特集 環境学習とEM

掲載記事:「えむえむ関東57号」より

                                    =EMネット山梨発=
米の磨ぎ汁発酵液によるプール浄化の試み
明野村立明野中学校教頭 小沢 建二
1.動機
 本校では、プールの壁や底面に汚れが付着し、夏の水泳指導前の清掃が大変であった。またそのために多くの洗剤が使わなければならず、排水が地域の側溝に入り、環境を汚染していた。
 鮫谷氏からEMの活用法として、「米のとぎ汁EM発酵液」を投入することでプールを浄化することができるということを聞いていた。そこで、本年度は鮫谷氏の協力を得て、プールの浄化に取り組むことにした。

2.取り組み
取り組む際の目標として、次の2つを確認した。
@環境を浄化する方法を知り、環境に対する意識を高める機会にすること。
A米のとぎ汁は、流して捨てれば水質を汚染するがEMを加えて発酵させると、水質を浄化するよい働きをするものに変化する。また、浄化されたプールの水を下流に放流すると水質環境を浄化することになる。このような活動を生徒に体感させることにより環境に対する意識を高める機会とすること。
 なお、取り組みの主体を、体育委員会の活動として、学校を生徒自らきれいにしていくという意識を持たせるようにした。

写真1
期間:5月中旬〜6月中旬(4週間)
 生徒150名であるため、ひとり1Lを4回持ってきてもらうとして、投入総量600Lを目標とした。
方法:家庭の米のとぎ汁をペットボトルに入れ、規定の砂糖を加え、生徒が持参する。EMは体育委員会が入れ、1週間熟成させる。これを4回プールに投入する。(写真1)

投入後の変化:はじめプールの側面は真っ黒な付着物で覆われ、底面は枯れ葉とヘド口がたまり、底のラインは見えなかった。投入2週間目頃から効果が目に見えて分かるようになった。まず日当たりのいい側面から黒い汚れが次第に取れ始めた。1ケ月後には、側面の汚れは全てなくなり、底面のヘド口もほとんどなくなっていた。
プール清掃:側面の汚れは全くなっていたので、底面から取りかかった。ホースで水をかけながらデッキブラシでこすると、クレンザーを使わなくてもすぐに汚れは落ちた。1時間でほぼ終了した。プールが浄化され、清掃が楽にでき、米のとぎ汁EM発酵液の投入の試みは成功した。

3.おわりに
 取り組みの中心になった体育委員長はお礼の挨拶で次のように述べている。「皆さん、この取り組みに協力していただき有難うございました。皆さんの持ってきてくださいました米のとぎ汁がプールをこんなにきれいにしてくれて、流した後も川をきれいにし続け、とても環境にいいです。信じていなかった人もこれを見れば自分のやったことに達成感がもてるのではないかと思います。2Lという重いペットボトルを何度も持っきて大変だったけれど、このような結巣が出たということは、とてもよいことだと思います。協力有難うございました。」
 約一ヶ月の取り組みであったが、プールが日々きれいになっていくのを目の当たりにして、自分達の手で環境を浄化することができることが実感できたと思う。
以上
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