尖閣諸島の魚釣島には18日午前9時半ごろ、日本人2人が上陸した。この2人などを乗せた漁船が18日午後6時すぎ、石垣島に戻った。乗船していたのは船長と船員の2人のほか、船をチャーターした鹿児島市の会社役員男性(60)と、東京都の45歳、42歳の男性3人。沖縄県警は3人から事実関係の説明を受けている。
3人は会社役員が代表を務める鹿児島県の地域政党「薩摩志士の会」のメンバー。会社役員と45歳男性が島に泳いで上陸した。
尖閣諸島近くでは太平洋戦争中、数十人が犠牲になる遭難が起きた。会社役員は故郷の奄美大島出身者が被害者にいると知り、月命日18日の上陸を計画。18日は石垣島から漁船で尖閣周辺に向かい、魚釣島に約1時間滞在し、慰霊碑に花を手向け、日の丸を掲げた。船に戻った後、海保職員から事情を聴かれ、軽犯罪法違反にあたると言われたという。
会社役員は「海保にやめるよう言われていたが、気持ちは固まっていた。中国の状況はあまり考えていない。日本の領土に行くのだからいいじゃないですか」。45歳男性は「自分の国は自分で守る思いを慰霊碑に捧げたかった」と話した。(木村司)