ロイド・ウィリアム氏、スコット・ルイス氏 インタビュー
Mr. Lloyd Williams
Director of Asian Manufacturing Gibson China
Gibson Qingdao General Manager
IKEBE FACTORY REPORT INTERVIEW
Q:
貴方のこれまでの経歴と、ここ中国における仕事内容についてお聞かせ頂けますか?
A:
私は楽器製造ビジネスに20年以上携わっています。
元々オハイオ州のシンシナティにあるBaldwin Piano社でマーケティング部門に携わっていたのがきっかけです。
Baldwinでは、様々な部門に携わり、2001年にギブソン社に買収されたときはプロダクト・マネージャーでした。
その後、ナッシュビルのギブソン本社でエピフォンのプロダクト・マネージャーに任命されました。2004年に現在いる中国へ異動しました。現在のポジションはエピフォンのエレクトリック・ギター、ホロウ・ボディ・ギター及びベースの生産に重点を置いたアジア・マニュファクチャリング・ディレクターです。また、OEM工場やサプライヤーともコンタクトをとり、ギブソン及びエピフォンの生産基準の維持に努めています。
Q:
エピフォン社が中国に自社工場を構えるまでの経緯を教えて頂けますか?
A:
エピフォンの歴史は非常に長く、アジアでの生産もすでに行われていました。
将来的にチンタオ工場が建設されることは必然的な流れだったのではないかと思います。
エピフォンは常に工場の生産能力を拡大し続け、チンタオ工場ではユーザーのニーズに応えるべく、製品のラインナップを年々拡大しています。
Q:
中国に自社工場を立ち上げる事で最も苦労された事は何でしょうか?
A:
一番のチャレンジはやはり、すべて自分で決断をくださなければならない立場にあったことです。
エピフォン社がチンタオ工場建設のプロジェクトを開始してから、すべてはスムーズにいきました。
もちろん、アジアで新しいオペレーションを確立することはアメリカで同様のことをするよりもやや違いがありました。工場ではアメリカのオペレーションと同様のデザイン、レイアウト、生産技術を使用しています。ギターの生産量はここ数年の間に格段に向上し、製品のラインナップは拡大し続けています。これらはすべて工場内の従業員の功績です。
Q:
GQ、EQ各工場では現在何名の従業員がいらっしゃいますか?
A:

ギブソン・チンタオ工場及びエピフォン・チンタオには750人以上のクラフツマンと従業員がいます。

Q:
中国に自社工場を構える最大のメリットは何でしょうか?
A:
それはトリッキーな質問ですね(笑)。
ギターを生産しているのはエピフォン社です。ベストなギターを生産することのみに重点を置いています。
デザイン、開発、生産そして、クオリティーを100%コントロールしています。これはOEM工場では不可能なことです。
多くのギター・メーカーはOEM生産に重点を置いていますが、エピフォンは異なります。エピフォン製品はエピフォンの従業員によりデザインされ、差別化されています。生産能力を向上させる目的でOEM工場を使用することはありますが、そこでもエピフォンのクオリティー・テクニシャンが常駐し生産管理を行っています。
Q:
あなたが現在取り仕切っている工場はどのような役割で分担されているのですか?
A:
基本的な生産の流れはアメリカでのオペレーションと同じです。
個々の部門に進む前には品質を保証するために必ず検品があります。
Q:
中国工場を運営するうえで、最も重要な点は何でしょうか?
A:
工場を管理するにあたって重要なことは、ベストな材質を使用して品質管理に重点を置くことです。
この状況が保つことができれば、生産過程はスムーズになり且つ製品はワールド・クラスのものになります。
Q:
日本市場に対する印象を教えて下さい。
A:
日本のマーケットはクオリティーとプレイアビリティにおいて世界で最も厳しいと思います。
日本でエピフォンが受け入れられるにはベストなギターを供給することです。
日本のユーザーが持つエピフォン製品に対する情熱は非常にユニークなものです。
Q:
ビートルズを始め様々なアーティスト達と伝統を築いてきた最も有名なブランド「エピフォン」ですが、楽器を製造するうえで常に念頭においている事は何でしょうか?
A:
エピフォンのモデルを生産するにあたる基準は実にシンプルです。ミュージシャンが求める楽器を生産することです。
ユニークな特徴を持つギターはミュージシャンの音楽性を拡大させることができます。
これと同時に品質に重点を置いています。
Q:
個人的なお話で恐縮ですが、アメリカから中国に移り何か驚いたエピソード等ありますか?
A:
お箸です。なかなか使いこなせなくて極限までお腹がすいたことがあります(笑)。
でも、今ではアジアの文化や人々、生活を非常に楽しんでいます。
Q:
貴方自身はどのようなかたちで音楽を楽しんでいますか?
A:
音楽は私の人生です。
あらゆるジャンルの音楽が好きで、大きな喜びは最高のエピフォン・ギター&ベースを生産して、世界中の人々に音楽の贈り物をもたらすことです。普段家では、ヴィンテージのエピフォン・アコースティックギターをかき鳴らして楽しんでいますが、どうやら庭にいる猫をイライラさせているようです(笑)
Q:
貴方ガ従業員の方たちへ求めている事は何でしょうか?
A:
不具合のないベストなギター毎日生産することです。またベストなギターをより多く生産することです。
Q:
池部楽器店をご利用頂いているお客様へメッセージをお願いします。
A:
エピフォンは何年にも渡り日本のマーケットにおいて非常に成功をおさめており、我々は非常に光栄に思います。
是非エピフォンのギターを手にとってロックしてください!
ありがとうございました。
Mr. Scott Lewis
EPIPHONE QINGDAO General Manager
IKEBE FACTORY REPORT INTERVIEW
Q:
貴方のこれまでの経歴とここ青島における仕事内容をお聞かせ頂けますか?
A:
1989年にギブソンUSAに入社し、2005年にエピフォンに異動しました。ギブソンUSAにいたころは、生産スケジュール管理、生産マネージャー、プラント・マネージャーとすべての部門を監督していました。
そのとき中国工場でエピフォンのビジョンと品質基準を理解し、生産に関して幅広い知識をもった人材が必要でした。
現在の私の役割はエピフォンのLai Xi部門のアジア・マニュファクチャリング・副ディレクターで、またZhongshanピアノ部門のプロダクション・マネージャーとして従業員をサポートするために、生産工程と品質部門を請け負っています。
Q:
貴方が中国工場で指揮を執るうえで、最も重要な事は何でしょうか?
A:
一番重要なことコミュニケーションだと思います。全員が一度に理解できるように気を遣わなければなりません。
次に重要なことは文化と職場環境を理解し、全員と調和をとることです。
Q:
アメリカの工場と中国の工場との違いは何でしょうか?
A:
アジアでの生産の特徴はすべてがハンドメイドであることと言えるでしょう。
ハイテクのCNCやマシーンは使用していません。
アメリカでは従来のプロセスを維持している傍ら、中国でプロセスの95%は手作業で手間のかかる作業を行っています。
その他の違いとして、クリアかつ効率的にコミュニケートできるためにマネージメント・スタイルを状況に応じて適合させることです。中国においてアメリカ独自の考えをそのまま押しつけることは流れに逆らって泳ぐようなものです。
Q:
青島工場の従業員と共にギター製作を行う上で、最も楽しい点は何ですか?
A:

ギター生産の知識及びマネージメント経験を従業員たちとシェアすることです。
私たちは、日々のオペレーションを改善するために、アイデア・意見・提案を全員でシェアしています。
毎日がアジアでベストなギターを生産する新たな挑戦でもあります。
彼らの労働観とプライドは私が過去にマネージメントしたどんな工場にも比較にならないほどです。

Q:
巨大な工場での生産でクオリティーを維持するために最も重要な点は何ですか?
A:
細部への注意力、エピフォンの厳重な品質基準に準じた知識豊富な優れた品質管理チーム。そして、木材の管理や工場の温度及び湿度を常にモニタリングしコントロールすることです。
Q:
ギブソンUSAとの連携はどのように行われていますか?
A:
エピフォンに異動になる前はギブソン社で15年勤務しており、現在でもR&D、エンジニアリングや生産部門ともコンタクトをとっています。デイリー・ベースでコミュニケーションをとり、サプライヤー情報や問題をシェアし、ギター生産の改善に努めています。
Q:
貴方自身がギター製作のスペシャリストでいらっしゃいますが、ギター製作で最も重要な点、最も注意すべき点は何でしょうか?
A:
仕様に忠実で正しいプロセスで生産されているか。また、もっとも良い材料の調達は、工場の温度や湿度をギターが製作される最初から最後までモニタリングして保つのと同じぐらいに重要なことです。
Q:
貴方方が製作されたギターをどんな人達に手にして欲しいと思いますか。
A:
すべての人にエピフォンを手にとってもらいたいです。
音楽のジャンル、ユーザー層は関係ありません。
我々のゴールは、グローバルにすべての人々、あらゆるスタイルの音楽シーンでエピフォン製品を使用してもらうことです。
Q:
伝統的なブランド「エピフォン」の中国工場が、今後目指している事は何でしょうか?
A:
クオリティー!クオリティー!クオリティー!
私たちは素晴らしい品質管理チーム体制を整えています。クオリティーは製品にモデル名が付けられる前に重要なことです。
Q:
個人的なお話で恐縮ですが、アメリカから中国に移り何か驚いたエピソード等ありますか?
A:
アジアの食文化になれてなかったので、最初の2,3ヶ月で約10キロ体重が減ったことです。
コミュニケーションが難しく、毎回通訳を介しての会話は大変でした。今でも大変です。また、テネシー州の小さな町から来た私にとって中国の交通事情とドライビング・スタイルはなかなか馴染めません(笑)。
Q:
貴方自身は現在どのようなかたちで音楽を楽しんでいらっしゃいますか?
A:
音楽の楽しみ方は2つあります。
1つ目はi-pod。ブルース、ロック、カントリー、オルタナティブ、フォークなどあらゆるジャンルの音楽が私のi-podには入っています。
もう1つはショールームで、好きなギターをチョイスして弾くことです。
Q:
池部楽器店をご利用頂いているお客様へメッセージをお願いします。
A:
正真正銘ハンドメイドの楽器を手に入れたいのであれば、その製品に対しての製作者の愛情と情熱のこもった1本をみつけることです。
 
ありがとうございました。
 
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