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原子力安全委が最後の会合
9月18日 12時18分

原子力安全委が最後の会合
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新たな原子力の安全規制を担う原子力規制委員会が19日発足するのに伴って、34年の歴史に幕を下ろすことになった原子力安全委員会が18日、最後の会合を開き、班目春樹委員長は「安全基準、防災、どれをとっても、あらかじめの備えが足りず、痛恨の極みだった」と述べました。

原子力安全委員会は、国が行う原子力の安全規制を中立的な立場でダブルチェックする組織ですが、去年3月の原発事故を教訓に、安全規制を一元的に担う原子力規制委員会が19日発足するのに伴って廃止されます。
18日午前開かれた最後の会合には、班目委員長を始め5人の委員全員が出席し、福島第一原発の事故で今も避難している人たちにお見舞いを述べるとともに、各委員が活動を振り返り、所感を述べました。
この中で班目委員長は「なぜ事故が起きたのか、この1年半考え続けてきた。安全基準、防災、どれをとっても、あらかじめの備えが足りず、痛恨の極みだった」などと話しました。
そのうえで、規制委員会に対して、日常の審査や検査は前例にとらわれず、絶えず検証し、見直すことや、その内容を国民に説明することなどを求めました。
原子力安全委員会は、昭和49年に起きた原子力船「むつ」の事故をきっかけに、安全規制を強化するため昭和53年に発足しましたが、国や電力会社の影響を受けて原発の長時間の電源喪失を考えなくてもよいとするなど、原発事故を悪化させる要因を招いたほか、事故の対応を巡っても、その役割を十分に果たせませんでした。
最後の会合のあと、記者会見した班目委員長は、「安全委員会による審査は、文書の文言など形式的な点検が中心で、あまりにも形骸化していた。規制委員会は、実効性のある規制を担ってほしい」と述べました。

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