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世界平和


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  戦争のない平和な世界がおとずれてこないか?と多くの人が切望しています。しかしいまだにそのような世界が
創れるところにはいないようです。一部の人達は「昔から比べればずいぶん良くなった来ている、だからこのまま進
めばやがて、戦争の無い社会が実現するに違いない」とも思っています。いやそれを否定する気持ちはありません
が、戦争をなくしたとしても、貧富の差はどうなるのでしょう。「やがて平等になる」とは言い切れないように思いま
す。「平等」が実現しないと、社会的不安定は解消できないように思います。社会が不安定なら、犯罪も増えるだろ
うし、やがて戦争の危機すら否定出来ないようにもおもわれます。戦争をなくすのは勿論、平等も「平和」の為には
必要なものではないでしょうか?人によっては「平等と言っても、それは機会の平等という事だよ」と言って私から
見れば「ごまかし」としか思えないような事を言ってる人もいますが。本当の「平等」が心の平和の為には必要な
事だと思います。世界中の人々が貧困から抜け出し、平和で豊かな暮らしが出来るようになる事が本当の意味で
の「世界平和」だと思います。では世界中の人々が平和で豊かな暮らしをする事が出来るような社会がつくれるの
でしょうか?

歴史の中でも同じような疑問を持っていた人達は沢山います。ノーベルもその一人でしょう。彼は「こんなに破壊力
の大きな物が出来てしまったら、人々は怖くて戦争が出来なくなるだろう」と思ったそうです、しかし現実は皆さんが
見ている通りです。マルクスも同じように「貧富の差」のない平等な社会を夢見ていました。しかし現実にはむしろ
貧富の差を広げるだけになってしまったようです。何処に問題があったのでしょう?
それらを踏まえると「人類は進化しない限り世界平和は不可能かもしれない」と半分あきらめている人達も多いよう
です。すなわちホモサピエンスの進化型の、DNAも全く違う新しい人類が登場しないと駄目かな?という考えで
しょうか?でもそれでは「不可能」と言ってるのと同じだと思います。まぁほとんどの人達はなかばあきらめている
とも言えるでしょう。

かなり多くの人達が「平和運動」をしています。しかし「あきらめてしまってる人達」を動かすのは至難の業です。
いやむしろ「戦争」を促進する人達も大勢存在しています。そして彼らは「力」があるのも事実でしょう。そして戦争
反対を叫ぶ人達は目立つので「大多数」という錯覚を持ちますが、選挙をしてみれば結局「戦争するべき」「戦争し
たい」(多分この場合利権がからんでいるようですが)「戦争をしたほうが良い」と思ってる人達や「戦争やむなし」
と考えている人達の方が圧倒的に多い様にも観察できます。多数決の社会ではそれが「力」にもなっています。
すなわち多数決の世界では「数は力」なのです。彼らの「力」を上回る「力」を持たない限り「平和運動」も「そこそ
この成果」しか揚げられないように思えるのもそんな事情がある様に思います。
この問題はまた後ほど取り上げていきます。

しかし、本当に「力」の問題でしょうか?「力」って何でしょう?そして本当に力づくで平和を勝ち取る事が出来るので
しょうか。力づくで「平等」を生み出す事が出来るのでしょうか?答えは残念ながら多分「否(いな)」です。ノーベルは
「抑止力」を考えていました。でもダイナマイトより大きな原爆が出来ても戦争はなくなる気配はありません。
犯罪でも考えて見ましょう。法律等で罰則を決める事は犯罪に対する抑止力になります。しかし皆さんも十分御存知
の通り、犯罪を無くす事は不可能です。抑止力はそれなりの効果はなくはありません。しかし問題解決には程遠い
ものなのではないでしょうか?「罰則を強化すればいい」と考える人達もいますが。どんなに罰則を強化しても、すな
わち抑止力を強めても、結果は同じです。いな罰則を強めれば強めるほど犯罪は隠される傾向になり、時には犯罪
を隠すための殺人まで起きてしまいます。さらに冤罪その他の問題が出てきて、むしろ人々に平和とは程遠い苦し
みを与えてしまう事すらあるのではないでしょうか。現在の法律はそういったギリギリの所にあるともいえます。
すなわち後は個人的道徳心にまかせるより方法はないのです。しかしそこには法律の穴が必ず出てきて、多くの
犯罪者がそこを付けねらえば、法律を強化せざるをえなくなる、というジレンマに陥ってしまうのです。これではなか
なか安心して暮らしてはいけないようです。
マルクスは「力づく」で「貧富の差」を無くそうとしました。結果は皆さんもご存知の通りです。「正しい事」というのが
「力を持ったものの意見」で押し通されて、なにが正しいか?という議論さえ封じられてしまいます。これは「力ずく」
が到達する「必然」です。何故なら「善か?悪か?」は個人に依って違いが必ず生じるからです。いわゆる「解釈の違
い」が生じるわけです。どちらが正しいか、結局「力ずく」の勝負になってしまうでしょう。そして「勝った者=正義」と
いう判定におわってしまいます。

抑止力についてもう少し考えてみましょう。皆さんも御存知の通り、小学校に侵入して、児童を殺傷した犯人は「死に
たかった」「死刑にしてくれ」と言っています。このような人を「抑止力」で犯行を思いとどまらせる事が出来るのでしょ
うか?また「自分は絶対にへまはしない、だからばれる事などありえない」という妄想を持ってしまった人や、本当に
犯罪がうまくて捕まえる事の出来ない人や、権力の中枢に居る為に、その悪事を見つける事がはなはだしく困難な
人達の悪巧み、及び犯行を「抑止力」で思いとどまらせる事が、出来るのでしょうか?大きな集団を作り、その中で
犯罪を行なっているのではないかと想像できる様な人達を「抑止力」でやめさせようとしても止める事は出来ないの
です。これが国家レベルになった時、抑止力では「絶対変わるはずがない」わけですから、それは最終的に「戦争」
を意味するでしょう。昔の戦争は「領土の奪い合い」見たいなところがありましたから、抑止力もそれなりに効果が
あった様ですが、最近はちょっと様子が変わって来ているようでもあります。

人類は歴史の中で沢山の実験をしてきました。そして、その実験のテーマは「力ずく」だったのではないでしょうか?
そして沢山の犠牲を出しています、それは今も続いています。しかし「力ずく」の試みはことごとく失敗におわっている
と結論づけてもいいのではないでしょうか?「勝組み」には承服しがたい事実かもしれません。「勝組み」の人たちに
とっては「うまく行ってる」としか映らないかも知れませんが「平等」という立場から見れば、明らかに「失敗」している
としか言いようがありません。「考える事」を放棄してしまうと「本当の平等なんてありえない」と感じてしまうかも知れ
ません。過去の知りえる歴史の中では「本当の平等」なんてなかったし、人間の貪欲さを考えると、どう考えても出来
るはずはない。と思えるでしょう。でも「あるはず」です、解決方法が。それはまだ見逃している「力ずく」について考察
する所あたりに存在してる様です。だから、人類はそろそろ「力ずく」を放棄して新しい解決方法を模索すべき時期に
きているのでは無いでしょうか。いや歴史を繰り返さない為にもぜひ「力ずく」から脱却したいものです。しかし「力ず
く」は「いけない」とか「悪である」と言ってるのではありません。それでは「力ずく」を「力ずく」でなくそうというマルクス
の失敗を繰り返すだけです。

アミティと云う団体があります。犯罪者を更正させる民間の団体です。そこでのスローガンは「脱暴力」です。
ここに大きなヒントが隠されています。ですから私は問題解決に
「脱力ずく」
を模索していきたいと思います。
勿論「力ずく」の事を「暴力」と呼びますが、あえて「力ずく」と言い直したのは「暴力」と呼ぶとどうしても肉体的「力」
に限定されてしまうニュアンスがあるからです。ここでいう所の「力」とは肉体的力だけではなく「権力」「財力」「知力」
等「力」と名のつくものすべてを指しています。力の否定ではありませんあくまでも「力ずく」から脱したいという意味
です。勿論「抑止力」も含まれます。

ここまで聞くと、多くの人達は反射的に疑問が生じるかもしれません。「人間は本来残虐なものだから抑止力をなくし
たら、社会そのものが成り立たなくなるのではないか?」と。しかし、人間の残虐性は本当に「本来的に」持っている
ものなのでしょうか?本当に社会そのものが成り立たなくなるのでしょうか?どこかに信頼の置ける根拠が存在して
いるのでしょうか?この疑問が生じさえすれば、新しい可能性を模索する事が可能になるとおもわれます。勿論「抑
止力」を全面否定しているわけではありません。現在のように残虐性のある人達が多数存在している厳然たる事実
があるので、必要に応じて「抑止力」は必要です。いな抑止力をいきなりなくしてしまえば、それは当然大混乱が起こ
る事は必定です。ですから「すぐになくせ!」と言ってるわけではありません。「脱力ずく」とは同時に「ゆっくり」という
意味でもあります。「急ぐ」とどうしても力に頼りたくなってしまいます。そうなると「表面的解決」は可能かも知れませ
んが「根本的な所」が抜けてしまい、結局余計時間がかかる事になるし、悪くするとこじらして解決不能にしてしまう事
もまれではありません。ですから
「脱力ずくとはゆっくり」
ということです。ただひたすら待つという事も時には必要になるのです。

「じゃぁどうすれば良いんだ?」

それを皆さんにも考えて貰いたいのです。

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