三沢で方言聞き取り調査始まる(2012/09/17 22:42)
 東日本大震災による住民の避難などで伝承が危惧される被災地の方言を将来へ残そうと、文化庁の委託事業である住民からの方言の聞き取り調査が17日、三沢市で始まった。調査は、青森県のほか、岩手、宮城、福島、茨城の沿岸地域で実施している。
 調査は方言資料の収集、整理を行い、継承の基礎資料にするのが目的。青森県内は同市のほか八戸市、おいらせ町、六ケ所村に住む70歳以上の高齢者を対象に行う。臨床方言学に取り組む弘前学院大文学部の今村かほる准教授(48)らが調査に当たる。
 三沢市では、沿岸北部の塩釜地区に住む川村カズさん(78)、田中ツマさん(72)、吉田キミさん(84)、立崎カヲルさん(78)が調査に協力。今村准教授らは「駅」と「息」、「地図」と「知事」などの発音やアクセントの違い、濁音の付けどころ、間の取り方などを詳細に聞き取りした。
 調査には災害発生などの緊急時、外部から訪れた支援者と被災者との意思の疎通を円滑にする狙いもある。
 調査後の取材に今村准教授は「医療や福祉の現場で、コミュニケーションギャップから、間違いが起こったら大変なこと。そうした分野にも活用できるようなツールを開発したい」と強調。南部弁の調査には「津軽弁に比べ学術的に整備されたものが少ない。調査を通し、一つ一つ掘り起こしていきたい」と述べた。
 聞き取り調査は11月上旬までに行う。来年2月末をめどに、調査結果をまとめて国に報告する。 (内沢浩)

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