TOP
注目記事

facebook
twitter

人気連載
矢印

B級スポットへ旅に出よう『退屈巡礼』

モヤモヤした後味がたまらない!? 伊豆の亀族館「アンディランド」
写真

アイドル映画監督・梶野竜太郎の『アイドル映画評』

AV女優、変幻自在! 男の勝手な妄想ムービー『AI高感度センサー搭載 メイドロイド』
写真

サイゾー×SOD緊急連載『明日に向かって勃て』

“夢の神具”で谷桃子がスケスケに!? 男の欲望を満たす、禁断の新感覚ドラマって?
写真

深読みCINEMAコラム『パンドラ映画館』

行き詰まった人生の扉を開く鍵は“銭湯”にあり? 内田けんじ監督のオリジナル作『鍵泥棒のメソッド』
写真

ロリ顔ライター・朝井麻由美『散歩師・朝井がゆく』

豚のおっぱい、山羊のキンタマ……“食べ物界の一発屋”獣肉を食らう!!
写真

料理の数だけダジャレがある一『男のダジャレレシピ』

ガリガリ君でスタミナアップ!?「ガ~リガ~リック♪」(しょうがとニンニクのチャーハン) 
写真

珍バカライター・北村ヂンの『突撃取材野郎!』

想像を超えるミラクル・ショー! ロボットレストランに潜入
写真

アジア・ポップカルチャーNOW!

まさに“シンガポール・ドリーム”! 国宝級アート・ディレクターが、憧れの地・日本でブレイク間近
写真

あの頃が蘇る『バック・トゥ・ザ・80'S』

「なんでもあり」な80年代を象徴するツッパリキャッツ! なめ猫今昔物語
写真

木嶋のりこの『アイドル的アイドル思考法』

誰よりチュッパチャップスが似合う女の子……「内田理央の≪口元≫」
写真

昼間たかしの『100人にしかわからない本千冊』

あっと驚くパロディ満載!「パロディ・マンガ大全集」
写真

宍戸留美×小明×VoiceArtist『声優onFINDER!』

「もうGLAYが本業かもしれない……」【栗田エリナ】座ってるだけのウィークエンド
写真

元木昌彦の『週刊臨スクープ大賞』

裏カジノ、振り込め詐欺にクリカラモンモンまで!? AKB48創設者の黒い過去
写真

アイドルライター小明の『大人よ教えて!逆人生相談』

ヒロシさんの至言「女の人はね、僕と約束してる日にカゼひくんですよ」
写真

山口敏太郎の『摩訶不思議ぶった斬り』

共演者が次々とトラブルに襲われた……呪われた番組“ラビリンズ村”
写真

オススメ情報
矢印

『小明の副作用』特設ブログ更新中

ニューシングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」大絶賛発売中!
写真

イチオシ企画
矢印

竹島問題でK-POP完全終了!

もともと“韓流ブーム”なんてなかった!?
写真

インフォメーション
矢印

今バカ売れの英語教材!

勉強嫌いでも英語苦手でも上達するセイン・カミュも認めた英教材とは?
写真



「LINE」爆発的普及の裏にあるガラケー文化の巧みな利用法



【プレミアサイゾーより】

1209_line.jpg
送るスタンプを選んでタッチしたその瞬間には、
もう相手に送信されている。この速さはこれま
でのメッセージングアプリにはなかったものだ。
ただし、送り間違いには注意!

進化の歩みを止めないIT業界。日々新しい情報が世間を賑わしてはいても、そのニュースの裏にある真の状況まで見通すのは、なかなか難しいものである――。業界を知り尽くしたジャーナリストの目から、最先端IT事情を深読み・裏読み!

 使ったことはなくとも、多少ITや新サービスに興味があれば聞いたことはあるだろうスマホアプリ「LINE」。NHN Japanによって開発されたこのアプリは、なぜこれほど話題を呼び、ユーザーを増やしているのか? 久々の日本発のヒットサービスとなりそうな、このアプリのすごさを探る。

 LINEというアプリの成長ぶりが今、IT業界で話題騒然となっている。

 LINEは、NHN Japanが開発した、スマホ向けのメッセージングアプリだ。NHNは韓国企業で、元の社名をハンゲームといった。検索エンジン「NAVER」を運営していることで有名で、日本でも「NAVERまとめ」というキュレーションサービスが人気を集めている。最近では、ライブドアを買収したことでも知られる。LINEはこの会社のサービスだが、日本法人主導で開発されており、実はほぼ純国産のアプリ。そしてLINEのユーザー数は、今すごい勢いで伸びている。国内のユーザー数は1800万人、世界ではなんと5000万人。今年4月以降、毎月500万人以上のペースで伸び続けており、グローバルプラットフォーム化に成功しつつあるといっていいだろう。

 このLINEの最大の注目点は、日本がかつて誇ったガラケー文化のエッセンスをうまくスマホの世界に持ち込み、「つながり」を軸としたコミュニケーションの演出に成功したことだ。

 持ち込まれたガラケー文化のエッセンスのひとつは「電話番号」であり、もうひとつは「スタンプ」だ。

 LINEはスマホのアプリだが、スマホっぽいところが全然ない。たとえば普通のスマホアプリだと、アカウントを取得するのにIDやパスワードを設定したり、フェイスブックやツイッターと連携させたりといった登録作業が求められるが、そういう面倒さはLINEからは排除されている。そもそもログインという概念さえ排されていて、即座に使い始められるようになっている。

 携帯電話というのは、非常に直感的なデバイスだ。ガラケー時代にはこの直感性が重要視され、だからこそ老若男女多くの人に使われるようになったといえる。日本が2000年代前半のガラケー時代にモバイル先進国となれたのは、こういう直感性を重視し追求したからではないか。ところがその直感性は、スマホの波の中で徐々に失われつつある。スマホという「モバイルのPC化」によって、モバイルにPC的なインターフェイスが持ち込まれたため、直感性が減少しているのだ。

 LINEはここをうまく乗り越えて、スマホアプリでありながらガラケー的な直感性を実現しているように思える。ログインの排除や電話番号をベースにしたメッセージングがそうだ。

■古くて新しい「つながり」を推す機能

 そしてこの「ガラケー的な直感性」を、スタンプ機能が強力に後押ししている。スタンプとは、アイコンや顔文字をさらに大きくした画像で、メッセージとして送信できるものだ。テキストに添付するだけでなく、スタンプ単体で送ることで、相手にちょっとした感情をワンクリックで気軽に送信できるのが特徴だ。

 6月に北海道で開かれたIVS 2012 SpringというIT系のイベントでのセッションで、NHN Japan執行役員の舛田淳氏はこう話していた。

「スタンプはもともと絵文字からスタートしたけれど、絵文字よりもっとカジュアルに気持ちを伝えられるものがないかということを考えた。テキストの最後にニュアンスとしてつける絵文字でさえも、時間がかかる。それよりもインスタントにカジュアルに送信一発で伝えられないか。そういう発想から、単体で送れる大きい絵柄の画像を考えた」

 スタンプのキャラクターも工夫をしたという。ただ可愛いだけではなく、ちょっと怖い感じのキャラクターが中心だ。

「『キモカワ』といわれるような若干の毒があるのは、さまざまなスタンプを用意してリサーチしてみた際、若い女の子は『これがいい』という反応だったから。意見が真っ二つに分かれたので、だったら反対意見があまりないものよりも、反対があったほうを選んだほうがいいだろうという判断となった」

「これらのキモカワのスタンプは、フェイスブックやツイッターには向かない。なぜなら『怒ってるウサギ』とか『困ってるクマ』というのは、単体では何の感情を表現しているのかわかりにくく、送信側と受信側の人間関係の中でだけ意味を持ちうるから。つまりクローズドなメッセージングだから成り立つ感情なのだ」

 これは非常に鋭い分析だ。インターネットには「情報流通」機能と「つながり」機能があるが、フェイスブックやツイッターなどはどちらかといえば前者に傾斜している。日本ではミクシィが後者の「つながり」を前面に打ち出したSNSだったが、若干失速してしまった。この隙を狙ってLINEが「つながり」メディアとして急成長してきた。その背景には、日本の若者のクローズドな人間関係にうまくはまり込む機能を巧みに提供できているからだろう。

 なお先ほどのIVSのセッションでは、司会を務めたヤフーCIO松本真尚氏が、こんな興味深い質問をしていた。

「LINE利用者はキャバ嬢とかが圧倒的に多くて、ほぼ100%使ってるという話もある。LINEを使うと、モテ率が30%ぐらい高まるのでは?」

 水商売系でLINE率が高いというのも、ガラケー文化を強く感じさせる象徴だ。もともと水商売系には、フェイスブックやツイッターのようなオープンな情報流通系SNSはそぐわない。キャバ嬢とフェイスブックのフレンドになったりすると、ほかの交友関係にすぐばれてしまって、いささか恥ずかしいことになる。それに比べればLINEはクローズドなメッセンジャーなので、他者にばれないですむというメリットがあるわけだ。

 そもそもコミュニケーションは多様である。相手によって、TPOに応じてコミュニケーションのメディアを使い分けるというのは当然の作法となっていくのだろう。

 先ほどの質問に、NHN Japan社長の森川亮氏はこう返答した。

「(水商売に限らず)やっぱりコミュニケーションが大切ということ。コミュニケーションって、何のためにやるのだろうか。フェイスブックは情報伝達したり、意味を求めるコミュニケーションだけれど、LINEは気持ちを伝えるコミュニケーション。テキストより、その時の気持ちをさくっと伝えられる。知り合いとのコミュニケーションって、そういう伝達がけっこう大事なのでは」

 さらにLINEは、ビジネスモデルまでもガラケー的だ。フェイスブックやツイッターのように広告で儲けるのではなく、アイテム課金を持ち込んでいるのである。メッセージで送るさまざまなスタンプを、購入できるようになっているのだ。これはグリーやモバゲーのような日本のソーシャルゲーム業界が構築してきたアイテム課金のモデルを、うまくメッセージングに持ち込んだということで、たいへん興味深い。

 森川氏は「機能が多いよりは、使いやすさ・わかりやすさ・直感的な使い勝手が大切」と話していた。せっかく育ったガラケー文化をスマホの波で見失ってしまうのではなく、時代に適合させる形で進化させていくというのは、なんとも素敵である。

(文/佐々木俊尚)

楽天の電書リーダーの破壊的価格
7,980円
2012.7.19 楽天らしい爆安でキンドル発売に対抗!
楽天が満を持して発表した電子書籍リーダー「コボタッチ」は、8000円を切る思いきった戦略的価格。ソニーリーダー・1万6800円、シャープGALAPAGOS・2万4800円などと比べると非常に安い。しかし発売当初アクティベーションができないといった不具合があり、苦情が殺到。波乱の幕開けとなった。

【佐々木が注目する今月のニュースワード】

■マリッサ・メイヤー
迷走する米ヤフーの新CEOに、グーグルの「顔」として知られてきた古参女性幹部のマリッサ・メイヤーが就任。おまけに現在妊娠中で秋に出産予定ということで、アメリカのIT業界では話題沸騰している。果たしてヤフーを復活させられるか。

■クラウドワークス
今、日本で急成長中のクラウドソーシングサービス。仕事が欲しい技術者やクリエイターと、仕事を発注したい企業や人を結びつける仕組み。スタートして3カ月あまりで、募集案件総額が3億円を突破した。

■リトルモンスターズ
レディ・ガガがスタートさせた独自のSNS。これまでタレントやミュージシャンはフェイスブックやツイッターなどの大手サービスを利用するだけだったが、今後はオウンドメディア(自社メディア)を持つケースが増えてくるかも。

佐々木俊尚(ささき・としなお)
1961年生まれ。毎日新聞、アスキーを経て、フリージャーナリストに。ネット技術やベンチャービジネスに精通。主な著書に『電子書籍の衝撃』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『キュレーションの時代』(ちくま新書)ほか。3月16日に『「当事者」の時代』を光文社新書より上梓。

【「サイゾーpremium」では他にも気鋭の識者による連載が満載!】
町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」/食事はマクドナルドに!?落ちゆく“裸の”女王様
高須基仁 の「全摘」/三才ブックスのDVDコピーソフト販売問題で社員4人逮捕は「みせしめ」、公のいじめだ!
神保哲生×宮台真司「マル激 TALK ON DEMAND」/リオ地球サミットの約束はなぜ果たされなかったか

1lineimg.jpg

「サイゾーpremium」とは?
雑誌「サイゾー」
のほぼ全記事が、
月額525円読み放題!
(バックナンバー含む)




[ 関連記事 ]
PR


powered by newziaコネクト

[ カテゴリ ] プレミアサイゾー


[ 関連タグ ]





[ プレミアサイゾー 最新記事 ]


[ オススメ記事 ]
PR


[ 最新記事 ]




【facebook コメント】
PR



【この記事に関するつぶやき】



注目のキーワード

オススメ情報

トピックス

アプリ版日刊サイゾー