尖閣:数では中国、先端装備では日本が上の海軍力

 尖閣諸島(中国名:釣魚島)をめぐる日中の対立が激化しているが、専門家たちは、経済的問題や国際的な圧力などを考慮すると、両国が軍事的衝突にまで至る可能性は低いと語る。しかし日本側が中国漁船の操業を制止する過程で、意図せざる軍事的衝突が起こる可能性を排除できないと指摘している。

 日中間に軍事的衝突が起これば、海軍・空軍力を中心とする局地的衝突になる可能性が高いと分析されている。海軍力の場合、中国では東海艦隊が、日本では佐世保を母港とする第2護衛隊群が、それぞれ尖閣諸島海域を担当している。艦艇の数から見ると、中国の東海艦隊が日本の第2護衛隊群を大きく上回っているが、各種の電子装備など艦艇の性能面では、日本の方が上回っていると分析されている。

 中国の東海艦隊には、排水量3000トン級以上の駆逐艦が約30隻所属しているが、日本の第2護衛隊群には、イージス艦2隻をはじめ8隻の護衛艦が配備されているという。東海艦隊の艦艇の中には、ロシアから導入・配備した排水量8000トン級のソブレメンヌイ級駆逐艦があり、この艦は「米空母キラー」と呼ばれる「サンバーン」超音速対艦ミサイルなど各種の強力な攻撃力を備えている。

 日本のイージス艦は、中国の新型艦よりも探知能力が優れているが、対艦ミサイル(米国製の「ハープーン」)の射程は150キロ以内で、中国の一部新型ミサイルに比べ劣る。東海艦隊には、ロシアから導入したキロ級潜水艦4-6隻も配備されているといわれているが、日本の新型潜水艦の性能は中国に比べ優れている。また日本は、空中警戒管制機(AWACS)や哨戒機の戦力面でも中国を上回っていると評価されている。

 翰林国際大学院大学のキム・テホ教授は「中国に比べ独自の訓練が不足している日本の方が、実際の戦闘では戦闘力を発揮できず不利になり得る」と語った。一方、米海軍大学のジェームズ・ホルムズ教授は先月、米国の外交専門誌『フォーリンポリシー』に「The Sino-Japanese Naval War of 2012(2012年の日中海戦)」と題する論文を寄稿した。ホルムズ教授は「戦力や艦艇の数という面では中国がはるかに優位。しかし実際の戦闘では、日本側が兵器や要員の質の面で優れており、尖閣や周辺の島に地対艦ミサイルを配備した場合、海上戦でも日本の優位が予想される」と分析した。

ユ・ヨンウォン記者
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