■石綿、熱中症対策不十分
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2012.08.23 |
石巻労基署が緊急自主点検
防止徹底呼び掛け/
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石巻労働基準監督署はこのほど、6、7月に管内(石巻・気仙沼地方)で実施した東日本大震災による倒壊家屋などの解体工事とがれき処理作業での石綿・熱中症対策緊急自主点検実施結果をまとめた。
それによると、石綿の有無を適切に掲示していた現場は50%、防じんマスクなどの保護具の着用を管理する責任者(保護具着用管理者)を選任していた現場は55・7%、石綿の有無に関する事前調査を適正に行っていると回答した現場は59%にとどまった。
熱中症の危険度を示すWBGT値(暑さ指数)の低減に努めている現場は62・3%、水分・塩分摂取表の作成や現場巡視の実施は63・9%だった。
点検は本格的な気温上昇を前に6月から7月にかけ管内の解体工事、がれき処理作業を行う現場を対象に業界団体や発注者を通じて実施。110社の現場122カ所から結果が届いた。
石綿は吹き付けだけが注目されがちだが、煙突の断熱材、配管の耐火被覆などが見えない部分が見逃される傾向にある。石綿の事前調査が発注者は努力義務、解体業者は法律で義務付けられているが、発注者が「ない」と判断した場合でも後の業者調査で見つかった例があった。
石巻労基署は自主点検だったことを考慮しても石綿の有無の表示、保護具着用が徹底されていない状況にあるとみて業界団体や発注者と連携したパトロールで意識高揚を図る。熱中症対策は、こまめな水分補給、休憩指導を基本にする。また解体作業に当たる人は災後の転職者が多いことから、高温になる現場作業が不慣れな人の体調変化、作業現場状況の確認などが必要だとしている。
管内では石綿の有無に関する事前調査の不備などで適正な石綿障害防止措置が取られないまま解体されるなどの問題が昨年末から断続的に発生したことや、今後も熱中症の発生が危惧されることから防止対策の徹底を図るため点検を行った。 |
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