米倉経団連会長:戦略会議の辞任検討…原発ゼロに反発
毎日新聞 2012年09月18日 20時09分(最終更新 09月18日 20時19分)
経団連の米倉弘昌会長は18日、東京都内で記者会見し、政府の「国家戦略会議」の民間議員の辞任を検討する考えを示した。政府が決定した30年代の原発稼働ゼロ方針に抗議するためで、同日開催の戦略会議も欠席した。米倉氏が戦略会議を欠席するのは外遊時などを除き初めてで、政権と財界との溝は一層、深まった。
米倉氏は同日、戦略会議の開催時間に合わせて経済同友会、日本商工会議所との合同会見を緊急開催。「国民生活や雇用を守る立場から原発ゼロに反対してきた経済界の声を全く受け止めてもらえなかったのは遺憾」と政府を批判し、次回以降、戦略会議に出席するかについても「いろいろと考えていく」と述べ、辞任の可能性を示唆した。
米倉氏は菅直人政権時代、戦略会議の前身の新成長戦略実現会議のメンバーに就任したが、東京電力福島第1原発事故後、政権の脱原発方針などに反発し、出席を取りやめていた。
戦略会議では同友会の長谷川閑史代表幹事も民間議員を務めている。長谷川氏は会見を中座して戦略会議に出席し、原発ゼロの目標時期の削除を求めた。議員は今後も続ける方針。【宮島寛】