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ネック制作

■初めにネック周り

 さらに進むと、ネック周りの加工風景を見ることができました。

「おっ、ちょうどメイプルのネック材が有るね!」

 


このように木取りされた材を大まかに切り出しロッドを埋め込むとこうなります。
ヘッド部分は「耳」の部分が貼り付けられておりますが成形はされておらず、指板材やヘッドの突き板は取り付けられる前の状態です。


「ここまで出来たネックは、この機械でネック形状やヘッドシェイプ、ヒールの加工などが行われるんだ。」
4本分まとめてセットされた機械で、見る見るうちにネックの形になっていきます。



こちらはヘッドのインレイなどを削り出している所です。

削り終わった所がこちらです。




ギブソンロゴやクラウンインレイなど、綺麗に削り出されておりますね。

 
「ヘッドバインディングが有る物は、こんな風になっているんだよ。」
とジェイソンさんが見せてくれました。

 

なるほど!このように取り付けた後にヘッドを削りだすのですね!


 

などと話しているその横には、あらかた成形し終わったネックが並べられていました。

   
■さらに指板へ

 更に進むと指板材をNCルーターにセットしインレイ箇所などを削っておりました。


そんな機械の横では、インレイを埋め込む作業が行われていました。
「これは、まだ作業途中の物だけど、このような凝ったインレイもできるんだ。」


「そして、この指板材の表面を綺麗にし、指板Rを付ける為に、ここへセットするんだ。」

これで、機械の下部にあるベルトサンダーで指板面を研磨するわけですね。
指板に仕込まれたインレイの出っ張った部分を削り、微妙な指板Rも一緒につけていく訳ですね。
   
「これが、終わった後の物だ、ほらツルツルしているだろ!」
はい、綺麗に仕上がっています!
この機械の横にも作業が終わった指板材が並べられています。

「どーだい、これは美しいだろ!」



と見せてもらったのはDoves in Flightの指板でしょうか、先ほどのインレイを埋め込んでいる物がこんな風になるのですね。

このネック周りは微妙な精度を要求するところが多いからでしょうか、比較的に緻密な機械が多い印象を受けました。効率良く作業を行いつつも、品質の高さを保っているのですね。

 

■熟練のフレット打ち

 「さあ、ここでは指板にフレットを打っているぞ!」

と、言うジェイソンさんに導かれて見てみますと、スポンスポンとフレットを打っていました。

「ここは重要な箇所で、熟練を要する作業でもあるんだ!微妙な力の入れ具合で上手くいかないときもあるから、慎重に、そして手際良く作業は進められていくんだ。」

思った以上に素早く作業をこなしていましたが、フレットのセットの仕方や打つ時に力の掛け具合やタイミングを習得するのはやはり難しそうです。
この作業が上手く出来ないとフレット浮きなどが出てしまう訳ですが、打ち込み終わった指板はさすがに綺麗に仕上がっており、この仕上げをあの速さで完了させるのは熟練工のなせる業ですね!
   
■指板接着

 さて、ネックと指板が出来たところで、それらをあわせる作業に入ります。

「ここにネックと指板があるが、それぞれに2箇所づつ小さな穴が開いているのが解るかな?」

ほんとだ、ナット寄りと指板エンド寄りに豆粒大の穴がありますね。
「これをガイドにしてネックと指板を正確に合わせることができるんだ!」
おっ、綺麗に合わさりますね!この時にズレが出てしまうと、センターズレやフレット音痴の原因にもなってしまいますから、上手く出来ています!

   

「さて、これをこの機械にセットし、ネックと指板を接着する為にクランプで固定するんだ。」
「そして、完了するとこのようになる。」

「最後に、ここでネックの仕上げを行っているんだ。」
 
ネックの握り具合は、微妙な感覚でプレイヤーに伝わって来る所でもありますので、やはりこの作業は職人が手作業で行っていましたね。指板接合後のフィッティングなど多分、地味に見えますが結構重要な箇所ではないでしょうか。
   

■シリアル打刻

 「さあ、最後にここでシリアルを打刻するんだ。」

基本的にGibsonアコースティックギターの場合はボディー内部のラベルにシリアルがありますが、ヘッド側にもシリアルが有る機種は8桁のシリアルを打刻しています。モデルタイプなどを確認しながら作業を行っておりますね。


 
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製作現場を見る前に
2

ネック製作

3

ボディ製作

4

塗装〜最終チェック

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カスタムショップ

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