現場発:震災がれき焼却開始 西日本初でも後続なし 北九州市
2012年09月18日
北九州市は17日、宮城県石巻市から受け入れた震災がれきの焼却を始めた。がれきの広域処理を西日本で実施するのは初めてで、市は同日から風評被害対策としてネットへの書き込み調査も始めた。【内田久光、宍戸護】
市は今後、毎日約110トンを市内にある三つの焼却工場で処理し、14年3月までに最大6万2500トンを処理する計画だ。焼却施設の一つ、日明(ひあがり)工場(同市小倉北区)には17日朝、がれきを積んだトラックが次々と到着した。午前9時40分から、一般ごみと混ぜられたがれきは、クレーンで焼却炉へ投入された。
本焼却が迫った12〜14日には、反対する市民らが市庁舎5階の市長室前に深夜まで座り込むなど混乱が続いた。焼却の始まった17日にも工場近くに約30人が集まり、「がれきは要らない! 焼却やめろ!」と叫ぶなど、抗議の声は根強い。一方で、処理の初日を迎え、北橋健治市長は「一日でも早く被災地が復興の日を迎えられるよう、着実に作業を進めたい」とのコメントを発表した。