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地価下落率縮小 被災地では上昇も
9月19日 17時35分

ことし7月の都道府県地価調査で、全国の地価は、住宅地、商業地とも値下がり傾向が続いているものの、三大都市圏を中心に下落率が縮小したことが分かりました。
一方、東日本大震災の被災地では、住民の移転などに伴って地価が大幅に上昇する地点が出ています。

この調査は、ことし7月1日時点で都道府県が行い国土交通省がまとめたもので、東京電力福島第一原発事故の影響で警戒区域などになった地域を除く全国2万2233か所が対象となっています。
それによりますと、全国の地価の平均は、去年と比べて住宅地が2.5%下がって21年連続の値下がりとなり、商業地は3.1%下がって5年連続の下落となりました。
このうち東京、大阪、名古屋の三大都市圏では、住宅地で0.9%の値下がり、商業地で0.8%の値下がりでした。
全国三大都市圏とも去年と比べて地価の下落率は縮小し、愛知県では住宅地の地価の平均が全国の都道府県で唯一、横ばいとなりました。
また、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の東北3県は、福島県内で依然、原発事故の影響が残るものの、各県とも平均で地価の下落率が去年より縮小し、復興や住民の移転などに伴って大幅な値上がりに転じる地点が出ています。
岩手県陸前高田市の高台地域にある住宅地では、去年と比べて14.6%値上がりし、住宅地としての上昇率が全国で最大となりました。
また、商業地では、復旧が進む宮城県石巻市内で全国で最大の11.8%の上昇となる地点が出ています。
被災地では今後、高台など限られた土地を巡って地価が上昇に転じるところが増えるとみられ、住民生活への影響が懸念されます。
今回の地価調査について、不動産関係の調査会社「東京カンテイ」の中山登志朗上席主任研究員は「低金利などが追い風になって都市部で住宅需要が堅調になり、地価の動向を下支えしている。今後は、日本の景気の行方が大きなポイントとなるとともに、消費税率の引き上げの問題が地価動向をみるうえでは避けては通れない要因となる」と話しています。

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