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東北電、60万キロワット融通受ける 八戸火力5号機停止
東北電力は18日、電力需給が逼迫(ひっぱく)する恐れがあるとして、東京電力と関西電力から合わせて最大60万キロワット(うち東電分は35万キロワット)の電力融通を受けた。気温上昇に加え、八戸火力発電所5号機(八戸市、出力27万4000キロワット)が同日午前9時半ごろに自動停止したため。他社からの融通は2月1日以来で、本年度は初めて。 管内の同日の供給余力を示す予備率は融通分を含め4.1%(速報値)となり、本年度最低を記録した。19日も高温が見込まれ、東北電は節電を呼び掛けている。 東北電は需要に対応するため、水力発電の第2沼沢発電所(福島県金山町、出力46万キロワット)を緊急的に運転させ、最大14万キロワットを発電させた。同発電所の運転は昨年7月の新潟・福島豪雨後初めて。供給力として織り込んでいたものの、豪雨で被害を受けた住民の理解を得られず、稼働できずにいた。 八戸5号はガスタービンの異常を示す警報が鳴り、自動停止した。原因は調査中。7月に緊急電源として稼働、8月23〜27日にも停止した。 18日の最大需要は午後2時台の1278万キロワット(1時間平均、速報値)で、供給力は融通分を含め1330万キロワットだった。 東北電管内では今月上旬から、他社との共同出資分なども含め、四つの火力発電施設が定期点検に入っている。需要低下を見込んだ対応だったが、厳しい残暑で需給逼迫を招く形となった。 東北電は「需給が厳しい場合、電力融通などで対応する」と説明。第2沼沢発電所の運転については「事前に地元自治体に説明した」などとした。 地元・金山町の長谷川律夫町長は河北新報の取材に「説明は聞いたが、東北電に要望している被災者支援策は実現しておらず、運転再開に納得してはいない」と話した。
2012年09月19日水曜日
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