユパ!」
俺は返事はせず、手を振り返すことだけで答えた。数歩歩いたとこでもう一度声がかかる。
「おりゃな、お前みたいなやつ嫌いじゃないぜ、むしろ好みかもな。」
思わず振り向いて目が合う。そしてしばらくの別れの土産に軽口をたたくことにした。
「┌(┌ ^o^)┐ホモォ 」
「ば、バッカおめぇ、そんなんじゃ……」
「はっはっは。尻が狙われない内にさっさと行くとしようかな。直ぐに追いついてこいよ野武士面!!」
「尻なんか狙うか!!……また会おうぜ、ユパ!!」
この世界での初の友人を背に俺は駆け出して行く。俺はもう振り返らなかった。左右に曲がりくねった道も最初に迷ったおかげで今回はスムーズに進んだ。目指すべきは北西の村、広大な草原と深い森を超えた先にある小さな村だ。俺は町のゲートを超え、ただ一人広大な
次回の話は、ちょっと遅くなりそうです。
それはなぜか。次の話になる舞台の巻、8館ですがまだ読んでません。
そのため読んでから書き始めることになると思います。
この話を楽しみにしている方がいたら遅れること本当にごめんなさい。
それでは、次の話#3 一人きりの旅路(仮題)をお楽しみに!
感想もお待ちしております。
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