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■モンタナ工場
カスタムショップ・ルームへ! 一通り工場内を見学しジェイソンさんと別れた後ですが、じつは一つ重要な場所をまだ紹介していないのです。それが想像よりも小さな部屋に設けられたカスタムショップなのです! |
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さらに奥の作業台でインレイワークをしていたのが、
女性ルシアーのヴァレリー・ボライホさんです。 |
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基本的にはこの二人がカスタムショップ・ルームに常駐し、至高のギターたちを製作していくのです。ただ、このカスタムショップ・ルーム内には多くの工具類やレアな木材のストック、オーダー表などの書類関係があり、数人はいると一杯になってしまうような部屋ですので、全ての作業をこの中で行うわけではありません。先ほどレン・ファーガソンさんがブレーシングを削っていたように、工場内で必要な作業は工場内に出向いたり、このカスタムショップ・ルーム内での方が集中できる作業などはここでおこなっているようです。カスタムショップ製のギターは美しく芸術的なギターが多いのですが、もちろんそれだけではなく、ちょうどレン・ファーガソンさんが手掛けたブレーシングを取り付けたトップ材を見せて頂いた時に、素人目にも職人が丹精込めたハンドメイドの味わいを感じることができました。 |
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優雅な曲線を描き美しささえ感じさせるスキャロップブレーシングは滑らかに余分な角を落とされており、マスタールシアーが手掛けるハンドメイドならではの味わいを醸し出しておりました。目に見えない箇所ではありますが、サウンドへの影響が大きな所でもありますので、さらい高い次元での完成度を目指しているのでしょう。 |
製作時の木材等も特別にストックされており、普段は見る事も少ないレアな材が所狭しとストックされておりました。 | |
その一端を見せて頂くと、エキゾティックにうねるフレイムのコア材やマッカーサーエボニー、あまり見る事の無いゼブラウッドやレースウッド、美しい杢目のフレイムメイプルやキルトメイプル、お馴染みのローズウッドでさえも漆黒で木目の整った上質な材が本当にたくさん出てきました。もちろんこれらの材は特別なモデルを製作される時に用いられるのですが、その特別なモデル用にこれだけのストック量が有るとは、さすがはGibsonだと思ってしまいました。 |
そして、Gibsonアコースティックの、そしてレン・ファーガソンさんの真骨頂とも言うべきインレイワークも見せていただきました。 |
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現在製作中のもので、指板が完成しているものを見せていただきましたが、さすがに美しい仕上がりですね! さらに、入室した時にヴァレリー・ボライホさんが行っていたインレイが気になり見せて頂いたのですが、これが凄い! 下絵も見せて頂いたのですが、こんなの出来るの!と思ってしまうぐらい緻密でカラフルなのですが、様々な貝や石等を駆使して見事に再現していました。 |
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女性のルシアーがモンタナ工場に居ると小耳に挟んでおり興味を抱いておりましたので、ヴァレリー・ボライホさんと少しだけ声を掛けてみました。ふと目に付いた作業台の前にある花の写真の事を聞いてみると、自宅に咲いている花を撮影したもののようで、その他にもモンタナの山や川の風景などの写真もありました。ここモンタナの自然を愛しており、そこから受けるインスピレーションを活かした仕事が出来ればと思っているようです。自宅に居るときなどはキルトの布地でパッチワークなどもおこなっている様で、ボライホさんならではのギター製作とモンタナの自然との関わりが解るような気がしました。 | |||
ヴァレリー・ボライホさんは後ほどピックガードにもエングレイビングする作業があるから、見ていく?と言われたので、遠慮無く見させて頂きました。 |
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小さなタイヤのような丸いゴムの上にボーリング玉のような物を載せ、そこに作業板が付いています。 そしてその作業板にピックガードを止めて作業をしていました。こうする事で自由に角度が変えられ、ピックガードへの彫り込みが出来るのだそうです。よく考えられていますね! 先ほどまでの暖かな笑顔とは打って変わって真剣な眼差しで取り組む姿は、ルシアーの貫禄を感じさせてくれ、一彫りごとにだんだんと形が現れてくる様は美しく、ルシアーの感性が息づいた奥の深い世界ですね。 |
レン・ファーガソンさん、ヴァレリー・ボライホさんお二人とも、作業中の真剣な眼差しと慈悲深い笑みが印象的で、大地に根を張ったかのような懐深い人達ですね! このお二人の人間味が滲み出た柔らかな微笑を最後にカスタムショップを後に致しました。 |
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■最後に
現在Gibsonアコースティックの新たな時代を造っているモンタナ工場を見学した印象は、想像以上に驚きの連続でしたが、ある意味安心感を持って見ていられる面も多々ありました。Gibsonという大きなブランドで、全世界に向けてギターを製作している訳ですので、オートメーション化され大量生産してもおかしくは無いのですが、そのような手法はとらず、伝統的な手法と職人気質を大切にした現場を見ていて安心感を覚えたからです。 |
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製作現場を見る前に |
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カスタムショップ |