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(17時間37分前に更新) |
尖閣諸島周辺の領海に中国の漁業監視船が入った18日、国境海域は再び、緊迫した空気に包まれた。ただ、中国メディアが報じた「中国漁船1千隻が尖閣に集結する」との事実はない。漁業関係者らは、報道に困惑するとともに、事態の早期収束を望んだ。
「1千隻集結」報道を受け、県の上原良幸副知事は、第11管区海上保安本部を訪ね、眞嶋洋本部長と面談。漁船集結がないとの説明を受けた上で、安全操業への対応を求めた。上原副知事は「16日に休漁明けを迎えた中国で漁港に船が集まった事実と、沖縄へ向かうとの情報がダブってしまったようだ」と、正確な情報把握の重要性を強調した。
一方、尖閣周辺は有望な漁場とされ、緊張で影響を受ける漁業者は、沈静化に期待する。宮古島市の池間漁業協同組合は昨年9月から、水産庁からの委託で尖閣諸島周辺で外国漁船の実態を調査している。長嶺巌組合長によると、尖閣諸島の大正島周辺でのこれまでの調査では、台湾漁船の周辺通過は目撃しているが、中国船は確認していない。
長嶺組合長は「戦前戦後を通じて池間の漁民も尖閣周辺で漁をしてきた。現在も日常的に漁をする船がある。外国と対立が大きくなると操業しづらくなる」。
八重山漁協の上原亀一組合長は「休漁期明けで集まった中国の船団が尖閣に行くと報じるなど、中国も日本のマスコミも騒ぎすぎている」と批判。「中国は国内世論もあるから(公船による領海侵入を)やっていると思うが、実際は事態を収束させたいはずだ。過剰に反応すべきではない」と話した。