「Perfumeへのメッセージソング」その8として、 「エレクトロ・ワールド」(中田ヤスタカ作詞;2006年6月28日発売) について。 破滅的・終末的な世界観の詞です。 「この道を走り進み進み進み続けた」 は、長い長い下積みを続け、アイドルでありながらテクノポップというマイナーなジャンルの歌を一貫して歌い続けてきたPerfumeを象徴しているようです。 「地図に書いてあるはずの街が見あたらない」 は、努力すれば報われるはず、いつかは認められるはず、という定型的な励ましの言葉が空しく響く、当時のPerfumeの追い詰められていた姿を象徴しているようです。中田ヤスタカが良い曲を書き、MIKIKOが素晴らしい振り付けをし、関和亮がいくら格好いいPVを作成しても全く売れない、そういった状況が象徴されているようです。 「この世界 僕が最後で最後最後だ」 からは、Rhymester の宇多丸氏の 「アイドル界最後の希望」(Quick Japan vol.74,p.54) という(売れなかった時期の)Perfumeに対する言葉を連想します。もしかすると、中田ヤスタカも、宇多丸氏のこの言葉(2005年から言い始めたようです) http://blog.yomiuri.co.jp/popstyle/2007/10/post_fa63.html を知って、歌詞に組み込んだのかも知れません。 「振り返るとそこに見えていた景色が消えた」 は、当時、一緒に寮生活を送り苦楽をともにしてきたBEE-HIVE仲間のBuzyが解散し、同じくBEE-HIVE仲間のBOYSTYLEも事実上の解散状態になっていたことを意味しているように感じます。 「もうすぐ消える エレクトロ・ワールド」 は、BuzyやBOYSTYLE同様に、「エレクトロ・ワールド」を歌うPerfumeも近いうちに解散(というより解雇)させられるという危機感・焦燥感が表現されているように感じます。 「本当のことに気づいてしまったの この世界のしくみ」 は、アイドル界において売れるかどうかは、本人達の努力ややっている楽曲・ダンスの良さではなく、どれくらいプロモーションに金をかけるか、という「この世界のしくみ」に対するやるせなさを語っているように聞こえます。 「エレクトロ・ワールド」は、これがPerfumeに与える最後の曲かも知れないと感じた中田ヤスタカが、一生懸命だったPerfumeに与えた渾身の作品であったように感じます。「エレクトロ・ワールド」の圧倒的な疾走感と爆発的なパワーは超新星爆発を思わせます。この曲なら、Perfumeは超新星として突如輝き始めてくれるのではないか、と願った曲であり、最後の賭けだったと思います。しかし、その輝きはついには地上(地上波TVの世界)には届かなかった悲運の曲です。 ちなみに、現時点(2008年4月4日)で、Perfumeの曲の中で、ぼくが一番好きなのがこの「エレクトロ・ワールド」です。 エレクトロ・ワールド
|
<< 前記事(2008/04/10) | ブログのトップへ | 後記事(2008/04/10) >> |
タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
---|
<< 前記事(2008/04/10) | ブログのトップへ | 後記事(2008/04/10) >> |