特集 環境学習とEM
掲載記事:「えむえむ関東57号」より
=EMネット埼京発=
見えない物のはたらきを理解した
・・・さいたま市立指扇北小学校・・・
環境浄化を進める会・大宮 島田 静子
 3年前、地域の学校支援ボランテイアに登録したのがきっかけで、指扇北小学校から廃油を利用した石けん作りの指導を依頼されました。それ以来3年間、毎年4年生の総合学習に関わらせていただいています。

◇1年目(4年生ひとクラスのみ実施)
 2時限を使って、前半、河川の汚れと私たちの生活との関係やきれいな川にするために、私たちができること、EMを使うと簡単に汚染源を浄化源に変えることができることなどを話し、後半、EM廃油(固形)石けん作りを行った。未使用油を持ってきた子供3人のものは、時間内に固まらなかった。
◇2年目(4年生全員の2クラスで実施)
・1日目

 1時限を使って4年生全員に環境講話(河川の汚れの原因・その解決策、とぎ汁EM発酵液の活躍、ゴミ問題・生ごみはすばらしい肥料、その他リサイクルについて)。その後、自分たちにできそうなことを発表。
・2日目(4年1組実施)
 1時限を使って、廃食油を利用した石けん作りの実習。市販の石けんとEM石けんの違いをカイワレ大根の発芽写真等で説明したあと、石けん作りを行った。この年は、時間の都合もあり、各自、油を持ち寄るのではなく、給食から出た廃油を利用した。
・3日目(4年2組実施)
 1組と同様におこなった。
1日目の自分たちにできそうなことの発表の中で「米のとぎ汁をEMで発酵させて、プールをきれいにしたい。川もきれいにしたい。」
「給食の生ゴミをEMで肥料にして、花を咲かせたい。」といった感想があり、学校でできることは実施させてやりたいという先生方の姿勢で2点を実施することに決定。
その1、
毎日出る給食の生ごみをEMボカシを使って発酵させ、花作り用の土に利用する。
その2、
各家庭に協力してもらい、米のとぎ汁を集めてEMで発酵させ、プールに流し込む。4年生だけでは足りないので全校に呼びかけて集めたとのこと。12月に150L投入。翌年4月にとぎ汁発酵液150Lと活性液100L投入。

プールに投入した効果は?

EMとぎ汁発酵液をプールに投入する前に、発酵液を作った子どもたちの労をねぎらい「これからEMにしっかり働いてもらいましょう」と語りかける島田静子さん

−体育主任の先生からいただいたコメント−
『何校にも勤務し、長い間体育主任として、プール清掃に関わってきましたが、こんなに楽なプール清掃は初めてです。
@プール床面のヌメリが少ない。
A落ち葉が分解されていて、プールの排水口に詰まらない。
B堆積物(ヘドロのようなもの)が臭くない。
C床や側面の汚れが、ちょっとこすっただけで、すぐ落ちる。来年もこの方法を続けたい。』

◇3年目(4年生全員の2クラスで実施)
・1日目

 1時限を使って4年生全員に環境講話。
 内容は前年とほぼ同様だが、最後に環境クイズとして講話のまとめをしたら、皆はりきって答えたり、悩んだりして子供の純粋な姿がみられた。
・2日目(4年2組実施)
・3日目(4年1組実施)
感想文の一部

 2日目、3日目は、2年目に行ったような内容で石けん作りの実習。
 3年目も子供たちの感想や自分たちでやりたいこと、できそうなことの中にプールの浄化のこと、給食の生ごみのことが出てきたので、この学年でも実施することになった。プールには12月とぎ汁発酵液150L投入、5月始めにとぎ汁発酵液150L・活性液200L投入。5月初めに投入した米のとぎ汁では、ちょっとしたハプニングがあった。4月に今まで担当していた先生が転勤になり、EMの使い方の引き継ぎが充分でなく、EM(活性液)の準備をせず、いきなり米のとぎ汁集めを始めてしまった。偶然このことを聞きつけて、EM活性液を持ち、学校に駆けつけ使用方法を説明した。投入日、とぎ汁発酵液のpHは3.5であったが、ニオイがちょっと気になり、数日後更に活性液を100L投入した。前年と同様、良い結果が得られ、この年転任されてきた体育主任の先生も、楽にプール清掃できたことに驚いておられた。

 過去3年間、石けん作りに使用したEMWやEM−Xセラミックスパウダーなどは、実費でお分けしました。プールに投入する米のとぎ汁の発酵にはEM活性液を使いましたがこれは「環境浄化を進める会・大宮」で提供しました。又プールに投入したEM活性液(二次発酵液)も当会で提供しました。給食の食べ残しの処理は、学校の近くの店で容器とEMボカシを購入したそうです。
4年生では、微生物という目に見えない生き物の話は難しいかと思いましたが、米のとぎ汁のペットボトルがふくらんでいくことや生ごみが甘酸っぱい匂いに変わっていくことを体験して、目に見えない物の存在を意識してくれたようです。家に帰って学校での体験を話し、大人を変えていく原動力となった子もいますが、学校で学んだことをどのように普段の生活に結びつけていくかが、まだ弱いように思います。この点を今後の課題として、子供たちに向き合っていきたいと思います。

H16年5月にプールにEM米のとぎ汁発酵液を投入

プール清掃前日。プールの戦をとると、どんどん水が流れていき、水がないところはまだ掃除していないのに大変きれい。

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