auスマートパスは主にAndroid端末向けに500本以上のアプリ、クーポンやセキュリティー関連まで、幅広く取り扱う定額制サービス。月額定額でアプリを好きなだけ使えることが支持され、サービス開始から半年で加入者は200万を超えた。10月1日以降は、Android端末を利用しているユーザーにも、従来のアプリ取り放題サービスにウェブ形式のコンテンツが加わる。
差異化を図る重要なポイントに
日経ビジネス(2012年9月10日号)で既に報じたとおり、ソフトバンクも10月から、Webサービス利用し放題の「スマ得パック(仮)」を開始する。ソフトバンクは現時点で約100サイトの参加表明を取りつけているもよう。当初からすべてのコンテンツを提供していくかどうかは未定だが、KDDIとのコンテンツ囲い込み競争の激化が予想される。
コンテンツ使い放題のサービス対象がiPhone利用者にも広がるのは今回が初めて。KDDIとソフトバンクにとっては、同じiPhone 5を提供する事業者として、通信回線品質や料金以外で差異化を図る重要なポイントになりそうだ。
携帯電話向けコンテンツ配信は、通信料金に上乗せして料金を支払える手軽さかから、NTTドコモのiモードなどが新たな市場を切り開いてきた。スマートフォン時代に移り、主役は端末やOSを握るアップルやグーグルに奪われつつある。
米グーグルも今年5月、これまで売り切り型だったアプリ販売の一部を月額課金制に切り替えはじめた。こうした海外IT大手の動きに、国内携帯電話会社がどこまで反撃できるかがもう一つの競争の軸といえる。